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アジャイル手法にはさまざまな選択肢があり、チームに合ったものを選ぶのは簡単なことではありません。しかしプロジェクトを円滑に運営するためには、ケースバイケースで最適な手法を選択する必要があります。この記事では、アジャイルの意味と概要、初めて使用する場合に便利なフレームワークをいくつかまとめて解説します。
更新: この記事は、アジャイルとウォーターフォールとの違いに関する記述を含めて 2024年 2月に改訂されました。
もともとはソフトウェアの開発のために誕生したアジャイル開発。しかし、アジャイルが効果を発揮するのは、何もソフトウェアプロジェクト管理に限ったことではありません。現在ではあらゆるタイプのチームがこのダイナミックな手法をうまく活用しています。
そもそもアジャイル開発とはどういうものなのか?どんなチームが導入すべきなのか?これからアジャイルをスタートしたいという方のために、この記事ではその概要を解説します。
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Asana でアジャイルチームを管理アジャイル (agile) とは、計画、設計、実装、テストの 4 つのフェーズ (スプリント) をくり返しながら開発を進めていくイテレーション (反復) 手法です。その特徴として、リリース計画段階でだいたいの仕様と要求だけしか決定しないこと、そうすることで顧客のニーズに最大限対応できることなどが挙げられます。
もともとはソフトウェア開発で用いられていたフレームワークですが、現在ではその他多種多様な場面でも使われています。アジャイルフレームワークは、各スプリントの完了後にそのフェーズを振り返ることで、改善できることがないかを探り、改善できることがあれば次のスプリントに向けて戦略を調整できます。
アジャイルプロジェクト計画テンプレートを作成プロジェクト管理に関するフレームワークといえば、従来的には「ウォーターフォール」が一般的でした。ウォーターフォール開発とは、開発工程を一つひとつ順番に完了させながら直線的にプロジェクトを進めていくフレームワークです。 反復しながらプロジェクトを進行させていくアジャイルとはその点で大きく異なります。
近年ソフトフェアの開発がかなり一般的なものとなり、それに伴いプロジェクトの進め方も変わりました。直線的に進めるウォーターフォール手法はソフトウェアチームにとってあまり効果的なアプローチではありません。常にさまざまな変化があり、顧客のニーズも急速なスピードで変化するためです。そこで 2001年に考案されたのがアジャイル開発 (アジャイル手法) だったわけです。
アジャイルマニフェスト (アジャイルソフトウェア開発宣言) とは、アジャイルソフトウェア開発に関する 4 種類の価値観と 12 種類の原則に焦点を合わせたドキュメントです。直線的に進むプロセス指向の製品開発プロセスの代替となるアプローチを必要としていた 17 人の開発者により、2001年 2月に発表されました。
アジャイルについて深く理解するために、4 種類の価値観と 12 の原則について、ポイントをかいつまんでチェックしていきましょう。
アジャイルマニフェストに明記されているとおり、アジャイルプロジェクト管理には主に 4 種類の価値観があります。
アジャイルチームは、独立して作業を行ったり、"定石どおりに働く" ことよりも、チームとしてのコラボレーション、つまり一緒に働くことを大切にします。
アジャイルチームが開発するソフトウェアは機能しなくてはいけません。ドキュメント作成のような追加作業よりも、優れたソフトウェアを開発することの方が重要です。
アジャイル手法において、ユーザーは極めて重要です。アジャイルチームは、ソフトウェア開発のガイド役を顧客に任せます。したがって、顧客とのコラボレーションは契約内容を細かく交渉することよりも重要です。
アジャイルプロジェクト管理の大きなメリットの 1 つに、チームが柔軟に動けるという点があります。このフレームワークでは、チームが急に戦略を変更しても、プロジェクト全体の進行方向がそれることはありません。
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アジャイルの 4 種類の価値観は、アジャイル手法を支える考え方の中核です。こうした 4 つの価値観をもとに、チームは 12 種類の原則を考案しました。これらの原則は、チームのニーズに合わせて簡単に適応させることができます。アジャイルの価値観が家の重みを支える支柱だとすれば、12 種類の原則はその家の中に作れる部屋であると言えます。
以下は、アジャイル手法に用いられる 12 種類の原則です。
顧客やユーザーに定期的に最新情報を提供することで、プロダクトに望む変更点が明らかになりやすくなります。それが、顧客の満足度と経常利益の向上につながります。
アジャイルフレームワークで大切なのは、適応性です。アジャイルのような反復型のプロセスでは、柔軟に動けないことは、メリットよりもデメリットとなります。
一つ目の原則と同様に、顧客に価値を提供するということを頻繁に行えば、契約解除が発生する可能性を下げることができます。
アジャイルフレームワークで最も大切なのはコラボレーションです。メンバーたちが個々のプロジェクトから飛び出して、頻繁にコラボレーションを行うことが理想的です。
アジャイルは、チームがコミットし、目標を達成しようと積極的に作業を行うときに最大の効果を発揮します。
2001年以降、職場でコミュニケーションを取る方法は劇的に変化してきましたが、今でもこれは重要です。分散チームの一員として作業を行う方は、Zoom コールのように相手の顔を見ながらコミュニケーションを取る方法で情報のやり取りを行うとよいでしょう。
アジャイルフレームワークにおいて、チームが追求すべき最も重要なものは、製品です。ここでは、機能するソフトウェアを制作することを他の何よりも優先することが目標となります。
アジャイルでは、一部の側面をスピーディに進めることができますが、チームメンバーがバーンアウトしてしまうほど速くてはいけません。目標は、プロジェクトを通じて持続性を保つことです。
1 つのスプリントで素晴らしいコーディングをすれば、それを基盤に次のスプリントでも作業を続行できます。継続的に素晴らしい仕事をすると、チームは将来的にすばやく作業を行えるようになります。
最もシンプルなソリューションが最適なソリューションとなる場合があります。アジャイルは、物事が複雑になりすぎないようにし、複雑な問題に対してシンプルな答えを見いだすことを目指します。
5 つ目の原則と同様に、積極的なチームは価値観を生み出そうと努力するため、会社にとって貴重なアセットになります。
振り返りミーティングはアジャイルの一般的なプラクティスです。チームがそれぞれのパフォーマンスを振り返り、今後に向けて作業の取り組み方を調整するための時間として効果的です。
無料のアジャイル振り返り用テンプレートアジャイルプロジェクト管理手法はアプリケーション開発などのソフトウェア開発によく使用されるフレームワークですが、現在では多様なプロジェクトにおいて採用されています。では、アジャイルを使用するメリットとは何でしょうか?覚えておきたいポイントは、「適応力」「チームワーク」「ニーズ重視」です。
それでは、チームがアジャイルを使用すべき理由をご紹介します。
もともとアジャイル (agile) は日本語で俊敏を意味する英単語で、こう名付けられたのにはもちろん理由があります。アジャイルプロセスをソフトウェア開発で使用する大きなメリットの 1 つが、プロジェクトの流れを乱すことなく、戦略を “すばやく” 変更できるという点です。
前述したように、従来のウォーターフォール手法では各フェーズが段階的に進んでいくため、戦略を変更するのは困難であるだけでなく、残りのプロジェクトロードマップに支障をきたす可能性があります。ソフトウェア開発は高い適応性が求められる分野であるため、従来の意味での「プロジェクトマネジメント」で、この急速な変化を管理するのは困難です。これが、ソフトウェア開発でアジャイルプロジェクト管理が優先される理由の 1 つです。
アジャイル原則の 1 つに、最も効果的にチームとコミュニケーションを取る方法は顔を合わせて話すことだと記載されています。この原則とプロジェクトのサイロ化を解消することをチームに促す原則と組み合わせれば、協力的なチームワークを生み出すレシピが出来上がります。
記事: チームによるコラボレーションの効率をアップさせる 10 個の簡単な手順2001年以降、テクノロジーが変化し、職場もリモート作業に対応したポリシーを受け入れる傾向に移行しつつあった中、コロナ禍によりその動きはますます活発になりました。対面での仕事がリモートワークに代わっても、プロジェクトをスムーズに進めていくには、チームが一丸とならなければなりません。
もしオンラインでどのようにチームをまとめていけばいいのかヒントを探しているなら、Asana のリモートワーク管理術を参考にしてみてください。
Asana でリモートワークを管理他の業界と比べると、ソフトウェア開発にはチームが顧客やユーザーのニーズに非常に細かくフォーカスできるという独特な一面があります。クラウドベースのソフトウェアの登場により、チームは顧客からすばやくフィードバックを受けられるようになりました。
顧客を満足させることがソフトウェア開発に成功をもたらすカギであることを考えると、それがアジャイルプロセスの一部となっている理由が簡単に理解できます。アジャイルチームは、開発期間、つまり開発途中で顧客とコラボレーションすることにより、顧客のニーズに焦点を当てた機能を優先できます。ニーズが変われば、チームはアジャイルなアプローチで別のプロジェクトに移行できます。
アジャイルフレームワークとは、いくつかのバリエーションを包括した用語です。以下に、一般的なアジャイル手法をいくつかご紹介します。
かんばんとは、アジャイルの可視的なアプローチです。チームは、オンラインのかんばんボードツールを使って、特定のタスクが開発プロセスのどの段階にあるのかを示します。タスクはボード上のカードとして、各ステージは列として表示されます。チームメンバーによるタスクへの取り組み状況に合わせ、カードはバックログ列からタスクのステージを表す列へと移動します。
この手法は、チームが障害やリスクを特定し、仕事の進み具合を視覚化するのに便利です。
記事: ビギナーズガイド: かんばんボードとは?その仕組みは?スクラムは、小規模チーム向けのアジャイル手法です。チームをリードするのは「スクラムマスター」と呼ばれるマスターで、日々の作業を実行する他のメンバーに代わってすべての障害をクリアしていくのがその主な担当業務です。各作業はスプリントとして完了していきます。スクラムチームは毎日ミーティングを開き、現行タスクや障害、開発チームに影響を及ぼすすべてのことがらについてディスカッションを行います。
記事: スクラムは初めてですか?ここから始めましょうスクラムチームにとっての重要な指標である「ベロシティ」について知りたい場合は『ベロシティとは?定義と活用方法を解説』をご覧ください。
スプリント計画用の無料テンプレートアジャイルフレームワークのひとつであるエクストリームプログラミングは、5 つの価値をベースにしています。
コミュニケーション
シンプルさ
フィードバック
勇気
尊重
XP は顧客の要求に迅速に応えることができ、納期スケジュールが厳しくペースの速い小規模プロジェクトでよく用いられる手法です。上記の価値を基礎に短いサイクルでリリースが実施されることで、所要期間が短縮され生産性の向上が期待できます。
アダプティブプロジェクトフレームワーク (アダプティブプロジェクトマネジメント (APM) としても知られる) は、プロジェクトの進行中には常に不明な要因が発生する可能性があるという考えから生まれた手法です。この手法は、主に従来のプロジェクト管理手法を利用できない IT プロジェクトで使用されます。
このフレームワークは、プロジェクトのリソースはいつでも変化しうるという考えが基になっています。予算やコストが変更したり、タイムラインがシフトしたり、プロジェクトのメンバーが別のチームに移動となる場合などが挙げられます。APF では、プロジェクトに必要なリソースではなく、プロジェクトに割り当てられているリソースに焦点が置かれます。
このタイプのプロジェクト管理は、不確実性の高い非常に複雑なプロジェクトでよく使用されます。このアプローチには、所望の結果が得られるまでプロセスを何度も適応させるという作業が伴います。このタイプのプロジェクトでは突発的な変更が多く発生し、チームの戦略が毎週変わるというのも珍しいことではありません。
XPM にはかなりの柔軟性が必要です。これは、各スプリントが、最長でも数週間と短く設定される理由の 1 つです。この手法を活用すれば、仕様変更などの変更を頻繁に加えたり、トライアルアンドエラーのアプローチで問題解決に取り組んだり、自己修正を何度も繰り返したりすることができます。
記事: 反復的なプロセスを理解する (実例付)変化する要件にすばやく適応できるアジャイル手法です。このプロセスでは、「継続的適応」に焦点が置かれます。このプロジェクトタイプのフェーズ (推測、コラボレーション、学習) では、プロジェクトが進行する中で継続的に知識を高めることが可能です。
ASD を実行しているチームが、前述の 3 つのフェーズを同時進行で行うことは珍しくありません。ASD の構造は非直線的であるため、これらのフェーズが重なることはよくあります。このタイプの管理には流動性があるため、3 つのフェーズを絶えず繰り返すことにより、チームメンバーが標準的なプロジェクト管理方法を用いた場合よりもスピーディに問題の特定と解決に至る可能性が高まります。
ダイナミックシステム開発手法は、プロジェクトのライフサイクル全体に焦点を合わせるアジャイル手法です。このため、他のアジャイル手法とは違い、DSDM ではより厳密な構造と基盤が使用されます。
DSDM には主に 4 つのフェーズがあります。
フィジビリティとビジネスの調査
機能モードまたはプロトタイプの繰り返し
デザインとビルドの繰り返し
実装
機能主導型開発では、アジャイルのさまざまなベストプラクティスが融合されます。プロジェクト管理における繰り返し手法であることに変わりありませんが、このモデルではチームが開発を試みるソフトウェアの特定の機能に焦点が当てられます。機能主導型開発では、チームは顧客が必要とする機能を優先するため、顧客からの情報提供に強く依存します。
またこのモデルでは、チームは頻繁にプロジェクトを更新できます。エラーが発生しても、このフレームワークでは各フェーズが常に動いているため、すばやく繰り返し、修正プログラムを実装できます。
アジャイルの意味とその手法の概要、メリットについて解説しました。
ソフトウェア開発チームがアジャイル開発プロセスについて話しているのをよく耳にするかと思いますが、アジャイルはどのチームでも実行できるプロジェクト管理手法です。柔軟性の高いプロジェクト管理フレームワークをお探しの方は、ぜひアジャイルをお試しください。
どのタイプのアジャイル手法を実行するにしろ、チームはプロジェクトのすべての情報が一元管理された、信頼できる情報源が必要です。そこで便利なのが Asana です。Asana を使用すれば、コラボレーションを意識した柔軟なツールを使ってかんばんボードを作成したり、スクラムの各スプリントを管理したりできます。
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