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子供時代に真似っこゲームや命令ゲーム (サイモンさんの命令です) で遊んだ経験がありますか?その時、自覚していなくても、あなたは模範となるリーダーシップを実践していたのです。
効果的なリーダーシップの 1 要素は、チームにインスピレーションとモチベーションを与えることです。リーダーシップのスキルを伸ばし、模範となるリーダーシップを積極的に実践すれば、チームの貢献を最大化する効果的な方法を自ら見本となって示せます。リーダーの行動はすべてチームの見本となりえますが、真に模範となるリーダーシップとは何なのでしょうか。この記事では、模範となるリーダーシップのメリットを解説し、Asana のリーダーが、日々の実務においてそれを実践している方法を紹介します。
模範となるリーダーシップとは、チームメンバーに取ってもらいたい行動を自ら見本となって示すリーダーシップスタイルのことです。模範となるリーダーシップを取ることは、優れたパフォーマンスを引き出すために指示するだけでなく、自ら率先してそのパフォーマンスを行動で示すことを意味します。「あなたにはできる」という言葉と「私たちにはできる」という言葉、その違いを生むのが、模範となるリーダーシップです。前者のサポートと励ましは素晴らしいものですが、後者はきずな、仲間意識、信頼関係を築きます。
模範となるリーダーシップを取ることは、仕事の負担を一部背負うことにより、チームの仕事を重視していることを積極的に行動で示すことを意味します。このリーダーシップのスタイルは、リーダーがチームの取り組みに自ら力を投じていることを明らかに示すため、チームメンバーのエンゲージメントと賛同を促進します。
記事: サーバントリーダーシップ: 奉仕を通じてチームを導く方法模範となるリーダーシップを取れば、信頼関係とチームのエンゲージメントを促進できます。チームメンバーは、管理者であるリーダーの言葉だけでなく、行動も観察しています。リーダーの行動が言葉が合致しない場合、その不一致は不満や信頼感の低下につながります。逆に、リーダーがチームの見本となる行動をとれば、自分たちも一緒に挑戦してみようという意欲が高まります。
模範となるリーダーシップは、特に以下の効果を生みます。
周りにインスピレーションを与える
リーダーとチームの間の信頼関係を築く
インクルーシブでコラボレーションが活発な仕事環境をつくる
全員が説明責任を持つチームカルチャーを築く
チームワークを通じて生産性を向上する
チームの成功の基準を確立する
チームの帰属意識、エンゲージメント、リテンションを高める
優れたチームの構築に貢献する
誰もがよいリーダーとなる独自の資質を持っています。リーダーとしてあるべき姿は 1 つではありません。しかし、模範となるリーダーシップを取る人の主要な共通点を以下に 5 項目紹介します。
模範となるリーダーシップを実践する一番基本的な方法は、上から傍観するのではなく、自ら先頭に立ってチームを率いることです。すなわち、チームの取り組みに積極的に関与することで、チームの仕事を重視していること、全員の貢献を理解していること、皆が費やしてくれている時間に感謝していることを行動で示すことです。積極的に関与するといっても、自分が取り組みの主役になってしまうという意味ではなく、応援していることをチームに実感してもらえるような行動を取るという意味です。
リーダーシップとは、単に管理することではありません。優れたリーダーシップの要件には、チームにモチベーションとインスピレーションを与えることも含まれます。模範となるリーダーシップを発揮してプロジェクトを統率することに加え、常にチームを第一に据え、チームメンバーをサポートしましょう。これを実践する方法はさまざまありますが、以下に数例を紹介します。
メンバーの貢献をしっかり認める
チームメンバーの作業量を管理し、燃え尽き (バーンアウト) を防ぐ
職場における効果的なコミュニケーションの姿を自らが見本となって示す
チームの活発なコラボレーションを習慣付ける
模範となるリーダーシップでは、チームに取ってほしい行動を自らが見本となって示します。しかしだからといって、常に自分が期待する通りにチームが動くわけではありません。こと細かい指図で重箱の隅をつつくような管理の仕方は、不満や意欲低下につながります。それを避けるためには、皆がベストを尽くして仕事をしているという信頼をチームに託し、サポートを求められたらその時にニーズに応えましょう。チームが率先して新しい取り組みを試みることも、優れたリーダーであれば奨励します。
しかし、適切な場合にはコーチングを行い、役に立つフィードバックを提供することも、リーダーの役目です。優れたリーダーは、常にコーチングの機会を探しています。やってほしいことをチームに指図するのではなく、チームメンバー、同僚、直属の部下に望む仕事への姿勢を自らが見本となって示しましょう。
記事: チームのコーチング方法: 効果的なリーダーが務める重要な役割最強のリーダーは、柔軟性を備えています。何事も変化する可能性があり、どんなに万全な計画も予想通りに進むとは限りません。だからこそ、柔軟性はリーダーにとって不可欠なスキルなのです。実際、ナレッジワーカーの 73% は、組織の計画が柔軟であれば、変化にしなやかに対処するためのレジリエンスが高まると考えています。
計画や優先順位の変更、タイムラインの調整が必要になることはよくあります。ターゲットを達成できないことや、重要業績評価指標 (KPI) の見直しが必要になる状況もありえます。こうした事態を自分がうまく受け止める以上に、その状況を共に乗り越えるチームをサポートすることは、リーダーシップのスキルを大きく高める機会となります。また、チームとのコミュニケーションを常に保ち、全員が最大限に実力を発揮できるよう、情報と背景知識を十分に共有しましょう。
人の話を聴く方法には、自分が答えるために聴く聞き方、そして理解するために聴く聞き方の 2 通りがあります。理解するために聴くことは、積極的傾聴法 (アクティブリスニング) の基本です。理解するために聴く際には、チームメンバーの話を完全に理解することに集中します。これは、自分の意見を返すために聴く聞き方とは異なります。
この違いを認識することは、チームメンバーからフィードバックをもらう際に特に重要になります。フィードバックをもらう際には、反論したくなるのが人情というものです。しかし、建設的な批判は、チームとして互いに向上をサポートし合う一環であることを忘れないようにしましょう。建設的なフィードバックに心を傾け、共有してくれた相手に感謝を示し、ステップアップするために行動を取るのが真のリーダーのあるべき姿です。
記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツリーダーシップの多くのスタイルに共通して言えることですが、「模範となるリーダーシップ」と言っても、それが実際に何を意味するのか、いまいちピンとこない場合があります。このコンセプトは、現場でどのように実践されているのでしょうか。Asana のリーダーの 1 人である Steph Hess さんに、模範となるリーダーシップが彼女にとって意味することについて、話を聞きました。
A: 模範となるリーダーシップを取ることは、オーセンティックな (自分らしさを発揮する) リーダーであるために不可欠です。リーダーとして本当の意味で皆にインスピレーションを与え、チームメンバーの力を引き出し、エンパシー (共感力) のあるチームを築くには、奨励したい価値観や行動を自ら見本となって示す必要があります。
また、このリーダーシップスタイルは、よりオープンで思いやりのあるリーダーシップにもつなげられます。リーダーとしての私の主要な役割は、さまざまなチームに対し、各自が個人的に達成できたことや取り組んでいることを他者と共有することを奨励し、コーチングすることです。これを行うには、誰もが声を上げ、成功し、学び、包摂的で協働的な職場のダイナミクスが実現する場を作るにはどうするべきか、はっきりと目に見える形で見本を示すのが理想です。
記事: Asana の CEO Dustin Moskovitz が語るリーダーシップの教訓 (英語)このことは、リモートワーク型、ハイブリッド型、分散型のチームモデルを多くの組織が試行している現在、特に重要性が増しています。仕事の在り方は、これまでになくグローバル化しており、今後ますます仕事環境が多様化することが考えられます。ハイブリッド型のチームを管理するリーダーは特に、メンバー全員が時差や地域に関わらず、チームの一員として尊重されていることを実感できるよう、インクルージョン (包括性) を自ら見本となって示すことが重要です。
記事: 分散チームの管理術: 異文化への共感力を持つリーダーになるにはA: 模範となるリーダーシップを取れば、社会規範を確立し、透明性を提供し、一貫性を維持することで、チームが基本理念を実務で体現できるようサポートできます。あなたのチームのミッションや価値観を考えてみてください。模範となるリーダーシップを取ることは、追い風のときも向かい風のときも、その理念に徹し続けることを意味します。それにより、共創し、共に活動するチームとしての在り方を強化できます。マニュアルがなく、前例もないような大きな課題にチームが直面した場合には (たとえばグローバルなパンデミックへの対応)、その変化への対処に皆が一丸となって取り組めるようチームを支援できます。そのように困難を乗り越えれば、より強い結束を実現できます。
たとえば、当社のコーポレートマーケティング部門で皆が共有する主要な価値観の 1 つに、明確性と背景共有があります。リモートワークへの転換が必要になった際、私は各チームリーダーと連携して迅速に事業継続計画を作成し、全員が在宅勤務になった場合にもコミュニケーションを持続する方法に関する方針を定めました。それにより、チームが活躍するために必要な明確性と背景共有をこれまでと同じ水準で維持できました。現在、オフィス環境への復帰と現場での直のコラボレーションの再開に向けて準備が進む中、チームの再結成を意識的かつ自分たちにとってリアルな形で一体となって進める方法もマニュアル化したいと考えています。
記事: 分散ワークの世界における Asana を使ったチームの再結成と成長A: 模範となるリーダーシップを取るために私が実践しているとっておきの秘訣は 4 つあります。
ありのままの自分を出すこと。多くのリーダーは、自分の人間らしい弱みを見せたり、答えがわからないことを認めたりすることに躊躇を感じます。私がこれまでの経験から学んだのは、ありのままの自分を見せ、透明なコミュニケーションを取ることは、信頼感とよりオープンな対話の促進につながるということです。リーダーが率直なコミュニケーションを取れば、チームと一緒に答えを見つけられます。
チームワークに加わること (それを通じてコーチとしての役割も果たすこと)。私は自分がやろうと思えないことをチームに頼むことはありません。欠席のメンバーの代理でプロジェクトに加わったり、チームメンバーが自分の時間を取れるようピンチヒッターとして仕事に加わったり、意思決定を共に行ったりなど、自分たちがサポートされ、エンパワーされていることをチームが実感できるよう、常にコクリエーション (共創) に参加し、チームのニーズに耳を傾け、同じ立ち位置に身を置くことに徹しています。
帰属意識と認め合いの習慣を培うこと。チーム内のすべての声を積極的に支持することは、私があらゆる職務において実践し、一番大切にしている価値観です。チーム全員が職務において実力を存分に発揮でき、その才能が評価され、Asana 社内における影響力を開花できるよう、チームの目的が私たちのミッションそして価値観と合致しているか日々確認を心掛けています。それにより、互いに支え合い、仲間の声を積極的に支持する習慣が身に付くチーム環境が培われます。このことは非常に重要です。
自分の仕事を愛すること。自分の仕事を愛し、その情熱を目に見える形でチームと共有すれば、好奇心、きずな、相互理解を育む環境が形成され、各自の仕事やアイデアがチーム全体の前進にどのようにつながるのか認識が深まります。それはまた、実際の仕事における笑い、喜び、創造力が増すことも意味します。そしてこれは常によりよい結果を生みます。私たちは無人の世界で仕事を行っているわけではないので、チームが集団として誇りに思える仕事を創造することが大切だと思います。
あらゆるリーダーシップのスキルに共通して言えることですが、模範となるリーダーシップを身に付けるためには、時間と試行錯誤が必要です。しかし、その努力は必ず報われます。このスキルを磨けば、チームのエンゲージメントと信頼をさらに高めることができます。自分のマネジメントスタイルを身に付けるにも、直属の部下を管理するにも、あるいはマネージャーという肩書きを持たずにリーダーの役割を果たす場合にも、模範となるリーダーシップを取れば、いかにチームメンバーを大切に思っているかを行動で示せます。
リーダーシップのスキルをさらに磨くには、リーダーシップとマネジメントの違いに関する記事をご覧ください。
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