マネジメントとは?リーダーシップとの違いや必要なスキルなどを解説

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins
2024年2月21日
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概要

マネジメントとは何か?リーダーシップとの違いは?この記事では、マネジメントとリーダーシップの共通点と相違点を解説します。優れたマネージャーまたはリーダーになるために必要なスキルも紹介するので、参考にしてみてください。

更新: この記事は、Asana 社員が考える「マネジメントとは何か」をまとめた言葉集を含めて 2023年 7月に改訂されました。

ビジネスパーソンにとって「マネジメント能力」とは必要不可欠なスキルですが、そもそもマネジメントとは何を指すのかご存じでしょうか?リーダーシップとの違いを知っていますか?また、マネージャーとリーダーの違いを問われたら、答えられるでしょうか?

マネジメントとリーダーシップは、意味を混同されがちです。しかしこの 2 つの用語には違いがあり、同じ人がマネージャーとリーダーという両方の役割を務めることは可能でも、必ずしもそうである必要はありません。リーダーの中には「マネージャー」の肩書きがない人もいるし、その逆もまた然り。しかし、よい会社やチームを作るためには、その両方が必要となります。この記事では、マネジメントとは何か、リーダシップとは何かを解説し、両者の類似点と相違点についてまとめます。

マネジメントとは?

マネジメントとリーダーシップの違いを理解できるよう、まずはマネジメントとはどういう意味かを確認します。そもそも「マネジメント」という概念は、アメリカの経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーの著書『マネジメント』から生まれたと言われるビジネス用語です。

ドラッカーとは?

ピーター・F・ドラッカーは米国の経営学者であり、「現代経営学の父」と呼ばれる人物です。1973年に出版された『Management』という著書の中で、経営の本質を体系化し、世界中の経営者に多大な影響を与えたとされています。

『Management』は 1974年に邦訳され、ダイヤモンド社から『マネジメント』と題して出版されました。そして、非常に難しい理論ながらも経営学の普遍的な教科書として、今なお多くの人々に読み継がれるロングセラーとなっています。

ドラッカーは「マネジメント」という概念を普及させた人物でもあり、トム・ピーターズやマイケル・ポーターなどと並ぶ、世界で最も著名な経営学者といえるでしょう。

マネジメントの意味は?

マネジメントは、直訳すると「経営」「管理」といった意味合いをもつ言葉ですが、ドラッカーはこれを「組織の成果を上げさせるための道具・機能・機関」と定義しています。つまり、企業がもつヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を効率的に運用する管理手法を指す概念です。そしてその責任者がマネージャーとなります。

マネージャーはチームの背骨であり、マネジメントとはチームワークとコラボレーションのサポートシステムです。

船に例えて言うと、リーダーが水平線に目を向けている人だとすれば、マネージャーは地図を読んでいる人と言えるでしょう。つまりマネジメントとは、ルートを描き、そこにたどり着く方法をチームメンバーに示すことです。優れたマネージャーは、チームメンバーに明確な指示を与えることができます。

記事: 社員のモチベーションを維持するためにマネージャーだけができること

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マネージャーに必要なスキルとは?

マネジメントに必要な 5 つの役割

では実際のところ、マネジメントでは何が求められるのでしょうか?ドラッカーは著書『現代の経営』の中で、「企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち顧客の創造である」と述べています。企業とは、事業活動を通じて顧客に付加価値を提供し、対価を得ることで発展していく組織です。顧客あっての企業であり、優れた顧客体験の提供と顧客満足度の向上なくしては、企業の発展はあり得ません。(出典:P.F.ドラッカー /『現代の経営[上]』/ ダイヤモンド社)

そして、顧客創造に至る経営体制を構築するために欠かせないのがマネジメントです。ここからは、ドラッカーが提唱するマネジメントにおいて、マネージャーに必要な能力、求められる重要なポイント、スキルを 5 つご紹介します。

【1. 組織づくり】

企業が大きな成果を上げるためにはチームの形成が必須であり、その中でもマネージャーには、人材のパフォーマンスを最大化する管理能力と統率力が欠かせません。組織づくりにおいてドラッカーは、人材の長所に焦点を当て、短所を最小限に抑える「長所進展法」の必要性を強調しています。チームメンバーを決定する際は、従業員一人ひとりの特性や能力、強みや弱みを把握し、パフォーマンスを最大限に発揮できる人材配置が求められます。

そのために、仕事内容の一部にチーム作りの機会を作ることがおすすめです。チームメンバーがつながりを持てるシチュエーションを設定し、お互いを知ることができるようにします。それが最終的により快適なコラボレーションを促すこととなります。

【2. 目標設定】

ドラッカーは『現代の経営』の中で、「目標抜きでマネジメントしようとすることは、初めての空路を地図も目印もなく、無計器飛行することに似ている」との言葉を残しています。目標設定もマネージャーの重要な役割であり、組織力の向上につながる目標を設定しなくてはなりません。(出典:P.F.ドラッカー /『現代の経営[上]』/ ダイヤモンド社)

もちろん、チームの目標だけでなく、部下一人ひとりの目標も設定し、モチベーションの維持を促すのも重要な役割といえるでしょう。チーム全体を俯瞰的に捉え、短期目標や長期目標、コンプライアンスやガバナンスについての目標など、多角的な視点からさまざまな目標を設定する必要があります。

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そのために必要なのが、問題解決スキルです。仕事の妨げになっている依存関係をメンバーが特定できるようサポートしたり、プロジェクトのタイムラインが移動した場合には四半期ごとの優先順位を見直すようにしましょう。

【3. コミュニケーション】

近年、AI や IoT などの技術革新によって、業務のオートメーション化が進んでいます。しかし、どれほどデジタル技術が進展しても、ビジネスの土台にあるのは人間関係です。それゆえ、マネージャーには、管理能力や統率力はもちろん、チームの和を保つ高いコミュニケーション能力も求められます。

先述したように、ドラッカーはマネージャーに必要な能力、素質のうち、最も重要なものは「真摯さ」であると述べています。一方的にトップダウン形式で指示をするのではなく、部下が何を期待しているのかを理解し、相手に受け入れてもらいやすい形でこちらの要求を伝えるなど、アサーティブなコミュニケーション能力が求められます。

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【4. 人材育成】

日本の総人口は 2008年の 1 億 2,808 万人をピークに下降の一途を辿っており、少子高齢化の影響も相まって労働力不足が深刻化しています。そのため、多くの企業において重要な経営課題となっているのが、優れた人材の確保です。人材は企業にとって最も重要な経営資源といっても過言ではなく、マネージャーは正しい方法で人材を育成して、成果の最大化へと導く必要があります。そして、部下の教育だけでなくマネージャー自身の能力開発も、マネジメントにおける人材育成の一環です。

【5. 評価とフィードバック】

人材のパフォーマンスを最大化するためには、公平かつ公正な評価制度と、明確で建設的なフィードバックを与える労働環境が求められます。目に見える定量的な成果だけでなく、業績に対する貢献度や労働意欲、貢献意識や将来性などを公正に評価することで、モチベーション向上に寄与し、業務効率の改善や生産性の向上につながるでしょう。また、適切な評価制度とフィードバックは従業員の定着率や離職率の改善にもつながるため、結果として組織の業績向上に大きく貢献します。

記事: フィードバックをするのが苦手な人のためのヒント 20 選

このほかにも、優れたマネージャーとは、適材適所に仕事を割り当て、任せられる人であり、また整理や計画スキルも高いのが特徴です。今後の仕事についての明確な洞察、タスク優先順位や期日の調整など、仕事を的確に整理し計画することはマネジメントスキルのひとつと言えます。

ドラッカーの提唱するマネジメント理論は、企業が正しい方向へと進むために欠かせない計器盤であり道標です。普遍的な理論ゆえに抽象度が高く難解であるため、本記事ではすべてをご紹介できませんが、ポイントを押さえて自社の経営体制に応用することで、組織力の強化につながるでしょう。

そして、理論の導入とともに、DX につながる IT システムの活用も視野に入れるべきマネジメントのひとつです。経営基盤の強化を目指す企業におすすめしたいのが、ワークマネジメントツール「Asana」の導入です。Asanaは、企業の経営データを統合的に管理するソリューションであり、組織全体における情報共有の円滑化や部門間連携の強化に貢献します。

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リーダーではなくマネージャーになるには?

マネジメントとは目標達成のためのツールです。その責任者であるマネージャーは、チームのことを第一に考え、安定性とガイダンスをチームに提供する存在です。初めてマネージャーになる人は、管理することがどれだけ大変かについて語ります。ただ黙々とよい仕事をすることに集中するだけでなく、チームメンバーをどのように指導するのがベストかを常に考えなければならないからです。

マネージャーになったばかりの方は、まずはチームに最高の経験を提供することに集中し、自分のマネジメントスタイルを確立することに専念しましょう。

記事: マネジメントスタイルを活用してチームをサポートする方法

リーダーシップとは?

混同されがちですが、リーダーシップはマネジメントとは異なります。リーダーシップの意味やスキルについて詳しく見てみましょう。

リーダーシップの意味

成功へ導く仕組みであるマネジメントとは違い、リーダーシップとは組織やチームを率いる能力です。目標達成のための手段として用いるのがマネジメントなら、リーダーシップの目的は具体的な方向性を示すことにあります。そしてその能力を持っている人のことをリーダーと呼びます。ビジネスシーンにおいて、リーダーシップはマネジメントとは切っても切れない関係にあり、これまで多くのリーダーシップ論が提唱され、さまざまなリーダーの種類が確立されてきました。

記事: 11 種類の一般的なリーダーシップスタイルと自分に合ったスタイルの見つけ方

リーダーに必要なスキルとは?

リーダーに必要なスキル

自分の目標を夢見るだけでなく、組織の模範となり、チームメンバーのモチベーションを高め、そして正しい方向に導くのが有能なリーダーです。ではリーダーには具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか。

  • 【モチベーション】チームのモチベーションを高め、不可能を可能にするスキルです。自分のエネルギーと熱意をグループと共有し、一人ではできないようなことを成し遂げます。

  • 【創造性】既成概念にとらわれず、現状を打破する能力です。自分自身の創造性だけでなく、チームメンバーの創造性もサポートし育みます。

  • 【メンタリング】チームの潜在能力を最大限に引き出すために、チームメンバーをコーチングし、指導するスキルです。マネジメントとは異なり、「適材適所に仕事を割り当てる」スキルではありません。

  • 【問題解決】問題解決は、意思決定プロセスのあらゆるレベルで重要なスキルです。リーダーとしては、戦略的および概念的なレベルでの問題解決スキルを持つことが重要です。たとえば、組織の主要な目標を明らかにし、問題解決戦略を用いてチームの目標を阻む可能性のあるものを特定します。

  • 【リスクを負う】いつリスクを負うか、いつチームメンバーがリスクを負うのをサポートするかを知ることも、リーダーシップの資質です。

マネージャーでなくても、リーダーになれるのか?

リーダーは、組織図上の自分の地位に関係なく、人々にインスピレーションを与え、モチベーションを高める存在です。チームのトップやプロジェクトの管理者でなくてもかまいません。非管理職の優れたリーダーはどの会社にもいますが、特に分散型組織構造の会社に多く見られます。分散型組織モデルでは、すべての意思決定に対して明確な意思決定者が存在しますが、その意思決定者は必ずしもマネージャーではありません。このようなタイプの組織は非常に効果的に機能し、チーム構造の副産物として、あらゆるレベルで多くのリーダーが育つ傾向があります。

Asana では、AoR (Area of Responsibility、責任範囲) を用いて分散型の組織モデルを構築し、組織の各エリアの責任を委譲しています。また責任範囲は、直接管理職に就いていないメンバーにも、リーダーとして成長する機会を与えています。

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マネージャーとリーダーの共通点

マネジメントとは何か、リーダーシップとは何かを理解したところで、具体的にマネージャーとリーダーにはどのような共通点があるのか考えてみます。両者とも自分のチームや会社にとって最善のことを行いたいと考えていることは同じです。その結果、アプローチの仕方は違っていても、同じ目標を目指して仕事をします。

  • 【仕事を会社の目標に結びつける】自分の日々の仕事がチームや会社の目標にどのように貢献しているかを理解することは、パフォーマンスやモチベーション向上に必要なことです。マネージャーもリーダーもこの点を明確にし、メンバーをサポートします。

  • 【双方向のコミュニケーションを大切にする】チーム全体に目標を伝える場合でも、1on1 ミーティングで一人ひとりと連絡を取る場合でも、双方向のコミュニケーションは「自分に価値がある」と感じられるようにするための最良の方法です。

  • 【チームの成長に投資する】チームメンバーのサポートやメンタリングは、さまざまな形をとります。メンタリングやコーチングから、キャリア開発に関する会話や 1on1 ミーティングまで、マネージャーとリーダーは共にチームが最高の仕事をするために投資しています。

ドラッカーが示すマネジメントとリーダーシップの違いは?

マネジメントとリーダーシップは、よく似たニュアンスの言葉として認識されています。この 2 つの概念は企業が発展していくために欠かせない要素であり、それぞれの違いを明確化することで、自社にどちらが足りないのかを可視化できます。

リーダーシップは「企業理念や経営ビジョンの実現に向けてチームに指針を示すこと」であり、マネジメントと「企業の経営資源を効率的に運用する管理手法」を指します。前者は「人材」を対象とするのに対し、後者の対象は「組織」である点が異なります。リーダーシップは「設計図を描いてビジョンを示す」ことであり、マネジメントは「描かれた設計図を実現すること」ともいえるでしょう。

あるいは、リーダーシップは「What (何を)」を問うものであり、マネジメントは「How (どうやって)」を問うものとも言い換えられます。このような相違点から、ドラッカーはマネジメントをリーダーシップの上位概念として定義しています。

マネージャーとリーダーの違い

マネージャーとリーダーの違い

マネジメントとは目標達成へ導くための仕組みやツールです。マネージャーはその責任者で、チームメンバーの日々の仕事をサポートし、彼らが最高の仕事ができるように教育します。一方リーダーは、チームメンバーが会社全体のビジョンに賛同できるように、仕事の全体像を共有します。どちらの立場も、効果的なチームと協力的な職場には欠かせません。

記事: Asana の CEO Dustin Moskovitz が語るリーダーシップの教訓 (英語)

マネージャーとリーダーには共通する考え方があるものの、状況によってアプローチの仕方が異なることもあります。ここでは、具体的な状況を提示し、マネージャーとリーダーがそれぞれどのようなアプローチを取るのかご紹介します。それぞれの方法でどうやってチームを最大限にサポートするのか、参考にしてみてください。

【違い ①】戦略的ビジョンの構築とコミュニケーション

企業のリーダーであるためには、会社の戦略的ビジョンを設定し、それを伝えることが重要です。6,000 人以上のナレッジワーカーを対象とした最近の調査によると、自分の会社が目標の設定と伝達に非常に効果的であると考えているワーカーは、わずか 16% でした。リーダーであるあなたには、目標を設定するだけでなく、会社全体に目標を伝える力があります。

マネジメントとは違い、リーダーシップは具体的な方向性を示すものです。そのため、リーダーは会社のミッションやビジョンステートメントを達成するために、全体像を考え、明確な目標を立てるように努めます。これには、四半期または年間の会社目標を設定し、その目標をチームに伝えることが含まれます。たとえば、「年末までに月間の顧客解約率を 1% 未満にする」という目標を設定します。

記事: 戦略プランニングは初めてですか?ここから始めましょう。

一方マネジメントとは、その戦略的ビジョンをチームの日々の仕事に結びつけることです。マネージャーには、チームメンバーの日々の仕事が会社全体の目標にどのように貢献しているかを明確にする力があります。このつながりを明確にすることで、会社の目標達成に向けてチームをサポートし、モチベーションを高めることができます。

たとえば、年末までに月間の顧客解約率を 1% 未満にまで低下させるという目標を設定したとします。マネジメントとはチームのプロジェクトを目標に結びつけることなので、マネージャーはそのつながりをメンバーに明確に示します。チームメンバーが解約フローの改善に取り組んでいるなど、仕事が直接目標につながっている場合もあれば、そうでないケースもあるでしょう。たとえば、価格とパッケージのページを改善しているチームメンバーは、顧客が何にお金を払っているのかをよりよく理解できるようにすることで、間接的にこの目標に貢献していることになります。

【違い ②】アイデアを現実に変える

リーダーシップはマネジメントとは異なり、「実行」だけではなく「アイデア」も重視します。リーダーの優先事項は、全体像を考え、その全体像がどのようにして組織全体の価値を高めるのかを伝えることです。そのプロセスの一環として、全体像の課題解決を練る練習をする必要があります。会社が進むべき方向性を決定したら、自分がその決定に参加したかどうかにかかわらず、そのアイデアの価値をチームメンバーに理解させることで、優れたリーダーになることができます。

一方マネージャーの役割は、アイデアをいかにして現実化するかということです。つまりここで言うマネジメントとは、プロジェクトの人員配置、リソースの割り当て、目標達成のための予算編成などを意味します。書類を直接確認したり、仕事を承認するのも彼らです。最終的に、優れたマネージャーはチームメンバーがインパクトのある仕事を成し遂げられるようにサポートします。

【違い ③】企業文化の創造と支援

企業文化は、チームメンバーが組織の一員であることを実感し、サポートを受け、最高の仕事をするための必要要素です。チームの構築活動、学習と開発の機会、強力な従業員オンボーディングワークフローなどを通じて企業文化に投資することで、チームメンバーは充足感を得て、会社への貢献度を高めることができます。

企業文化を形成し、創造するのはリーダーの仕事です。Asana の共同創業者および CEO である Dustin Moskovitz は、「リーダーとして、企業文化のトーンを設定することが私の責任であると認識しています」と述べています。リーダーは、企業文化がどのようなものであるべきかを確立し、それを具現化して、最終的には周りの人々が参加して企業文化を向上させたいと思うように促します。

一方、企業文化に関するマネジメントとは、その実践やポリシーを実際に実行することです。チームメンバーからフィードバックがあれば、それを社内でシェアするのはマネージャーの仕事です。その際、企業文化を改善するためにそのフィードバックを会社のプロセスに組み込むのは、リーダーの仕事となります。健全な企業文化につながるマネジメントとはチームのフィードバックに耳を傾け、問題があれば、それを解決することです。しかし「仕事の解剖学」インデックスによると、ナレッジワーカーのうち、組織に意見を考慮されていると感じるのはわずか 15% に留まるというのが現状です。

記事: 社内の全員に権限を分散させる方法

Asana 社員の言葉集

ここでは、Asana の社員が考える「マネジメントとは何か?」「リーダーシップとは何か?」をまとめました。

『リーダーシップとは、未来を見据えたものであり、マネジメントとは今この場での状況に対処することです。優れたリーダーは、自分だけでは考えられないような結果を達成するように周りにインスピレーションを与えます。一方、優れたマネージャーは、チームが日々の仕事をこなすのに必要な能力やスキルを身につけられるよう、明確な指示やフィードバックを与えます』(BILL THANHOUSER、ASANA、ウェブエクスペリエンスマネージャー)

『私はチームワークを無限に広がる氷床の中を進む船のようなものと考えています。この比喩では、船はチーム、氷は解決すべき問題の可能性を表し、目的地は常に目視できずはっきりしません。マネジメントとは、砕いた氷をどこに置くか、それが計画やチームにどのような影響を与えるかなど、氷をどうするかを考えることで、それはマネージャーの仕事です。一方リーダーは、船の方向性を明確にし、なぜ氷を割ってまでそこにたどり着く価値があるのかを考えます』(SCOTT CARLETON、ASANA、ニューヨーク サイトリーダー)

『私にとってリーダーとは、先見性のある人です。周りの人を励まし、やる気を起こさせ、他人の可能性を見出す。そして、現状を打破し、組織のためにポジティブな変化を起こそうと努力する人です。役割や肩書きに関係なく、誰もがリーダーになれます。自分から一歩を踏み出せばいいのです』(THERESA SCIOLE、ASANA、北米セールスマネージャー)

『私にとって「マネージャー」とは肩書きであり、「リーダー」とは心理状態や心構えのことです。マネージャーであることが効果的なリーダーであるための前提条件ではありませんが、効果的なリーダーとはしばしば成功したマネージャーでもあります。実際には、マネージャーの肩書きがその役割の範囲を定義しますが、チームへの影響はその人のリーダーシップスキルによって左右されます』(RAHUL JIRESAL、ASANA、エンジニアリングマネージャー (モバイル))

『私にとってリーダーとは、「全体像」を理解させてくれる存在です。チームのビジョンは何か、そしてそのビジョンはより広範な組織の目標やミッションにどう結びついているのか。マネージャーとは、私が役割を果たしてインパクトを与え、全体像を実現するために必要なサポートやメンターシップを与える人のことです。チームの中では、同じ人が両方の役割を担うこともあります。また、複数の人が担当することもあります。しかし、どちらの役割も、どんなチームでも成功に重要です』(JENNY THAI、ASANA、コンテンツ部門長)

『マネージメントとは、優先順位の設定、優先順位の評価、雇用や解雇の決定、報酬の決定などのオペレーションを指します。リーダーシップは、マネージメントとは少し異なり、どちらかと言えばコーチングをしたり、時には精神的なガイドとなる能力です。リーダーには、エネルギーを維持してチームの全員が刺激を受けて成長できるようにし、全員が確実に同じ方向に前進できるようにする責任があります。リーダーは、変化の中で強さと安定性を保つ役目を果たさなればなりません』(DUSTIN MOSKOVITZ、ASANA、共同創業者兼 CEO)

『リーダーシップもマネージメントも、人を動かしてインパクトを与え、結果を出すことを目的としていますが、マネジメントとはその過程のオペレーション面に焦点が当たっているのに対し、リーダーシップは人々にインスピレーションを与えること、目標を達成するための力を与えることに注目しています。もう一つの重要な違いは、リーダーは常に進化し、変化を求めて努力するのに対し、マネージャーは現状維持を目指すことが多いということです』(YEVGENIYA DAVIS、ASANA、北米西部 専任カスタマーサクセス部長)

『優れたマネジャーはリーダーですが、すべてのリーダーがマネジャーというわけではありません。リーダーでもあるマネージャーは、チームに指示を与えるのではなく、チームにインスピレーションを与えます。このようなチームは、よりよい結果を達成し、自分たちはコラボレーションが要求されない単純な計画の実行者ではなく、ソリューションの共同創造者であると感じることができます』(SHANNON MCNEIL、ASANA、カスタマーサクセス部門長)

『私にとってリーダーとは、周囲に影響を与え、コーチング、指導を行い、達成に導く能力のことです。リーダーはビジョンを提供し、その成功は自分自身ではなく、チームの成果によって定義されます』(CHRIS JULIANO、ASANA、グローバルビジネス人材獲得部門長)

『適応力のあるリーダーは、さまざまな人たちと効果的に協力、コーチングし、インスピレーションを与えることができます。彼らは、「フリーサイズ」のアプローチではなく、相手に合わせてリーダーシップスタイルを変えていきます』(AMY GRIMES、ASANA、コーポレートセールス部門長)

『私にとってリーダーとは、周囲の人々の行動や方向性、成功に積極的に影響を与える人です。リーダーは特定の役職に就いている必要はなく、どのような立場であっても影響力を発揮できます』(NINA VOGT、ASANA、EMEA カスタマーサクセスマネージャー)

マネジメントとリーダーシップを理解して、効果的にチームを成功に導く

マネジメントとは何かを説明し、リーダーシップとの違いを解説しました。マネージャーとリーダーは似ているようで、その役割や目的、必要なスキルは異なります。両方を兼ねることも可能ですし、どちらかの分野のスキルを伸ばすことに集中することもできます。マネジメントとは何か、そのポイントを押さえて、チームを成功へ導きましょう。

コラボレーションとコミュニケーションは、マネジメントとは切っても切れない関係にあります。そのためリーダーもマネージャーも、そのスキルを継続的に向上させる必要があります。チームによるコラボレーションの効率をアップさせる 10 個の簡単な手順を試してみましょう。

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