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建設的批判とは?チームの結束力を高める正しいやり方、受け取り方

Julia Martins 寄稿者の顔写真Julia Martins
2024年4月30日
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概要

有益かつ効果的なフィードバック、「建設的批判」。正しく機能すればそのメリットは絶大ですが、行う方も受け取る方も、それぞれコツを知っておく必要があります。そこでこの記事では、建設的批判の意味とメリット、適切に行う方法と受け取る方法を詳しく解説します。

更新: この記事は「建設的」の意味に関する記述を含めて 2024年 4月に改訂されました。

「あなたには欠点がある」と言われたらどう思いますか?

自分に欠点があるとわかっていても、人から直接指摘されると傷ついてしまいませんか?そしてそれが、時間とエネルギーを注いだ仕事への批判なら、なおさら素直に受け入れられないこともあるでしょう。

しかし、批判には賞賛と同じくらいの重要性があります。適切で建設的なフィードバックは、ビジネスパーソンとしての進歩をサポートし、新たな高みへ導いてくれる可能性があるのです。

建設的フィードバックを正しく行う、そして受け取ることができれば、社会人として一回り大きく成長できるでしょう。この記事では、建設的批判とはどんなものを指すのか、また正しいやり方と受け止め方など、建設的批判について知っておくべきすべてのことがらをまとめます。

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建設的とは?

まずは「建設的」の意味からチェックしましょう。そもそも「建設的」とは、現状をよりよくしていこうとする積極的なさま、積極的な態度で望むさまを意味する言葉です。「前向き」や「ポジティブ」などが類語として挙げられ、「破壊的」がその対義語となります。

ビジネスシーンでよく聞かれる使い方には、次のような例があります。

  • 建設的な議論

  • 建設的な考え方

  • 建設的な話し合い

  • 建設的な意見

どれも主体の積極的な姿勢を指しており、「有意義な」や「実りの多い」などと言い換えができます。

記事: 7 つのステップで効果的なプロジェクトフィードバックを行う方法

建設的批判とは何か?

では、建設的批判とは何でしょうか。建設的批判とは、その批判を受ける人物を成長させるような、具体的な裏付けのある前向きなフィードバックで、善意のもとに友好的な形で示されます。

これは意見をする人が解決策や次のステップをブレインストーミングする手助けもできるのが理想的で、受け取る人の成長を後押しする貴重なツールになります。

“批判” と聞くと、ついマイナス要素を思い浮かべてしまうでしょう。しかし建設的なそれは、相手をネガティブにけなすことではありません。受け取った人もそのように解釈しないことが大切です。建設的だからといってその内容が常にポジティブなものとは限りませんが、相手を非難するのではなく、改善や成長を助けることを目的にしていることがポイントです。

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建設的批判と破壊的批判を見極める

一見したところ建設的な意見のようでも、実は単なる難癖でしかないフィードバックに出会うことがあります。こうしたフィードバックを「破壊的批判」といいます。

建設的なそれとは異なり、破壊的批判は相手の向上や、従業員や友人としての人間的成長を助けることを意図したフィードバックではありません。特徴を確認しておきましょう。

  • 個人攻撃を意図している

  • 誰かの自尊感情を傷つける形をとっている

  • 人前で行う

  • 具体性に欠け、アクションに移せない

  • 極端に批判的で、無意味なあら探しをする

破壊的な意見を受けた場合は、それを受け入れず、メンターやチームリーダーに助けを求めましょう。あなたや上司、会社の人事部の助けでそうした状況を打開できるかもしれません。

記事: あなたが活用していない最善の対立解決戦略

建設的批判のメリット

建設的で完璧なアドバイスでも、したり受けたりするのは難しいものです。しかし、だからといってこうしたやりとりを避けるのは得策ではありません。建設的な意見は、する人と受ける人の両方を、個人としても職業人としても成長させてくれるからです。

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率直な批判的フィードバックを行うことで、信頼関係は損われるどころか、かえって強固になります。”
Justin Rosenstein、Asana 共同創業者

建設的批判を実践すると、オープンで互いを信頼する雰囲気が生まれます。チームに言いにくいことがあっても、そうした話しづらい内容を伝えることが、結束の固いチームを作る上で重要なのです。

Asana では、あらゆるフィードバックを行うことが会社のカルチャーの大きな部分を占めています。従業員全員が「Conscious Leadership Group (意識的リーダーシップグループ)」トレーニングでお互いに建設的なフィードバックを行う方法を学んでいるほか、マインドフルネス、誠実さ、そして責任を託し果たすことを会社の価値観の核としています。問題が起きたら、私たちは「なぜなぜ分析」の手法でその根本的な原因を突き止めています。

価値観や方法は企業によって異なっても、根本的なところは同じです。建設的で率直な対話を取り入れれば、信頼関係の障壁を打ち破り、チームメンバーや関係者との結束を強固にすることができます。建設的批判を試してみたいという方は、次をお読みください。

建設的批判を行うための 11 のコツ

建設的な意見は、適切に与えることが大切です。誰にでも簡単にできますが、正しい使い方を知らないと成果は得られません。これまで建設的意見をした経験がない場合は、次に紹介する「やるべきこと」と「やってはいけないこと」の 11 のコツを実践して、有意義で相手に受け入れてもらいやすい、建設的なフィードバックを行いましょう。

1. 主語を「私」にする

主語を「私」にして意見を述べると、相手についてではなく、状況について語ることになります。主語を自分にした文章は「私はこう感じる」「私はこう思う」となり、「あなたが言った」「あなたがやった」といった非難口調になりません。

主語を「私」にすることで、フィードバックの中心が「事象」になり、個人を責める印象が弱まります。さらに、客観的な事実というよりも、自分の意見や考えを相手に伝えているというスタンスを強調できます。これによって、批判を受けた側の警戒がゆるみ、より有意義なフィードバックのやりとりができます。

「私」を主語にした話し方の例

「スライドにもう少し画像を使うといいかな、と思いました。私は文章がたくさん書かれていると、そちらに気を取られてしまうんです。例えば、各スライドにメインテーマを一言だけ書くのはどうでしょう?」

2. サンドウィッチ方式を使わない

サンドウィッチ方式という言葉をご存知でしょうか。「フィードバック・サンドウィッチ」とも呼ばれますが、言いづらいことを伝える方法としてよく知られています。サンドウィッチ方式では、まずポジティブな内容を伝え、次に建設的批判を行い、最後に別のポジティブなコメントで締めくくります。

よく使われる方法ですが、有益で建設的な意見を伝えるのには向いていません。建設的な批判を入れ子にして目立たなくしてしまうと、多くの場合、アクションにつながるフィードバックになりづらく、次のステップを考えることにもつながらないためです。大切なのは、フィードバックがいくつあっても、できるだけ具体的かつ相手の役に立つように心がけることなのです。

3. アクションにつながるフィードバックをする

建設的なフィードバックの目的は、相手に何をすべきかを伝えることです。優れた建設的批判には、改善が必要な点の指摘のほかに、アイデアや次に取り組むべきステップが含まれ、相手はそれによってスキルを高められます。相手にとって有益なら、フィードバックを行う際に、さらなる話し合いやブレインストーミングの必要性を必ず伝えましょう。

具体的なアクションにつながらないフィードバックは控えましょう。あるいはとるべきアクションが見つかってからフィードバックしてください。アクションとセットになっていないと「建設的」の意味を成さず、破壊的批判に近づく恐れがあります。

アクションにつながる建設的批判の例

「マーケティングキャンペーン会議でのアイデアはとてもよかったですよ。ただ、もっと注目されてもよかったと思うんですよね。そうならなかったのは、プロセスと結びついてなかったからじゃないでしょうか。私なら、プランの裏付けになる例をいくつか挙げると思います」

4. 人前でフィードバックしない

どんなに気を遣った言葉だったとしても、批判は受けたくないものです。その仕事にたくさんの時間とエネルギーを注いだ場合はとりわけそうでしょう。しかし、フィードバックを建設的で有益なものにするには、相手の改善点について話をする必要があります。

ところがフィードバックを人前で行うと、こうした会話にはなりません。それどころか、相手は面目を失い、恥をかかされたとか攻撃されたと感じる可能性があります。言い訳したり、フィードバックを頭に入れずに次の仕事に取り掛かったりするでしょう。いくら建設的な批判をしても、相手がネガティブな気持ちになってしまっては意味がありません。有意義な会話のためには、必ず、腰を落ち着けて話をする時間をとることが大切です。1on1 ミーティングなどでフィードバックを行いましょう。

5. ポジティブな評価をうまく取り入れる

フィードバックにサンドウィッチ方式は望ましくないとはいえ、ポジティブな評価をしてはいけないわけではありません。建設的批判はすべてネガティブなフィードバックとは限らず、優れた仕事を認めることも同様に効果的です。そうすれば、評価を受けた相手は、足りない点を補うだけでなく、自分の強みを磨くことに時間を注ぐようになります。

ポジティブな建設的評価の例

「先週のあなたの仕事には本当に目を開かされました。意外な角度からお客様のフィードバックにアプローチしたやり方は素晴らしいと思います。これこそ、今まで私たちが思いつかなかった解決策だと思いましたよ」

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6. 無理に褒めない

とはいえ、サンドウィッチ方式を避けるために、無理やり褒めるのも考えものです。建設的フィードバックのポイントは、相手に空疎な賞賛を与えることではなく、相手を成長させ、新たなステージに導くことなのです。

どんなフィードバックをする場合も、よく考えて本心からの言葉を伝えるようにしましょう。不誠実なフィードバックは無意味だと受け取られ、本当に伝えたいメッセージは相手に届かないうえ、今後のフィードバックのやりとりがいっそう難しくなります。

7. 対話につなげる

建設的批判は、する側と受ける側のキャッチボールがなければ価値がありません。「私」を主語にした文章を使う意味は、一つにはあなたの視点からのフィードバックを提供することです。しかし、受け手には別の見方があるかもしれません。あなたがそう感じた理由やフィードバックに基づく改善方法について、相手が質問できる時間をとることが大切です。理想的なフィードバックとは一方通行ではなく、する側と受ける側のコラボレーションなのです。

建設的なフィードバックを話し合いにつなげる例

「この前のプロジェクトでのあなたの視点はちょっとずれていたかな、と感じました。あなたはどう思いますか?このプロジェクトに対する私たちのアプローチに関して不明点などはありますか?」

8. 不意打ちのフィードバックをしない

フィードバックをするのは楽ではありません。言い訳を聞く羽目になったり、相手から質問を浴びせられたらと思うと、これからフィードバックをするつもりだと相手に伝えるのをためらってしまう場合もあります。

そうかといって、不意打ちでフィードバックをすると、せっかくの成長のチャンスを不意にする可能性があります。思いがけないところからフィードバックされると、相手は苛立ち、焦り、個人攻撃されたと感じるため、必ず「これからフィードバックをする」と相手に伝えるようにしてください。

9. タイミングよくフィードバックする

建設的批判は、何かアクションがあった後の比較的早い段階で行うと、お互いに経緯をよく覚えているため効果的です。時間が経ちすぎるとフィードバックの内容が古くなり、効果が薄れます。何か起きたら、2 ~ 7 日以内にフィードバックすることを目指しましょう。

タイミングのよいフィードバックの例

「先週木曜日にあなたが幹部ステークホルダー向けに行ったプレゼンについてのフィードバックですが、スライドがとてもわかりやすかったと思います。ただ、もう少し質疑応答の時間があったらよかったと思いました。次回は先に資料を送っておいて、冒頭のスライドを省略したらどうでしょうか」

10. 思い付きでフィードバックしない

タイミングよくフィードバックをしたいといっても、よく考えずに思い付きでフィードバックをするのは NG です。こうすればもっとよくなると閃いても、少なくとも 1 日寝かせて、そのフィードバックは本当に伝えるべきか、建設的で前向きな形で伝えられるかよく考えます。フィードバックの時間を取る前に、次のことを自分に問いかけましょう。

  • このフィードバックは相手の成長のサポートになるか?

  • 相手はこのフィードバックを聞く必要があるか?

  • 改善方法について相手と一緒に考える用意はあるか?

  • 相手が次にとるべきステップはあるか?ある場合はそれは何か?

11. 親しみやすい口調やボディランゲージを忘れない

フィードバックの究極の目的は、相手の向上を助けることです。伝えづらいフィードバックでも、必ずボディランゲージは前向きにし、口調を明るくすることが大切です。

建設的とはいえ、相手を批判するのは初めは難しく感じるかもしれません。そこで、何をどう話すかを練習することをおすすめします。特に口調に気を配り、顔をしかめたり、睨んだり、腕を組んだりしないようにしてください。実際は苛立っていなくても、こうした態度は相手をより身構えさせ、実りあるフィードバックにつながりません。オンライン会議などリモートで話し合いをする際は、必ずカメラをオンにします。


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建設的批判を正しく受け止める 6 つのコツ

ここまで建設的批判をする方法を見てきましたが、そうしたフィードバックを受け取る場合はどうでしょうか。自己弁護に陥らず、建設的批判を受け入れるのは非常に難しい場合もあります。自分のためを思ってフィードバックをしてくれているのはわかっていても、役に立つかどうかはさておき、批判を受けるとつい身構えるのが人間なのです。

フィードバックをする側は、前もってその意思を伝えておくことが理想的です。建設的なフィードバックが来るとわかっていれば、受け取る側もその心構えができ、不意をつかれずに済みます。

しかし、たとえ予告がなくても、破壊的批判、つまりあなたを貶めるための言いがかりでない限り、以下に紹介する 6 つのコツを使って上手に受け止めましょう。

1. 反射的な反応をしない

フィードバックは「闘争か逃走か」の本能的な反応を引き起こし、本来は有意義なはずのセッションが激しい応酬に発展することがあります。返事をする前に、深呼吸して、言い返したくなる衝動を抑えてください。

2. 建設的批判の目的を思い出す

予想外のフィードバックが来ても、相手はそもそもあなたのためを思ってそうした建設的な意見を言っているのだと思い出しましょう。今受けている建設的な批判は、自分を成長させるためなのです。

3. 言い返すのではなく、理解するために耳を傾ける

建設的批判を受けたら、なんと弁明するか考えるのではなく、話に耳を傾けましょう。相手は自分を助けるために意見していることを忘れず、心を開いて話を聞くよう心がけます。

4. 相手の意見を個人的なものとして受け止めない

フィードバックを個人攻撃だと感じるのは、相手が自分を批判していると思うからです。しかしビジネスの世界の建設的批判は、あなたの「役割」に関連しているのが普通です。つまり、今受けている建設的な批判は、自分のポジションや肩書きに対してのもので、決して自分自身に対してのものではないことを理解しましょう。よいフィードバックはあなたの仕事上の成長を助け、多くの場合、本人が感じるほど個人的なものではないのです。

5. 相手に感謝する

建設的なフィードバックをするのは簡単ではありません。わざわざ労力をかけてあなたの成長を助けようとしてくれる相手に感謝しましょう。

6. 反論せずに質問する

フィードバックに反論や拒否をするべきではありませんが、質問や改善方法の提案は積極的にしましょう。指摘の後すぐに質問できなくても、改めてフォローアップの機会を設け、どう改善できるかについて、丁寧に話し合いましょう。

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建設的なフィードバックがチームの結束を高める

建設的の意味、建設的批判やフィードバックをする方法、正しく受け取るコツをお届けしました。批判はするのも受けるのも容易なことではありません。毎日顔を合わせる職場の人間同士で行うなら、なおさらです。しかし、ビジネスの世界で行われる建設的批判は、社会人として成長するのに必要な要素です。適切で有益なフィードバックのやりとりができるよう、行う側も受け取る側も、それぞれがそのやり方を理解し、実践できるようにしましょう。

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