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7 つのステップで効果的なプロジェクトフィードバックを行う方法

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana
2024年2月11日
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概要

プロジェクトマネージャーは、常にフィードバックのスキルを高める方法やテクニックを追求していかなくてはなりません。この記事では、プロジェクトフィードバックをする際のさまざまな戦略や「すべきこと」、「すべきでないこと」について分析し、職場で効果を発揮するプロジェクトフィードバックの例をいくつかご紹介します。

プロジェクトフィードバックは、初心者にはとても大変な任務のように思えるかも知れません。しかし他のスキルと同様、効果的なフィードバックも時間をかけて改善し、磨きをかけていくことのできるスキルです。

プロジェクトフィードバックは、チームメンバーのパフォーマンスに関する会話であり、改善を狙った次のステップを明確にするものでなくてはいけません。この種のフィードバックは一般に、プロジェクトマネージャーによって行われますが、その本人はフィードバックの対象となるチームメンバーの直属の上司である場合とそうでない場合があります。キャリアレベルの広範なフィードバックを行うのではなく、プロジェクトの具体的な詳細にフォーカスすれば、プロジェクトチームとの信頼を築くことができます。プロジェクトフィードバックは上手に行えば、成果物を改善しチームのキャリアアップを加速するのに便利なツールとなります。

以下でご紹介する 7 つのステップでは、フィードバックプロセスをスムーズに進めて、チームを成功に導くのに役立つ効果的なプロジェクトフィードバックの例をいくつか挙げています。

1. 適切なタイミングを選ぶ

プロジェクトフィードバックを提供するときは、タイミングを考慮することが大事です。ちょうどいいタイミングを選ぶには、フィードバックが今すぐ必要なのか、それとも週の終わりに進行中のプロジェクトについて話し合う方がいいのかなど、チームメイトに都合のよいときを尋ねましょう。

フィードバックをするときは、自分がブレインストーミングの進行役になったつもりで進めましょう。フィードバックの最中には、アイデアを出したり、考えを共有したりするようチームに働き掛けます。タイミングを慎重に選び、しっかりと計画しておけば、プロジェクトを前進させる新しいアイデアが生まれることもあります。

対面のフィードバックと非同期型、つまりオフラインのコミュニケーションのバランスを両立させる努力をしましょう。対面のフィードバックの方が間違いなく効果的だと思われるかもしれまんが、フィードバックの内容をまず初めに書面で確認してから、それについて話しあうことを好むチームメンバーもいます。チームメンバーに、フィードバックの受け方について好みはあるか、どうすればフィードバックをその本人にとってポジティブな体験にできるかを聞いてみましょう。リモートワークの時代においては、チームメンバーと毎日顔を会わすことがない場合もあるため、このことが特に重要になります。

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2. 適切な種類のフィードバックを使う

どのような種類のフィードバックをすべきかを知るということは、フィードバックプロセスを成功させるための重要なステップです。異なるシナリオでは、異なる種類のフィードバックが必要になります。チームリーダーは、どの種類のフィードバックがその状況に一番適しているかを認識しなくてはいけません。

フィードバックの種類の中には、重要でなかったり、不適切な場合すらあります。プロジェクトチームのリーダーであっても、メンバーたちを管理する立場にない人は、パフォーマンス評価といった重大なフィードバックをするのは避けた方がよいかもしれません。逆に、プロジェクトリーダーとチームマネージャーを兼任しているのであれば、プロジェクトフィードバックとキャリアフィードバックとパフォーマンスフィードバックをまとめて行うか、それとも個別のフィードバックセッションに分けて行うかは、本人の判断になります。

6 種類のフィードバック

[インラインのイラスト] フィードバックの種類 (インフォグラフィック)
  • 正式なフィードバック: この種のフィードバックは四半期レビューのように、フィードバックをするために計画されたミーティングで行うのに適しています。フィードバックをする側も、受ける側も、会話のトピックを把握して、意見や質問を用意して臨む必要があります。

  • 日常的なフィードバック: 日常的なフィードバックは、チームメンバーの成果を称えるものから、プロジェクトに簡単な変更を加えるものまでさまざまです。この種のプロジェクトフィードバックは計画なしに行われる場合があるため注意が必要です。日常的なフィードバックを行う前に、今の状況を考慮するようにしましょう。

  • ポジティブなフィードバック: ポジティブなフィードバックは、建設的なフィードバックと同じくらい重要なものです。チームメンバーが素晴らしい成果を上げたときは、しっかりと称賛する必要があります。そうすることで、自分がポジティブな点とネガティブな点の両方を認識していることをチームに示すことができます。

  • 元気を与えるフィードバック: ポジティブなフィードバックと同じように、元気を与えるフィードバックを使ってチームメンバーを元気づけることができます。大変なプロジェクトに取り組んでいるメンバーや、すこし疲れていそうなメンバーがいれば、その人の価値と努力がどれだけ高く評価されているかを伝えましょう。そうするだけで、メンバーはとても元気になります。

  • 先を見据えたフィードバック: 先を見据えたフィードバックは、過去の失敗を正すためのものではなく、将来的な解決策に重点を置くものです。この種のフィードバックは、過去の結果をもとに改善を目指す積極的な取り組みと言えます。時間管理に苦労しているチームメイトがいれば、遅れているプロジェクトについて悩み続けるのではなく、スケジュール管理ツールを使うことをすすめるとよいでしょう。

  • 建設的なフィードバック: 建設的なフィードバックは、チームメンバーの成長を助けるのに一番効果的なフィードバックです。建設的なフィードバックをするには、プロジェクトを分析し、改善の機会を見いだし、改善方法を詳しく提案するという作業が伴います。

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3. 率直に伝える

率直というのは、厳しくあたるということではありません。むしろ、チームメンバーの成長を助けようとする真剣な姿勢の表れです。

フィードバックサンドイッチは避けましょう。これは、建設的なフィードバックを称賛の言葉の間に「挟み込む」という行為です。そんなことはせずに、フィードバックは率直に伝えましょう。そうしてこそ、チームは健全なコラボレーションができるようになります。率直に伝えるというのは、容赦なく伝えるということではありません。必ず実例を交えて「私は~だと思います。」というような、自分を主語にした文章でフィードバックをします。そうすると、具体的な詳細とあなたがそれをどのように認識したかにフォーカスを当てられるため、チームメンバーと一緒にフィードバックの内容を解決するためのソリューションを見いだし、それを実践することに集中できます。

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4. 改善に向けた具体的な提案をする

最高のプロジェクトフィードバックは、アクションに移せるもの、つまり、今後のプロジェクトに適用できることをチームメンバーに提案するということです。批評はこの提案をして初めて、破壊的ではなく建設的なものになるのです。

プロジェクトフィードバックのカギを握るのは、「理由」です。チームメンバーが送信しようとしているメールをちらっと見たときに、その言い回しを変えることをすすめるとします。その場合は、メールを特定の形に書き直す理由や特定の言葉を避ける理由を必ず説明しなくてはいけません。

5. 上司へのフィードバックを歓迎する

チームメンバーにとってフィードバックは、これからどのように改善できるのか完全に理解した上で終了するものでなくてはいけません。したがってプロジェクトマネージャーは、必ずフィードバックの後に質問の機会を与える必要があります。

また適時性や明確性といった、プロジェクトマネージャーの責任に対するポジティブなフィードバックも評価する必要があります。フィードバックは双方向に行うものであるため、チームメンバーからのフィードバックは常に歓迎するようにしましょう。プロジェクトマネージャーに対するフィードバックを受けるときは、遠慮せずに以下のような質問をしてみましょう。

  • 私のフィードバックは役に立ちましたか?

  • 今後のフィードバックで追加できる内容はありますか?

  • フィードバックの受け方として具体的な好みはありますか?

普段からチームメンバーに質問をして、フィードバック手段に改善の余地があるか確認しましょう。

6. フィードバックを要約してフォローアップする

正式なフィードバックミーティングやパフォーマンス評価を行ったときは、必ず重要なポイントを要約してフォローアップしましょう。要約すると、自分自身もチームメンバーも情報を理解しやすくなります。以下はフォローアップの一例です。

「____ さん、お疲れ様です。

本日は、パフォーマンスについて話し合う時間を取っていただきありがとうございました。以下に、重要なポイントを簡単にまとめましたのでご確認ください。

  • 要点 A

  • 要点 B

  • 要点 C

  • 要点 D

以上の内容に関して何か不明な点がありましたらお知らせください。またいつも通り、質問やフィードバックもお待ちしています。

あなたの努力にはとても感謝しています。

今後もよろしくお願いします。

このようなメールを作成することによって、お互いの認識を合わせ、フィードバックの内容が完全に理解されたことを確認できます。

7. 継続的なフィードバックを奨励する

フィードバックを効果的に行う術をマスターしたら、もう「フィードバック」ではなく、むしろ、チームと継続的にコラボレーションをしているような感覚になるでしょう。

個々のチームメンバーと面談するときは、そのときに抱えている仕事や、特に大変なプロジェクトはなかったかといった質問をしましょう。そうした質問をすると、チームメンバーが仕事を抱えすぎているかどうか、社内のトレーニングを増やすことがメリットになるかどうかが分かります。そうしたシンプルな質問をするだけで、チームの満足度と生産性に関する大きなインサイトが手に入ります。

これらのステップを実践すると、プロジェクトフィードバックが日々のプロセスに組み込まれていくはずです。

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効果的なフィードバック戦略とは

プロジェクトマネージャーは、チームにフィードバックをする際に、数多くのテクニックや手段を活用します。

[インラインのイラスト] フィードバック戦略 (インフォグラフィック)

「実行、トライ、検討」フレームワーク

「実行、トライ、検討」フレームワークでは、プロジェクトフィードバックを 3 つのカテゴリーに分割し、カテゴリごとにプロジェクトメンバーから異なる種類の回答を導き出します。

  • 「実行」フィードバック: この種のフィードバックは、必ず行うもので、組織にとって大きな意味をなすプロジェクトに使用します。したがって、「実行」フィードバックは、プロジェクトから生まれるインパクトがチームの枠を超えるものであったり、不可逆的な作用があったりする場合にのみ、慎重に使用します。

  • 「トライ」フィードバック:「トライ」フィードバックは、プロジェクトで次に実行するステップの候補を提案しつつも、意思決定はチームに任せるというものです。この例として、プロジェクトの潜在的なデメリットを探ったり、調査をより深く行ったりすることが挙げられます。この戦略は、成果物はよいものが出来ているが、強化したり、磨き上げたりできると思われる場合に使います。

  • 「検討」フィードバック: 3 つの中で一番強力な「検討」フィードバックでは、チームに対して別の考え方を検討するよう求めます。あなたの提案を受け入れるかどうかの選択は、完全にチームの判断となります。

マッキンゼーのフィードバックモデル

このフィードバックモデルはプロジェクトフィードバックを構造化することによってフィードバックが上司と部下の間でスムーズに行われるよう、マネジメントコンサルタント企業の McKinsey & Company によってデザインされたものです。マッキンゼーモデルでは、フィードバックは以下の要素を取り入れたものであるべきだと提唱されています。

  • 具体的である

  • 事実に基づいている

  • 個人的すぎない

  • 反論の余地がない

  • 行動に移せる

上述の特徴を用いて、フィードバックを以下の形で構造化します。

「あなたが [X] をしたとき、私は [Y] と感じました。今後は、[Z] することをおすすめします。」

具体的な行動とその結果生じた気持ちを組み合わせることで、上述したすべての要素を盛り込むことができます。この言い回しは、大抵の場合は、対立解決に適用されるものですが、フィードバックの具体的なニーズに合わせて調整することができます。

SMART なフィードバック

SMART な目標は聞いたことがあると思いますが、その原則をプロジェクトフィードバックにも適用できることはご存知でしたか?まずは SMART がどの単語の頭文字を取ったものかおさらいしておきましょう。

  • Specific (具体的)

  • Measurable (測定可能)

  • Achievable (達成可能)

  • Realistic (現実的)

  • Time-bound (期限がある)

建設的なフィードバックは具体的かつ測定可能、達成可能、現実的、そして期限があるため、これらすべての特性が関連しています。

今度プロジェクトフィードバックをするときは、ます初めに頭の中で SMART の頭文字をさっと思い浮かべ、抜けが無いことを確認しましょう。何かおかしいなと思ったら、フィードバック戦略を少し調整する必要があるかもしれません。

COIN 手法

COIN とは、Context (背景)、Observation (観察)、Impact (インパクト)、Next step (次のステップ) の頭文字を取ったものです。このモデルは、フィードバックの対立的な感じを抑え、より建設的にするような形でフィードバックセッションを構造化するのに役立ちます。このプロセスは、4 つのステップに分けられます。

  1. Context (背景): このステップでは、フィードバックを行うために下準備を行い、会話が必要な理由を説明します。このステップでは、プロジェクトの最終目標を強調して、フィードバックが重要な理由を理解してもらいます。

  2. Observation (観察): 次に、チームメンバーの仕事について、観察した内容を相手に伝えます。それには、ポジティブなフィードバックと建設的なフィードバックの両方が含まれる場合がありますが、一貫して率直な姿勢を保つ必要があります。

  3. Impact (インパクト):「インパクト」のステップでは、フィードバックの価値を掘り下げます。自分の提案を実行すると、なぜプロジェクトが先ほど説明した目標に向かって前進していくのかを説明します。

  4. Next steps (次のステップ): おそらく一番重要なステップとなる「次のステップ」では、チームメンバーが改善を遂げるための手段として実行できることをまとめます。他のチームとコラボレーションするように働き掛けたり、新しいツールを試すことをすすめたりするなど、できるだけ具体的なアクションを伝えましょう。

プロジェクト管理でのフィードバックのメリット

プロジェクトフィードバックが重要なのは、プロセスの進行を円滑にし、チームメンバーの成長を支え、よい結果をもたらすほか、チーム内で信頼を築くのに役立つからです。

日々のオペレーションに定期的なフィードバックループを導入すると、確実に生産性が上がり、成果物にも磨きがかかります。以下に、フィードバックサイクルがチームにとってメリットとなる理由を説明します。

[インラインのイラスト] プロジェクトフィードバックのメリット (インフォグラフィック)

長期的に見て時間の節約になる

日々のプロセスにプロジェクトフィードバックが含まれていれば、変更などによってプロジェクトが軌道から外れる心配はありません。プロジェクトのライフサイクルを通してフィードバックを行うようにしておくと、見落としを減らし、ワークフローを順調に進めることができます。絶えず品質を確認しておけば、大きな変更があっても問題を回避できます。

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チーム文化が改善される

優れたプロジェクトフィードバックの中核的要素となるのが、コミュニケーションとコラボレーションです。チームが普段からお互いにフィードバックをし合えば、チーム内および職場環境において、結束の固い文化が根付いていることに気付くでしょう。チームメンバーは、お互いのプロジェクトについて情報を入手できるため、自分たちの個人的な作業において新しいアイデアを出すことができるようになるというメリットもあります。

最終製品の質を高める

目標を実現する製品を作るとなると、参加メンバーは多ければ多いほどベターでしょう。プロジェクトフィードバックは、制作プロセスにおいてブレインストーミングやコラボレーションをより活発に行うきっかけとなり、それが必ず素晴らしい最終結果へとつながります。

キャリアアップを加速する

建設的で優れたフィードバックを提供することは、自分のスキルを磨き、キャリアにおいてさまざまなマイルストーンを達成しようと努力する若手のチームメンバーにとって驚くような効果をもたらします。プロジェクトフィードバックを上手に行うと、それを受けたメンバーは、チームにとっての成功がどういったものかをより広範にイメージできるようになります。またその知識は、キャリアアップを促進するのに欠かせないものとなります。

明確なコミュニケーションにつながる

チームリーダーは、チーム内でコミュニケーションの手本を示す必要があります。普段から明確で率直なフィードバックをしていれば、それがチームの日々の職場でのコミュニケーションにじわじわと浸透して行くことに気付くでしょう。

コミュニケーションは、どの会社の文化にも欠かせない要素ですから、フィードバックを通じて明確なコミュニケーションのお手本を示すことは非常に重要です。

プロジェクトフィードバックを使ってパフォーマンスを強化する

よい結果を出すには、日常的なフィードバックが欠かせません。フィードバックをすると、成果物の質が保証されるだけでなく、常にコラボレーションをして、インサイトを共有できるようになります。プロジェクトのライフサイクルにフィードバックを導入することは、チームのプロセス改善とキャリアアップに大きな効果をもたらします。

今からでも、日々のオペレーションにフィードバックループを導入しましょう。定期的なプロジェクトフィードバックをするのは初めてというチームは、Asana のようなワークマネジメントツールを使えば、アクションプランを作成し、スムーズにフィードバック戦略をスタートできます。

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