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プロジェクトの見える化に役立つツール「タイムライン (timeline)」。この記事では、ビジネスにおけるタイムラインとは何かを解説し、プロジェクトのタイムラインを簡単に作成する方法をご紹介します。
更新: この記事は、ビジネスにおけるタイムラインの意味に関する記述を含めて 2022年 10月に改訂されました。
プロジェクト管理をしていますか?スプレッドシートや整理されていない To-Do リストの代わりに、タイムラインに仕事を表示できるのは、プロジェクト管理のメリットの一つです。タイムラインを使えば、計画の全体像を確認できるため、プロジェクトの可視化につながります。便利なツールですがゼロから作るとなると手間がかかるかもしれません。そこでこの記事では、どの役職、業界、部門にも対応するプロジェクトタイムラインの作り方を順を追ってわかりやすくご説明します。
SNS や LINE などのスマホアプリと関連してよく聞かれる「タイムライン」という用語ですが、ビジネスシーンでは使われるタイムラインとはどういう意味なのでしょうか?ビジネスにおけるタイムラインとは主にプロジェクトマネジメント関連で用いられ、プロジェクト開始から完了するまでの全体スケジュールを指します。
タイムラインテンプレートを作成では、プロジェクトのタイムラインをどうやって作成していくのか、順を追ってみていきましょう。
1. プロジェクトブリーフを作成する
2. To-Do をリストアップする
3. 各ステップに要する時間を予測する
4. 依存関係を綿密に計画する
5. タイムラインを作成する
6. 関係者と共有する
7. プロジェクトを進めながら、管理し対応する
プロジェクト計画を関係者全員に周知するには、プロジェクトの要旨を作成することから始める必要があります。これはロードマップとして使えるほか、プロジェクト全体の目的や目標、マイルストーン、ビジョンを説明する手段ともなります。プロジェクト要旨には、以下の質問の答えを明記するとよいでしょう。
社内と社外、それぞれに対するプロジェクトの目標は?
社内と社外の関係者でプロジェクトに関与しているのは誰か、そしてその人たちの役割は何か?
プロジェクトの期間はどれくらいか?
プロジェクトの主要なマイルストーンは何か?
では、このステップを実例に即して考えてみましょう。あなたは今年のお客様感謝ディナーの計画担当者だとします。このイベントにおけるあなたの個人的な目標はできるだけ計画的に、生産性を発揮し、効率よく行うことです。あなたは目標を達成できる自信があり、イベント用にうまくまとめられたブリーフを作成することが最初のステップであることも理解しています。上述した 4 つの質問に対する答えは次のようになります。
社内目標は費用を 150 万円以下に抑えながらインパクトの大きなイベントを計画すること。社外に向けた目標は 50% の予約率と 80% の出席率を達成することです。
社内の関係者はイベントの計画委員会メンバー、クライアントサクセスチームの部長、およびマーケティングチームです。社外については、すべての既存クライアントおよび特定のベンダー (ケータリング会社、イベント会場など) が含まれます。
プロジェクト計画は 1月 15日に開始し、イベントの開催日は 8月 30日を予定しています。
登録ページの公開、会場の確保、特定の業者との契約
プロジェクトの要旨と目標の概要がまとまったら、そこから遡って目標を達成するために必要なステップをすべて割り出し、次にタイムラインの作成に取り掛かります。
記事: プロジェクトのマイルストーンを設定し、達成し、祝う方法成功するプロジェクトタイムラインを作成するには、最終的な成果物がレポートであれ、イベントであれ、そこに至るまでのプロジェクト計画プロセスで実行すべき全タスクをリストアップする必要があります。ステップに関しては、全体を俯瞰するマクロの視点とミクロの視点を持ちましょう。プロジェクトを予定通りに、予算内で完了させるために役立つタスクはすべてこのリストに入れます。
この時点では、すべてのステップの順番や、いつ実行する必要があるのかは心配しなくても大丈夫です。これらについては後ほど解説します。
たとえば、クライアント感謝ディナーの詳細は以下のようになります。
イベント計画を書く
予算を決定する
イベント会場を確認する
ケータリング業者を選択する
イベントのテーマを選択する
イベントのクリエイティブコンセプトをデザインする
予約サイトページを用意する
招待を送る
イベントを宣伝する
記念品を注文する
音声 / 映像を試す
プレゼンテーションを完成させる
イベントのすべての資料と記念品を用意する
当日のチェックリスト
時間のかかるステップや、複雑なステップは細かく分割して実行しやすいサブタスクにします。そうすることで、各ステップの実際の範囲を見極められるだけでなく、小さな詳細を忘れてしまうことを防ぎ、その取り組みが一層楽になります。
このイベントの例では、「ケータリング業者を選択する」ステップを実行しやすくするために、プロジェクトの該当部分を実行しやすいパーツに分割します。
ケータリング業者の候補リストを作成する
各ケータリング業者から見積もりを取る
見積書とメニューを比較する
有望な業者と面会する
ケータリング業者を選択する
契約内容を確定する
プロジェクトのステップすべてをリストにまとめたら、次は各ステップを完了するための所要時間を割り振ります。このとき、チームがタスクを完了させるために必要な時間を十分とりつつ、決められた全体的なスケジュールを守るというバランスが大切です。各タスクの所要時間がわかれば、適切にそれぞれのスケジュールを立てて、順序を決め、プロジェクトロードマップを作成できます。
引き続き、クライアント感謝イベントの例を使って、今度は「ケータリング業者を選択する」ステップとその各サブタスクに注目して、それぞれに要する時間を予測します。
ケータリング業者の候補リストを作成する (1 週間)
各ケータリング業者から見積もりを取る (3 週間)
見積書とメニューを比較する (1 週間)
有望な各業者と面会する (2 週間)
ケータリング業者を選択する (1 週間)
契約内容を確定する (1 週間)
所要時間の予測に基づくと、ケータリング業者の選定プロセスは合計 9 週間かかります。ここから逆算すれば、このステップをいつ始めればよいのかがわかり、プロジェクトタイムラインに具体的な日付を入れることができます。
プロジェクトを進める際、ステップの内容によっては同時進行できるものもあります。重なり合う内容のタスクを別のチームメイトがそれぞれ担当している場合などがこれに当たります。しかし、あるステップが終了しない限り、次のステップを開始することも、完了させることもできないケースもあります。つまり、他のタスクが先に完了することに"依存"するタスクがあるということです。たとえば、ケータリング業者を選定しなければ、フードの注文はできません。タイムラインが重要である理由の 1 つがこのポイントです。各ステップを見て、それぞれがどのように重なり、かつどれだけの時間を要するのかを視覚的に確認することで、プロジェクトを順調に進めることができます。
各ステップの担当者もこの時点で決定します。早い段階でプロジェクトの各タスクに担当者を割り当てておくことで、タイミングやリソースの競合を発見し、調整し、不測の事態や遅延を防ぐことができます。ステップ 6 では、プロジェクトタイムラインを関係者と共有し、メンバー全員の責任を明確にする方法を紹介します。
記事: プロジェクトを成功させるためのリソース管理完全ガイドこのイベント例のタスクの 1 つに招待状を送るタスクがあります。これは簡単なステップのように思えますが、招待状を送ることを考えるよりも前に、処理しなければいけない他の作業がいくつかあります。招待状はデザインが必要ですが、イベントのテーマが決まっていなければデザインはできません。1 つのタスクを始める前に、他のタスクを処理する必要があるのです。たとえば、次のような順番になります。
イベントのテーマ (イベント計画チーム) → デザインのコンセプト (担当者 A) → デザインを選択 (イベント計画チーム) → 招待状を作成 (担当者 B) → 招待状を送信 (担当者 C)
それぞれの依存関係と各タスクの流れ (または順番) を綿密に計画する時間は無駄ではありません。プロジェクトの各要素がつながり、すぐに全体像が見えるようになります。誰が何を担当するか決めることも重要です。誰がイベントのテーマを決定し、誰が招待状をデザインするのかといったことは、タスクの開始まで待たず、誰かに割り当てる前に決めましょう。前もってすべてを明確にしておけば、予定の競合などの問題が起こりません。
幸い、招待状を送信するまでのプロセスとケータリング業者の選択は同時進行できます (プロジェクトタイムラインに表示されます)。
どのようなプロジェクトタイムラインができるのか、想像がつき始めているのではないでしょうか。そのイメージ (およびすべてのタスクと期日) を想像に留めることは実用的ではなく、それを紙 (または画面上に) に書き出すことが実践的であると言えます。すぐに Excel スプレッドシートやパワーポイントを開こうと思うかもしれません。でもちょっと待ってください。いずれのプログラムもプロジェクトを計画したり管理したりするために作られたものではないので、より適切なツールを使えば回避できる問題に直面することになります。
そこで、プロジェクトタイムラインの管理や構築を目的として設計された、Asana のようなプロジェクト管理ツールの出番です。スプレッドシートをプロジェクトタイムラインに変換するために、セルを結合したり数式を追加したりして奮闘する必要もないので、タイムラインを描く時間を節約できるだけでなく、プロジェクトが始まった後もそのままタイムラインを管理できます。専用のプロジェクト管理ツールを使えば、仕事を進めながら簡単にタイムラインを調整し、変更内容や進捗の最新情報を関係者に知らせることができます。
適切なツールを使えば、タイムラインはそれを構成する仕事に結びつき、常に最新の状態が維持されます。これが順調に進むプロジェクトと、まとまりを欠くプロジェクトの差を生みます。
Asana のタイムライン機能を使用して独自のプロジェクトスケジュールを作成しましょう。
プロジェクトのすべてのステップをタスクとしてリストに入力する
各タスクに開始日と期日を追加する
各タスクにタスクオーナーを追加する
タスク間の依存関係を描く
「タイムライン」ビューをクリックして、視覚的なタイムラインに変換されたリストを表示する
ヒント: すでにスプレッドシートで計画を作成している場合は、CSV インポート機能による連携を使ってすばやく Asana にインポートし、ステップ 4 にスキップできます。
Asana を無料で試すプロジェクトタイムラインをすばやく作成する一番簡単な方法はプロジェクトテンプレートを使用することです。以下は今すぐ使用可能な Asana のプロジェクトテンプレートの例です。各プロジェクトは、最初はリストビューとして表示されますが、「タイムライン」タブをクリックすればタイムラインに変換できます。
プロセスの初めにプロジェクトのすべての関係者を含めたリストを要旨に追加したのを覚えていますか?タイムラインが完成したところで、それをすべての関係者と共有するのは大切なことです。関係者全員が計画の明確さを見て興奮するのは間違いありません。プロジェクトにおいてメンバーたちが担当する業務を簡単にすればするほど、プロセスを通じてより多くの称賛を得ることができるでしょう。
プロジェクト管理ツールを使ってタイムラインを構築すれば、簡単かつシームレスにシェアできます。メールやドキュメントも必要ありません。プロジェクト管理ツールひとつで、関係者は誰が何をいつまでに実行するのかをすぐ知ることができます。
クライアント感謝イベントのタイムラインは、当面の仕事を担当する人たちだけでなく、プロジェクト全体に関わる全員と共有しましょう。関係者はあなたに情報をリクエストしなくても、プロジェクトにおけるそれぞれの担当業務と、依存関係をいつでも追跡できるようになります。
これまでプロジェクトに関わった経験があればおわかりのように、物事はいつも計画通りに進むわけではなく、不測の事態や予定外のできごとが起こる可能性は大いにあります。しかし、変更に合わせる準備ができていれば、それに対応することはさほど難しくないのです。タイムラインは計画づくりに力を発揮するツールですが、必ず起こる計画の遅れや変更に応じて、調整を行う際にも役立ってくれます。
タスクの移動は、必ずしもプロジェクト全体を混乱させる憂鬱な事態ではありません。プロジェクトの一部分で遅れが発生すれば、プロジェクトオーナーはそれがプロジェクトの他の部分に及ぼすインパクトを明確に知ることができます。このため、それに応じてタスクを移動させ、プロジェクト全体を引き続き生産的に進めることができます。
The Balance Careers にも記述があるように、プロジェクトの変更内容は該当する特定のステップ内で対応できるものですが、その変更が確定したら、タイムラインを更新する必要があります。計画に変更があると、タイムラインの内容はすぐに古くなってしまうので、メールやスプレッドシートの代わりにプロジェクト管理ツールを活用することがおすすめです。関係者が目にする情報が常に最新のものであるようにしておくことが大切なのです。何が信頼できる唯一の情報源なのか (つまりタイムラインです) をすべての関係者に伝え、それが常に更新されているようにすることはプロジェクトオーナーの責任であるとも言えます。
すぐに対応する。 変更内容を確認したら、すぐにタイムラインを更新してそれを反映させます。
関係者に通知する。 プロジェクトタイムラインの変更によって影響を受ける人は、それぞれがどのようなインパクトを受けるのかを理解し、プロジェクトタイムラインでその変更内容を目で見て確認できる必要があります。
インパクトを判断する。 タイムラインを更新したら、仕事が集中しすぎている期間やタスクを抱えすぎている関係者がいないか確認します。タスクを移動してもっと時間を確保できないでしょうか?その業務を代わりに引き受けたり、手を貸したりできる人はいないでしょうか?
イベント計画の例はこれが最後です。クライアント感謝ディナーのケータリング業者を選択できたとしましょう。契約内容を確定しようとしていたちょうどそのとき、電話が鳴り、ケータリング業者がダブルブッキングしてしまったという連絡を受けます。運悪く、他のケータリング業者を探すはめになってしまいます。
タイムラインを使えば、この変更によって影響を受けるタスクやチームメンバーの期日を簡単に調整できます。不幸中の幸いなのは、すでに最初のタスクをいくつか終わらせていること、そしてそれがタイムラインの表示に反映されているということです。直前のキャンセルはフラストレーションの溜まる問題ではありますが、計画はタイムラインにより整理され、順調に進んできたため、扱いやすく感じられます。
タイムラインの作り方を把握したら、個人のニーズにも対応するタイムラインテンプレートを作成しましょう。オリジナルのプロジェクトタイムラインテンプレートを作成するためのヒントをご覧ください。
上手に整理されたプロジェクトタイムラインを作成する方法を知ることは、この強力なツールを活用する方法を理解する大きな第一ステップです。しかし、まだいくつかの疑問点があるかもしれません。それはあなただけではありません。プロジェクトタイムラインに関して人々が一般的に抱くいくつかの疑問に対する答えを以下に紹介します。
強力なツールであるタイムラインとガントチャートの違いは何か?とてもよく聞かれる質問です。ガントチャートはワークフローとタスクの依存関係に重点を置いています。より直線的で、さまざまな変更や同時進行する複数のタスクを考慮していません。一方、タイムラインは柔軟性があり、プロジェクト計画の変更に合わせて簡単に調整できます。ワークフローの更新も容易です。ただし、どちらも視覚的なツールです。
これをスプレッドシートで行うのは大変ですが、プロジェクト管理ツールを使えば簡単です。複数のビューでプロジェクトを一度に 1 つずつ表示することもできますし、複数のプロジェクトをポートフォリオ形式のビューで管理することもできます。
つまり、特定のタスクにより多くの時間を費やせるときや、フル稼働状態に陥るときを可視化できるほか、必要に応じてチームの仕事量を調整して均等にすることができます。
タイムラインとは何かを紹介し、その作り方を解説しました。タイムラインの具体例も挙げながらまとめてみたので、次のプロジェクトでは優れたタイムラインを作成してください。
プロジェクト計画は考え出すだけでは十分と言えません。計画の実行方法を決定することが同じくらい大切です。計画を展開する方法を示すタイムラインを作成することは計画段階において非常に重要なことであり、これによりプロジェクト管理が一層効率化します。
各プロジェクト管理のタイムラインにこの順を追ったプロセスを使用すれば、仕事が順調に進み、ストレスを抑えることもできます。事業に適応させて、共有してみてください。また、プロジェクトタイムラインをさらに進化させるために、次回は Asana を使ってタイムラインを作成しましょう。
プロジェクトのタイムラインを Asana で設定する