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1902年創業のエトワール海渡は、日本橋・馬喰町にショールームを構える老舗総合卸商社です。プロフェッショナルのバイヤーが国内外から厳選した衣食住にわたる商品を揃え、20000軒もの小売店舗へ卸しています。そのエトワール海渡が将来を見据えて立ち上げたDXプロジェクトの要として選んだのがAsanaでした。Asanaの活用によって成功したプロジェクトについてエトワール海渡伺いました。
アパレルショップや生活雑貨店、観光地・ホテルの売店、海外雑貨店など、国内外の多業種の小売店を顧客とするエトワール海渡。同社の商品を仕入れる方法は、東京日本橋にある馬喰町の店舗へ出向いて「見て・触って・確かめて」仕入れるのが大多数で、遠方や国外の顧客には、同社が運営するECサイト「ETONET」を通じて届けられていました。
これまでの顧客を大切にしながら、新しい感覚のデジタル世代に向けてエトワール海渡をアピールするには、ETONETの充実と強化、SNSでの発信が不可欠と考えたのです。
2019年秋、同社は社員40名からなる革新的なDXプロジェクトを立ち上げました。プロジェクトのメインとなるのは、店舗をショールーム化すること、そしてショールームで商品を発注し、決済までできるスキャンアプリの導入でした。
2020年10月、まずスキャンアプリがリリースされ、今年2月にショールームがオープンしました。店舗のショールーム化とスキャンアプリの導入は、顧客にとってこれまでの「エトワール海渡」からの仕入れを大きく、よりよく変えるものでした。
馬喰町のショールームでは、小売店舗で採りいれやすいディスプレイを提案。店内を見て回るだけで店舗のイメージを膨らませることができ、また知識のある専門販売員へ悩みや要望などを気軽に相談できるようになりました。買い付けもこれまで通り並んでいる商品を「見て・触って・確かめて」選ぶことができ、なおかつ「商品をレジで精算し、それを持って店内を移動する」というストレスがなくなったため、「気持ちに余裕ができてイメージしながら商品を選べるようになった」「商品選びに集中できるようになった」という声が多く寄せられているといいます。
また、スキャンアプリの導入によって、ショールームで欲しい商品のバーコードをスキャンアプリで読み込めば発注から決済までできるようになり、年配の顧客でもかんたんに操作できると好評で、アプリを利用する店舗数は日々増加しているそうです。
ただ、DXプロジェクトは最初からスムーズだったわけではありませんでした。卸事業部の菊地祐子氏は「プロジェクトは当初、表計算ソフトでつくった計画表をメンバー40名にメール送信して情報共有し、スケジュール調整して集まった会議で問題点を話しあうというものでした。でも、すぐに限界を感じました。プロジェクトよりも、まず私たちの仕事のDXが必要だったのです」と振り返ります。
そこで同社はプロジェクトの管理にDXを採りいれることを決意。数あるツールの中から最終的に選んだのは、Asanaでした。Asanaを選んだ理由は、「類似したツールと比較して操作性がよく、こういったツールに慣れないメンバーも違和感なく利用できたこと。他社のツールもトライアルを利用して使ってみましたが、トップもメンバーも使いやすさはAsanaがいちばんという結果でした」と渋市氏は話します。菊地氏は、「メンバーの半数は女性ですからデザイン性も大切です。毎日見て、使うものなので遊び心のあるものを選びたい。Asanaのかわいらしい画面はとくに若手女子の間で人気でした」
商品の仕入れをかんたんにできると好評のスキャンアプリ。商品のバーコードを読み込むと、その場で在庫が確認でき、発注から決済までできる。約40万アイテムを掲載、毎日約150点の新着商品が届く。
プロジェクトメンバーの全員がAsanaの活用をスタートさせたのは、コロナ禍が全世界を覆っていた2020年4月でした。同社の販売やセールスなどの現業部門も一部在宅勤務に切り替えられましたが、Asanaを導入していたことによってプロジェクトは問題なく、スムーズに進んでいったといいます。さらに、プロジェクトの情報の共有や進行管理が滞りなくできただけでなく、コロナ禍においても仲間とつながり、励まし合える環境をAsanaで作れたことは、大きな収穫だったといいます。
現在、馬喰町にあるショールームは、情報発信基地として、また顧客が楽しく買い付けができる提案型のショールームとしての機能を発揮しています。遠方から来店する顧客には、提携パーキングや提携ホテルがあり、サポート体制も充実。また、会員限定のブログでは細やかな情報発信もしており、気になる商品情報は同社のオンラインストアETONETからの仕入れができるようにもなっています。
商品の仕入れをかんたんにできると好評のスキャンアプリ。商品のバーコードを読み込むと、その場で在庫が確認でき、発注から決済までできる。約40万アイテムを掲載、毎日約150点の新着商品が届く。
さらに同社では、Asanaをプロジェクトの進行管理だけに留まらず、顧客の声を反映した商品の充実やサービス向上、社内会議での効率化にも役立てています。
たとえば、相談窓口としての販売員が顧客から受け取る「ナマの声」をAsanaにアップすればすぐに営業やバイヤーに伝わり、リクエスト商品であれば手配され、改善してほしい部分があれば問題解決に向けて動き出します。
Ms.Kikuchi(菊地氏)
Asanaを活用してからは、メンバーからの積極的な意見や改善方法が提案されるようになったといい、関連するすべてのメンバーが「リクエストした顧客に商品が届いてプロジェクトが完結」になるまで見守るため、よりよい商品を迅速に届けようとする意識がこれまで以上に強くなったといいます。
今では社内会議の書類もAsanaのライブラリに格納するなど、全社的にAsanaを利用しているといい、商品や会議の資料など、かさばる紙の資料を削減。必要な書類は必要な時に検索機能を使ってすばやく取り出せるため、重要なタスクにより多くの時間をあてられるようになったといいます。