組織の情報は大きな価値をもちますが、私たちは情報管理の方法を軽視しがちです。通常はプロセスを記録することなく仕事する方が負担は軽くなるからです。そもそもプロセスを文書化してドキュメントを作成する必要性がいまいち見えてこないかもしれません。
チームメンバーはプロセスに関する文書を毎日確認しているわけではありません。しかしこれらの文書が必要になったとき、このタイプの文書の重要性は高まります。そのため文書がない状態ではチームにマイナスの影響が生じる可能性があります。また積極的に情報を記録することでメンバー間で情報のギャップが生まれる問題を予防できます。現実として情報やプロセス、ガイドを共有可能なソースがない状態ではチームメンバーが仕事を完了することがより難しくなるのです。
ナレッジマネジメントはチームや部署、具体的なタスクにおける情報を整理する上で役立ちます。この管理を成功させるにはメンバー全員が同じ方法で情報を管理しなければなりません。そうすることですべてのチームが、部門横断型チームの場合は特に、必要としている情報を見つけやすくなります。そんなときに重宝するのがナレッジマネジメントテンプレートです。
ナレッジマネジメントとは、情報を入手、整理、保存、共有するプロセスです。ナレッジマネジメントシステムは会社が用いる個々の情報のすべてを活用するための手段を提供します。このシステムのおかげで情報共有が容易になり、繰り返し発生するミスを特定したり、すでに考案されたソリューション (解決策) を見つけたりすることが可能になります。
情報をナレッジベースで整理すると、過去の施策やうまくいった方法、うまくいかなかった方法、関連する指標などを確認しやすくなります。このアプローチは戦略プラニングに有効に働きます。すでにわかっていることをベースに今後の計画を立てるのです。たとえば、ナレッジベース内の過去のデータを参考にして今後のロードアップの組み立て方を決められるようになります。
ナレッジマネジメントを有効活用できるように、計画的にプロセスを策定し、入念に調整する必要があります。テンプレート化すればこの作業を大幅に簡素化できます。
ナレッジマネジメントテンプレートを使うと重要な情報を記録し、確認できるようになります。ナレッジマネジメントのプロセスをテンプレート化しフォーマット化することで、誰が管理していたとしても同じ方法で情報を確実に整理できます。その結果、あなたが盛り込みたいと思っていた重要な情報を別のチームメンバーが省いてしまうリスクを抑えられるほか、チームメンバーは一貫性のあるワークフローを維持できます。
たとえば会社の予算と計画に関するナレッジマネジメントのプロセスを用意している場合は、このプロセスをテンプレートとして保存できます。するとチームメンバーが次の四半期の計画を行う際にこのナレッジマネジメントテンプレートを利用すると、重要な情報や手順を漏れなく盛り込めるようになります。なおテンプレートには、予算以外にも、予算オーバー時のチェンジマネジメントのプロセスや、予算管理システムに関する問題を解決するためのハウツー記事などのアイテムも含めるとよいでしょう。
ほぼすべてのチームがナレッジマネジメントテンプレートからメリットを得られますが、特に大きな組織やチームで重宝します。これは大企業ではさまざまな社員やチームがプロセスを担当するためです。これらのプロセスに対してテンプレートを作成しておくことで、個々の従業員が同じ方法で業務を行える環境が整い、一貫した成果を得られます。
ナレッジマネジメントテンプレートはプロセスをフォーマット化します。こうすることで誰が管理していたとしても、さまざまな部門で、さらには会社全体で同じ方法で情報の記録と保存を簡潔に行えます。ナレッジマネジメントテンプレートはプロセスを手順を追って説明し、プロセスを成功に導く上で必要なアイテムを示します。たとえば特定のナレッジベースの記事をすべての IT 関連の FAQ セクションに盛り込みたいなら、テンプレートに加えましょう。
テンプレートを作成することで知識を簡単に共有できるようになり、どのように仕事を進めるべきか、何が功を奏しているのか (うまくいっている方法を利用したり、コピーしたりできる)、何を改善できるのかを確認できます。さらにナレッジマネジメントは本質的に部門を横断するアプローチであるため、別のチームやメンバーが情報にアクセスできるようにするためにナレッジベースを構築することがあります。プロジェクトマネジメントソフトウェアに搭載されているデジタル版ナレッジマネジメントテンプレートなら、チーム全体で簡単に情報の共有、アクセス、利用ができるという利点を活かせます。
ナレッジマネジメントテンプレートは情報を管理する方法を説明する役目を担います。これはプロセスを自分で学ぶ上で有効です。たとえばナレッジベースの作り方を知りたい場合は、テンプレート内で実際に方法と手順を確認します。
テンプレートを作成するときは、含めたい情報の各領域をセクションとして分けます。以下に作成可能なセクションの例を記載します。
関連する参考資料:プロジェクト管理プラットフォームを利用すると各リソースにタスクを作成し、直接各タスクに文書を添付できます。その結果、関連する情報を探すために費やす時間と労力を減らせます。
チーム別のプロセス: たとえばカスタマーサポートチームにはカスタマーフィードバックに関連するプロセスを作成し、このプロセスへのリンクを張ることができます。これはチームのすべてのプロセスにおける信頼できる唯一の情報源の役目を果たします。
FAQ のセクション: FAQ (よくある質問) は一般的な質問に答える上で有効なコンテンツであり、チームは何度も同じ質問に答えなくても済みます。FAQ は IT をはじめ、別のチームや部署と頻繁に連携するチームにとって有益です。
連絡先情報: 特定のタスクを担当するチームメンバーの連絡先を記載して、質問に対して連絡するべき相手を明示しましょう。
ナレッジマネジメントには調整が必要です。だからこそプロジェクトマネジメントツールを利用して情報を整理するアプローチが浸透しているのです。プロジェクト管理ツールがあれば、あらゆる情報を必要に応じていつでも、誰とでも早く、簡単に共有できるようなります。
Asana では、次のことが可能です。
各セクションのタスクを意思決定権を持つユーザーに割り当てられます。たとえばエンジニアリングチーム向けのナレッジマネジメントテンプレートの場合、チームに初めて加わる新入社員を対象としたオンボーディングのセクションを設け、関連する人事部のメンバー、人事部の部長、オンボーディング担当者にこれらのタスクを割り当てることが可能です。
さまざまなメンバーを共通のプロジェクトやポートフォリオに簡単に追加できるため、チームをまたいで調整を行えます。
セクションの策定後、関連するタスクやサブタスクを作成し、ガイドラインやプロセスを添付できます。
テンプレートを一度作成したら「複製」ボタンをクリックするだけで今後も利用できるようなります。
リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。
オートメーション: 手作業を自動化することで、チームは忙しいだけの無駄な作業に費やす時間を減らし、本来の業務に専念できるようになります。Asana のルールは、トリガーとアクション、つまり「X が発生したら Y を行う」という基本的な仕組みに基づいて機能します。ルールを使用して、作業の自動割り当て、期日の調整、カスタムフィールドの設定、関係者への通知などを行います。単発のオートメーションからワークフロー全体まで、ルールを活用することで、チームはスキルを要する作業や戦略的な仕事に取り組む時間を取り戻せます。
サブタスク: To-Do が大きすぎて、1 つのタスクに収められないこともあります。タスクに複数人が関わる場合、期日が遠い場合、公開前に関係者の確認と承認が必要な場合などは、サブタスクを活用しましょう。サブタスクを使えば、タスクを細分化して仕事を配分できるほか、細かい To-Do を親タスクの全体的な流れに結びつけるのにも役立ちます。サブタスクでタスクを細かく分割し、複数のステップから成るプロセスの各要素を管理しましょう。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、作業のタグ付け、ソート、絞り込みに最適な手段です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが一目でわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
Dropbox: Asana タスクウィンドウに直接組み込まれた Dropbox ファイル選択機能を使って、Asana のタスクに直接ファイルを添付できます。
Vimeo: テキストで要点を伝えることも可能ですが、語調や感情、表現は文字だけでは十分に伝えられません。Vimeo が提供する Asana のビデオメッセージ機能を使用すれば、必要な情報を共有する度に会議を開く必要がなくなります。自身が説明している様子または操作画面を録画してビデオメッセージを作成し、タスクやプロジェクト、メッセージ、コメントに埋め込むことで、情報や状況がよりわかりやすく伝わります。録画した動画には、Asana の機能により自動で文字起こしが生成されるため、動画の内容を読んだり、検索したりすることもできます。フィードバックの共有、質問、タスクの割り当てなど、すべてを Asana 上で完結できます。
Google Workplace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana でファイルをタスクに直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。
OneDrive: Asana のタスクウィンドウには Microsoft OneDrive のファイル選択機能が組み込まれているため、Word や Excel、PowerPoint などのファイルを Asana のタスクに簡単に添付できます。
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