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チームの有効性とは、共通の目標を達成するために、チームメンバーがいかにうまく協力し合えるかということです。チームの有効性が高いと、自分の仕事に対してチームメンバーが大きな自己効力感を持ち、エンゲージメントと満足度が向上します。幸い、すでに試行錯誤が重ねられて実証されたチーム有効性モデルが存在し、チームに導入が可能です。この記事では、4 つのチーム有効性モデルと、それらを今日から実践する方法についてご紹介します。
ハイパフォーマンスを発揮するチームの構築には、努力が必要です。独自性のあるスキルや資質を持つ個人のグループでは、チームの成功や結束力は変動するものです。チームの有効性とは、共通の目標を達成するために、チームメンバーがいかにうまく協力し合えるかということです。
チームの有効性が高いと、自分の仕事に対してチームメンバーが自己効力感を感じられ、エンゲージメントと満足度が向上します。幸せなチームメンバーが良い結果を出すというのは、驚くことではありませんね。ハイパフォーマンスを発揮するチームを構築するには、その有効性を上げることから始めましょう。
チームの有効性とは、チームが協力し、コミュニケーションをとり、共通の目標を達成するレベルのことです。有効性の高いチームの構築には、チームメンバーの幸福度とパフォーマンス改善への取り組みとのバランスを取ることが必要です。それらを両立させる方法の 1 つとして、チーム有効性モデルが利用できます。
現在、さまざまな思想リーダーが開発したチーム有効性モデルを、世界中のリーダーたちがチームに使用しています。そのフレームワークのいずれかを使用し、あなたのチームのパフォーマンスを向上させられます。それぞれのモデルが異なる戦略を提供していますが、それらの目的は、チームがよりよく協力し合えるようにするという普遍的なものです。
Asana でチームのコラボレーションを向上チームの有効性は、個人とグループの幸福度にとって不可欠です。強力なグループダイナミクスは、チームの士気や生産性を含む、幸福度の高いチームの他の多くの側面の基礎となります。
チームの有効性には、チームメンバーとパフォーマンスの両方にとってのメリットが複数あります。
有効性の高いチームとは
発生する課題に対して打たれ強くなる。
チームメイトとのポジティブなシナジーが生まれる。
仕事においてより大きな能力を感じて自信を深められる。
有効性の高いチームでのチームメンバーは
より熱心に、より長く働くエネルギーがある。
集中力が高く、ミスが減る。
生産性が高まり、より良い結果をもたらす。
チームの有効性は、グループから始まり、次に個人へと広がっていきます。チームでの自分の立場やチームメイトとの関係に個人が自信を持てると、そのエネルギーが仕事にも反映されていきます。
チーム有効性モデルに従うと、より簡単にチームを成功に導けるようになります。効果的なチームづくりには効果的なリーダーが必要です。自分のリーダーシップスタイルを理解して生かすことが重要である一方で、そのスタイルが誰とでも相性がよいとは限りません。あなたのリーダーシップ戦略にモデルを取り入れることで、説得力のある方向へチームを導けます。
以下の 4 つのチーム有効性モデルから、どれがチームに最も合っているかを検討しましょう。
『あなたのチームは、機能してますか?』の著者、パトリック・レンシオーニ氏は、チームの機能障害や対立の原因を中心にチーム有効性モデルを設計しました。このモデルは、チームで改善が必要な部分を簡単に指摘することを可能にします。彼は、機能障害を 5 つの層に分け、ピラミッド構造で視覚化しています。一番下の層が最も大きな障害で、一番上の層「結果への不注意」が最も小さな障害となっています。
レンシオーニによる、機能していないチームの要素:
信頼の欠如: チームメンバーが助けを求めることを恐れている場合。
対立の恐れ: チームメンバーが、気軽に発言できない場合。
コミットメントの欠如: チームメンバーが、仕事をなかなかやり通せない場合。
責任からの逃避: チームメンバーが、基準を設定しない、あるいは設定された基準を理解できない場合。
結果への不注意: チームメンバーが、パフォーマンスに集中していない場合。
レンシオーニは、効果的なチームが最も避けるべきはこれらの機能障害だと述べています。効果的なチームは、次のような、これらの機能障害の反対を実践します。
信頼
コミットメント
責任意識
結果への意識
このモデルは、チームを向上させるために取り組むべき領域を特定するために役立ちます。さらに、グループの有効性を高めることに一度達成したら、それを維持する助けにもなるのです。
チームの例:
このモデルは、チームの機能障害を改善したり、その発生の防止に役立ちます。レンシオーニのモデルで機能障害を反転させ、アクションを起こします。たとえば、レンシオーニの目から見た効果的なチームの基本的なアクションは、お互いを信頼することです。毎週 Q&A セッションを設け、助けを求めるということが当たり前になるようにして、信頼関係を促進しましょう。
マイケル・ロンバルド氏とロバート・アイチンガー氏は、チーム有効性の T7 モデルを開発しました。このモデルは、チームを機能させる内的・外的な要因にフォーカスを置いています。
このモデルによると、5 つの内的要因がチームの有効性に影響を与えます。
推進力 (Thrust): チームに共通の目標があること。
信頼 (Trust): チームメンバーが、お互いを信頼していること。
人材 (Talent): それぞれのチームメンバーが、仕事に関連したスキルと経験を持っていること。
チームスキル (Team skills): チームメンバーが、効果的に協力しコミュニケーションをとること。
タスクスキル (Task skills): チームメンバーが、タスクを能率よく達成していること。
そして、チームの有効性に影響を与える外的要因が 2 つあります。
チームリーダーの適合性 (Team leader fit): チームメンバーが、リーダーを信頼し、そのリーダーシップのスタイルを尊重していること。
会社からのチームサポート (Team support from the company): 会社がチームをサポートし、成功のために必要なリソースを提供していること。
T7 モデルは、チームの長所と短所を評価する基準として使用できます。チームには、すでにマスターしている T と、取り組む必要のある T があるかもしれません。
チームの例:
T7 モデルをチェックリストとして、アクションプランとして、また、チームの成功をモニタリングする方法として使用します。たとえば、「推力」のアクションアイテムは次のようになります。
実行可能なステップを作成することで、T7 構造を活用し、チームのコラボレーションを向上させられます。
心理学者ブルース・タックマンは、タックマン・チーム形成段階モデルを作り出しました。彼はこのモデルで、チームは 4 つの段階を経て発展すると説明しています。しかし、こういったチーム形成の段階はグループごとに異なり、必ずしも一直線に進んでいくものではありません。
このチーム有効性モデルを使用する際の目標は、その各形成段階を通じてチームを引き上げていくことです。
第 1 段階 - 成立期: チームメンバーが集まりますが、どんなグループダイナミクスになるかはまだわかっていません。
第 2 段階 - 動乱期: チームメンバーがお互いのことを知り、ワークスタイルや人格が明確になることによる対立が生じえます。
第 3 段階 - 安定期: チームメンバーは互いに順応し、協力し、お互いの違いを克服します。
第 4 段階 - 遂行期: チームメンバーはお互いをよく知り、尊敬・信頼し合っており、それによりパフォーマンスが向上します。
あらゆるチームが何もせずとも遂行期の段階まで到達するというわけではありません。この段階に達するには、チームメンバーたちが自立し、かつ息が合っている必要があります。
チームの例:
遂行期に到達できるようにするには、チームの現状に合わせて着実に対応しましょう。もしチームが一緒に仕事を始めたばかりなら、この段階に到達する前に、成立期、動乱期、安定期を経る必要があるかもしれません。
彼らが確実に遂行期に到達できるよう、チームをサポートする方法を探します。対人関係を促進し、必要に応じて対立解消策を提供しましょう。
記事: チームの形成段階とは?『高業績チームの知恵』の著者、ジョン・カッツェンバック氏とダグラス・スミス氏は、チームの有効性を高めるための三角形のフレームワークを作り出しました。このフレームワークの頂点のそれぞれは基本的なチーム目標を表し、その間にある 3 つの辺は、チームがその目標に到達するための方法です。
基本的なチーム目標:
パフォーマンス結果
成果物
個人の成長
チーム目標達成のために必要とされる 3 つのスキル:
能力: 成果物の作成とパフォーマンス目標の達成のために、コミュニケーション、問題解決、機能的な作業のための能力が必要とされます。
責任: パフォーマンス目標と個人の成長を達成するために、お互いに責任を持ち、責任を与える必要があります。
コミットメント: 個人の成長や成果物を実現させるには、共通の目標や目的にチームがコミットする必要があります。
チームの例:
このモデルを使用してチームダイナミクスを改善するには、まず主要な構成要素をガイドとしましょう。チームには、スキル、責任、コミットメントがそろっていますか?改善が必要なところを特定し、そこに労力を集中させましょう。
たとえば、チームにスキルやコミットメントが備わっていても、責任が欠如していると、個人の成長やパフォーマンスに支障をきたす可能性があります。境界線を設定し、責任を果たすことはお互いを尊重することだと考えてもらうようにしましょう。
チームとリモートワークでコラボレーションする方法実際に導入する前に、上記のチーム有効性モデルについてよく理解しましょう。リーダーとして、いずれかのモデルを実際に実行に移す前に、これらがどのように機能するかをしっかりと把握する必要があります。
各チームモデルをしっかりと理解できたら、次のステップに沿って、チームのニーズやワークスタイルを確認していきます。
それぞれのチーム有効性モデルには、利点と欠点があります。しかし、ビジョンを明確に示し続けるために、1 つのモデルに絞って進めていくことが重要です。リーダーシップ戦略にモデルを導入する場合、チームのニーズの特定と、ニーズに答える進捗の評価のために使用します。達成したいことが明確であれば、目標を達成できる可能性が高くなります。
選択したチーム有効性モデルを使用するに際して、その改善プロセスにチームメンバーを参加させましょう。チーム有効性モデルについてはっきりと言及する必要はありません。ワークプレイスでオープンなコミュニケーションを行うことは、よりよい人間関係を築くための鍵となります。
たとえば、レンシオーニモデルを選択した場合、結果への意識、責任意識、コミットメント、対立の解消、信頼に焦点を当てましょう。各分野における有効性がどのようなものであるか親しみやすい例を挙げながら、チームの有効性を構成するこれらの要素について説明します。中でも苦労しているのはどの分野か、チームメンバーに意見を求めます。そして、モデルとそのメリットを実現するために協力し合うのです。
どのモデルを選択したかに関わらず、コラボレーションはチームの発展に欠かせません。コラボレーションとは、たとえ困難な問題が生じたときにも、協力することを意味します。たとえ意見が対立したとしても、チームメンバーが、敬意を持って遠慮なく自分自身を表現できるようにすることを目標にすべきです。
チーム有効性モデルを導入することは、成功の方程式のたった一部分にすぎません。リーダーとして、積極的にコラボレーションのモデルを示し、チームがどうコミュニケーションをとるべきかの基準を設定しなければなりません。
記事: Asana のリーダーに聞く、模範となるリーダーシップの取り方新しいチームワークモデルに合わせてチームのプロセスを調整するにあたり、チームメンバーのパフォーマンスと幸福度について確認します。パフォーマンス評価は、このような会話を持つ良い機会となります。
チームには新しいモデルに適応するための時間が必要で、モデルが機能し始めるためにも時間が必要です。チームの生産性や個人のパフォーマンスにすぐに変化が見られなくても、落胆せずに辛抱強く待ちましょう。
職場の人間関係が、仕事に対する気持ちを変えることがあります。効果的なチームを構築することで、チームメンバーはより満足感を感じ、その結果、生産性が向上します。しかし、選択したチーム有効性モデルを維持するのには努力が必要であることを心に留めておきましょう。チームメンバーがより簡単に適応できるようにするには、ワークマネジメントソフトウェアを試してみてください。これらのツールにより、チームメンバーのコミュニケーションやコラボレーションが容易になり、共通の目的に向かって仕事を進められます。
Asana でチームのコラボレーションを向上