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8 ステップでパフォーマンス評価テンプレートを作成する方法 (実例付)

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana
2024年2月20日
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概要

パフォーマンス評価は、チームメンバーの進歩を評価するための正式な確認プロセスです。評価は精神的に疲れる取り組みですが、パフォーマンス評価テンプレートがあれば、このプロセスを標準化できます。何について話し合うかをチームメンバーに伝えることで、メンバーは準備をしてから話し合いに臨めるようになり、より生産的にディスカッションを進められます。さらに、評価を目標設定と組み合わせると、現在のインパクトだけでなく、今後の目標についても意見を交換できるようになります。この記事では、パフォーマンス評価テンプレートがフィードバックのプロセスの簡素化と改善にどのように役立つのかに関して解説します。

パフォーマンス評価という言葉を聞くと、新人として初めて責任重大な立場を任せられたときのことを思い出すのではないでしょうか。どのような形式で話し合いが進むのかがわからず、また、何について話をするのかもわからずに、個別の面談 (1on1) を前に緊張に襲われたことがあるはずです。しかし、現在はマネージャーの立場になり、異なる視点で物事を見られるようになったため、よりポジティブに話し合いを進められることでしょう。

パフォーマンス評価は、フィードバックのプロセスに土台を与え、このプロセスを見える化できるため、とても重要です。また、過去のミスではなく、今後の目標に改めて注目できる利点もあります。この記事では、目標設定ソフトウェアを用いてパフォーマンス評価テンプレートを作成することで、成長中のチームをサポートする方法をご紹介します。

パフォーマンス評価とは?

パフォーマンス評価とは、過去の仕事ぶりに基づいてチームメンバーを評価するための正式な確認プロセスです。パフォーマンス評価では、今後の成功を導くため、フィードバックを提供します。パフォーマンス評価はパフォーマンスレビューと呼ばれることもあり、通常は四半期、半年、または 1 年に一度のサイクルで行われます。

パフォーマンス評価では、各メンバーの総合的なパフォーマンスを確認し、取得を目指す能力やスキルを分析します。あなたとチームメンバーは、当該のメンバーがよくできたことや、改善の余地のある領域を具体的に挙げて、過去のパフォーマンスを振り返ります。バーチャルパフォーマンス評価ソフトウェアを使用する企業もありますが、専用の人事管理ツールを使わずにパフォーマンス評価を実施することも可能です。

自分の仕事を振り返る機会としてパフォーマンス評価を行う

パフォーマンス評価は、成長する機会を得られる場です。各メンバーのインパクト、メンバーがそれぞれの役割において進歩するためにやるべきことについて、話し合う絶好のチャンスなのです。

大半のパフォーマンス評価テンプレートには、自分でパフォーマンスを評価する項目が含まれます。自らパフォーマンスを振り返ることで、功績と今後の目標をマネージャーに伝え、キャリアを前進させるチャンスをメンバーは得られます。その後、パフォーマンス評価では、メンバーに何がうまくいっていると思うのか、改善の必要があることは何なのかを尋ねます。こうすることで、取り調べのような雰囲気を緩和し、話し合いを介して評価を進められるようになります。

Asana で目標を設定し、達成する

どのようにパフォーマンス評価を作成すればよいのか?

パフォーマンス評価テンプレートは、標準化された形式を持つため、形式に従いながら評価プロセスの準備に取り組めます。チームの目標に照らし合わせてテンプレートを調整する必要はありますが、必ず事前にテンプレートをメンバーに見せて、何を話し合うかについて理解してもらいましょう。こうすることで、メンバーは準備を整え、評価の場で今後の目標ついて積極的に話し合えるようになります。また、従来の一方通行のパフォーマンス評価の形式と比べ、双方向的なアプローチはプレッシャーをある程度緩和する効果があります。

8 つのステップでパフォーマンス評価テンプレートを作成する方法

1. コアコンピテンシーを特定する

パフォーマンス評価テンプレートでは、できるだけチームメンバーのニーズに合わせたいところですが、全メンバーに対して公正な評価を下すため、テンプレートを標準化する必要があります。つまり、どのコンピテンシー (スキルや能力) が部署全体において最もプラスに働くかを考慮しなければなりません。

以下に、各種のチームの役割に対して計測可能なコアコンピテンシーを挙げます。

  • 職業技能の知識

  • 仕事の質 / 量

  • 顧客対応スキル

  • 勤怠

  • 積極性

  • 包括性

上記のカテゴリに加えて、具体的な目標設定や追加のディスカッションを評価フォームに盛り込めます。こうすることで、メンバーと個別に面談を行う際に各チームメンバーの状況を考慮した話し合いを進められるようになります。

ヒント: 各カテゴリの下にサブコンピテンシーを追加すれば、より詳細な評価を実施できます。たとえば、「仕事の質 / 量」コンピテンシーに対しては、質を改善する方法を考える、職務をすべて遂行する、目標を達成する、締め切りに間に合わせるなどのサブコンピテンシーを加えられます。

2. 評価の尺度を選ぶ

パフォーマンス評価テンプレートで使用するコンピテンシーを選択したら、続いて、チームメンバーをどのように評価するかを決めます。評価尺度には主に次の 2 つの有用性があります。

  1. 成功と長所、改善の機会を話し合うための共通の基準を得られる。

  2. 振り返る対象を与え、チームメンバーのキャリアの成長を確認できる。

ただし、可能ならば数値の尺度は避けたいところです。尺度に数値を用いると、メンバーはコンピテンシーよりも、「成績」を上げることに腐心してしまうためです。評価の尺度には、メンバー全員にとってわかりやすい尺度を用いる必要があります。

評価尺度の例:

  • 期待を上回る

  • 期待を上回ることがある

  • 一貫して期待に沿う

  • 改善が必要

評価尺度の意味についてチームで共通認識を持ちましょう。たとえば、メンバーによっては「一貫して期待に沿う」を異なる意味で捉える可能性があります。全員に同じ解釈をしてもらうことで、評価時に健全で生産的な話し合いを行える環境が整うのです。

3. 評価サイクルを定める

評価サイクルを定めると、あなた、そして、チームメンバーは次回の評価までの準備時間を把握できるようになります。一般的には、四半期、半年、あるいは 1 年に一度のサイクルで評価を行いますが、企業が事前にサイクルを定めていることもあります。選択できるなら、職場の特性に応じてサイクルを決定しましょう。たとえば、無干渉主義が浸透しているなら、1 か月に 1 度のサイクルでパフォーマンス評価を行い、チームメンバーが頻繁にフィードバックを得られるように工夫できます。反対に、コラボレーションが浸透しているなら、頻繁にレビューを行う必要はありません。

評価対象の期間によって、短期の目標を取り上げるべきか、または長期の目標に絞るべきかが決まります。たとえば、四半期ごとの評価は、次回の評価までに充分に時間があるため、チームメンバーは過去のフィードバックを考慮した上で、設定した目標に取り組めます。評価サイクルを決めたら、今後の予定をメンバー全員が把握できるように、スケジュールを守ることが重要です。

ヒント: 次回の評価までの時間を使って、実際のパフォーマンスを観察し、キャリア開発の機会を提供できます。チームメンバーがパフォーマンスの目標を達成できるようにサポートすることで、チーム全体が恩恵を得られます。

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4. 質問のリストを作成する

パフォーマンス評価テンプレートの基礎を理解したら、次に各チームメンバーとの個別面談の準備を進めます。これらのミーティングでは、話し合いを前進させる上で役に立つ、質問のリストを用意しておきたいところです。次のような質問を検討するとよいでしょう。

  • この四半期で満足していることは何ですか?

  • どの目標を達成しましたか?どの目標を達成できませんでしたか?

  • 仕事の面で成長するため、次の四半期で力を入れたいことをいくつか挙げてください。

評価面談のプレッシャーを緩和するため、チーム全員に同じ質問をしましょう。

ヒント: 仕事の面での進歩と目標について考えるきっかけを与える質問を選びましょう。パフォーマンス評価の査定システムは、長期間における比較を行う上で便利ですが、チームメンバーが課題を言葉で表現し、功績について満足感を得られるのは話し合いの場です。

記事: チームを成功させるために役割と責任を確立する 4 つの方法

5. 事前に質問を共有する

パフォーマンス評価ミーティングに向けた準備をチームメンバーに促すなら、事前にパフォーマンス評価を行うこと、そして、ミーティングの内容を正確に伝えるべきです。用意した質問を事前に共有すれば、メンバーは質問の答えを考える時間を得られます。その結果、緊張は緩和され、面談の場で意見を出し合い、建設的な話し合いを行えるようになります。

また、パフォーマンス評価の形式をチームメンバーに伝え、どのような流れで話し合いが進むのかをメンバーに知らせることもできます。たとえば、最初にメンバー自身にパフォーマンスを振り返ってもらうのか、それともチームリーダーが話し合いを主導するかなどの選択肢があります。

ヒント: チームメンバーに事前に質問事項を伝えるほかにも、評価期間中の功績について尋ねておき、どのような流れで評価ミーティングが行われるのかを教えることができます。

6. 話し合う

通常のミーティングとは別に、パフォーマンス評価用のミーティングを行う時間も確保しましょう。チームメンバーと個別に 30 分~45 分間を目安に面談を行う計画を立て、可能ならば、一週間前にメンバーにパフォーマンス評価の面談を行うことを伝えて、準備の時間を与えるべきです。

ヒント: 面談中は必ずチームメンバーに意見を求めましょう。過去のパフォーマンスと今後の目標に関する共通の質問に加えて、あなたのマネジメントスタイル組織文化のフィードバックを求めるとよいでしょう。また、長期的に会社のどの部署で成長したいのか、あるいはスキルを磨く意思があるのかを尋ねる手もあります。

記事: フィードバックをするのが苦手な人のためのヒント 20 選

7. 目標設定のフレームワークを作成する

評価面談中にチームメンバーに質問を尋ねたら、続いて、目標設定に移ります。パフォーマンス評価を目標設定で結ぶことで、チームメンバーは次回の評価までに取り組むべき課題を明確に理解できます。SMART 目標OKR のいずれかの方法で目標を設定しましょう。

SMART 目標:

  • Specific (具体的)

  • Measurable (測定可能)

  • Achievable (達成可能)

  • Realistic (現実的)

  • Time-bound (期限がある)

OKR:

目標 1

  • 主要な結果 1

  • 主要な結果 2

  • 主要な結果 3

フレームワークをチームメンバーに提供したら、あなたはアシスト役に徹し、メンバー自身に目標を考えてもらいましょう。

ヒント: 目標設定をチームメンバーに主体的に行ってもらうことで、メンバーは今後の成長を自分で決められると自覚するようになります。また、このアプローチは形式的な雰囲気を軽減するため、前向きに面談を進められます。

8. フィードバックを歓迎する

マネージャーとしてのパフォーマンスを必ずチームメンバーに尋ね、継続してメンバーのニーズを満たす努力をするべきです。個別面談では、チームメンバーが正直な意見を伝えることに躊躇するかもしれません。そのため、偽りのない意見を求めているなら、以下の方法のいずれかを用いて、匿名でフィードバックをもらうアプローチを検討しましょう。

  • 匿名アンケートを送信する

  • 実物の、またはバーチャルの目安箱を設置する

  • チーム全員参加のフィードバックミーティングを開く

ポジティブな意見であれ、ネガティブな意見であれ、チームメンバーのフィードバックには必ず耳を傾けることを強調しましょう。フィードバックを活用し、マネージャーとしてさらに成長して、今後のパフォーマンス評価を改善に導くことが期待できます。

ヒント: フィードバックをもらうことに苦労しているなら、同じ立場の同僚にどんな手法を用いているのか尋ねましょう。評価テンプレートに関する戦略やアイデアを他のマネージャーから聞き出せるかもしれません。パフォーマンス評価フォームにおいて、あなたの部署と重複する領域がある場合は、アイデアを拝借しましょう。

記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツ

パフォーマンス評価テンプレート (実例付)

以下に、入力済みのパフォーマンス評価テンプレートの例を挙げます。このテンプレートをメンバーに提供し、自己評価用のテンプレートとして使ってもらえば、仕事の進捗や今後の目標について有意義な話し合いができるでしょう。

チームメンバー用パフォーマンス評価テンプレート

このパフォーマンス評価テンプレートの空白版を下のボタンでダウンロードし、企業や部署向けにカスタマイズできます。

無料のパフォーマンス評価テンプレート

効果的な個別面談でチームの信頼を得る

パフォーマンス評価テンプレートは、対面式の会議中にメモを取る際に便利ですが、多くのチームがリモートワークに移行しているため、オンラインソフトウェアが今まで以上に役に立つ環境が整いつつあります。バーチャルの個別ミーティングのスケジュールを決めて、チームメンバーの力になりたいこと、いつでも話し合いに応じることを明確に示しましょう。この類のミーティングは、気軽にフィードバックを送ったり、心理面での安全性と信頼を築いたりする上で有効に働きます。部下と信頼関係を築くことで、重要なパフォーマンス評価の話し合いを成功に導く条件が整うのです。

オフィス勤務であっても、個別ミーティングの機会を利用して、常にチームメンバーとのつながりを確保するべきです。

[リストビュー] Asana の会議の議題テンプレート、スプレッドシート式ビュー

個別面談では、チームメンバーがディスカッションの内容を選べます。あくまでもメンバーを主役に据えるべきです。30 分間をメンバーに自由に使ってもらいましょう。緊張をほぐすため、好きなテレビ番組について話し始めるメンバーもいるかもしれません。一方、まじめにブレインストーミングを実施したり、問題を一緒に解決したりすることを望むメンバーもいるでしょう。

パフォーマンス評価が重要な理由

パフォーマンス評価は、マネージャーとチームメンバーの双方にとって重要です。これは、仕事が忙しくなると、コミュニケーション不足が発生するためです。さまざまな場面で「がんばりましたね」と褒める行為も有効かもしれませんが、チームメンバーに期待通りに成長してもらうためには、メンバーと顔を合わせて個別にフィードバックを行う時間を取る必要があります。

パフォーマンス評価のメリット

パフォーマンス評価は次のメリットをもたらします。

マネージャーが得られるメリット:

  • 報酬など雇用待遇に活かせる有益な情報を得られる

  • マネジメントスタイルに関するフィードバックを得られる

  • チームメンバーの最新の健康状態を知ることができる

チームメンバーが得られるメリット:

  • リーダーとのコミュニケーションを改善できる

  • 懸念を伝えられる安全な場所を確保できる

  • 個人のパフォーマンスに関するフィードバックの機会を得られる

パフォーマンス評価は、大きなストレスを伴う可能性がありますが、チームメンバーの士気を高め、改善方法を明確に示すことができます。有意義なパフォーマンス評価は、チームメンバーとの長期的な信頼関係の構築に役立ち、またメンバーのキャリアを支援する効果も見込めます。

目標設定ソフトウェアを介してパフォーマンス評価を強化する

Asana の目標設定機能を用いることで、チームメンバーはそれぞれの仕事に関する最新の情報を頻繁に得られるため、メンバーはプレッシャーが軽減された状態でパフォーマンス評価に臨めるようになります。

目標設定は、今後の進歩に焦点を絞るため、パフォーマンス評価プロセスにプラスに働きます。進歩を実際に目にすることで、チームメンバーは最高の仕事をするために、さらに力を入れたいと感じるのです。

Asana で目標を設定し、達成する

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