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プロジェクトマネジメントにおける代表的なフレームワーク「ガントチャート」。この記事では、数多くあるプロジェクト管理フレームワークの中でも人気が高いガントチャートの作り方やメリット、WBS との違いなどの基本知識について詳しく解説します。
更新: この記事は、WBS とガントチャートの違い、使用時のポイント、作成するときに使えるツールに関する記述を含めて 2022年 12月に改訂されました。
ビジネスシーン、とりわけプロジェクト管理の現場では、よく「ガントチャート」という言葉を耳にすることがあります。しかし、それが具体的にどのようなものか、どう作成するのかを知らない方も多いのではないでしょうか。ガントチャートは、プロジェクトの進捗管理によく利用されるものであり「https://asana.com/ja/resources/process-management」「スケジュール管理表」とも言われます。
この記事では「ガントチャート」とは何か、その定義や使用目的、作成方法、メリット、デメリット、WBS との違いを徹底解説します。ガントチャートの基本をマスターして、今後のプロジェクトマネジメントに役立てましょう。
プロジェクトのタイムラインを Asana で設定するプロジェクトを計画する際は、祝日がすでに記載されているカレンダーを使って効率的に行いましょう。詳しくは『2023年カレンダーを活用してプロジェクトカレンダーを作る』記事をご覧ください。
「ガントチャート (Gantt chart、Gantt-Diagramm)」は、作業工程や進捗を管理する際に用いられる表です。「計画表」「進行表」「工程表」などと呼ばれることもあります。チャートは縦軸がタスクや担当者、開始日 / 期日など、横軸が日時や進捗率となっており、各タスクから伸びる横長の棒グラフ (バー、ガントバー) が作業の期間や進捗を示しています。
規模が大きいプロジェクトにおいて、「誰が、いつ、どの作業を行っているのか」の把握は困難です。その点、ガントチャート工程表を用いれば、プロジェクトの全体像を一目で把握できます。こうした点が評価されて、プロジェクト管理や生産管理の場で積極的に活用されています。
ガントチャートとは、時間を横軸に、作業内容を縦軸に配した棒グラフ状の一覧表のことです。特定の作業における工程ごとに開始日と完了予定日を帯状に記したもので、これを見るだけで作業リストとそのスケジュールがわかり、現状把握ができます。
例えばWebサイトでトップページをリニューアルするプロジェクトがあった場合、作業内容として「ページ構成」「デザイン制作」「コーディング」「テスト」「レビュー」などを縦軸に配置し、それぞれに必要な工数見積を棒グラフ上に配置していきます。棒グラフの右端の日付がプロジェクトの完了予定日になります。
ガントチャートは組織によっては「スケジュール表」と呼ぶところがあるように、主にスケジュール管理を行う目的で使います。
ただし、単純にスケジュール管理をするだけの表ではありません。一覧化することで全体のプランが可視化されるため、今どの工程に入っているかなどがわかりやすくなり、チームメンバー間で情報を共有するときにも便利です。また作業項目同士の関連を把握するときにも有効的に使われます。
タイムラインテンプレートを作成ガントチャートには通常、次の項目が含まれます。
タスクの日付との期間
タスク
タスクの担当者
マイルストーン
また、多くの場合、ガントチャートは、プロジェクトタスクの依存関係、担当者、日程が近い重要な締め切りやマイルストーンなどの追加情報も提供します。ダイナミックなガントチャートを使えば、チームメンバーは、自分の担当業務や、自分の仕事がプロジェクト全体にどのような影響を与えるのかを、一目で確認できるようになります。
プロジェクトのスケジュール表として人気がありますが、そもそもガントチャートの起源はいつ頃まで遡るのでしょうか?最も古いガントチャートは、ポーランドの経済学者 Karol Adamiecki 氏により発明されました。1896年に考案されたこのチャートは harmonogram と呼ばれます。Adamiecki 氏は調査結果をロシア語とポーランド語で出版しましたが、英語圏の国からこの情報にアクセスするのは困難でした。その後 1910年に、Henry Gantt (ヘンリー・ガント) 氏が独自に米国で同様のチャートを普及させます。こちらは工場で働く労働者が、与えられたタスクにどれくらいの時間を費やしたかを表すために考案されたものでしたが、後にこれらの 2 つのシステムは統合され、私たちが知る現代のガントチャートが生まれました。
工場で働く従業員の仕事を追跡することから始まったガントチャートは、その後プロジェクトのスケジュールを追跡する方法となり、普及していきます。初期のものは紙に描かれていたため、スケジュールが変わったときはいつもチャートを書き直さなければなりませんでした。その後、プロジェクトマネージャーたちは紙切れやブロックを使用してガントチャートのバーを表し、必要なときにそれらを動かせるように改善。現在では、ワークマネジメントツールをはじめとするクラウド型ツール上で用いられるのが一般的となっています。
電子書籍をダウンロード: ワークマネジメントとは?チームがワークマネジメントを必要とする理由ガントチャートと WBS は、どちらもプロジェクトの進捗を管理する用途で作成されますが、それぞれのメリットや特徴は違います。何がどのように違うのでしょうか?
WBS とは、Work Breakdown Structure の略です。日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。WBS はプロジェクト全体をおおまかな項目に分解することから始まります。この項目をさらに細かく分割して、最終的には具体的な作業項目単位まで細分化し、「親タスク」「子タスク」の関係を構築します。開発の現場ではよく使われる方法ですが、このように最終的な作業項目は自然と構造化されたものになり、ツリーの形に表すことが可能です。
全体の作業内容を”見える化”できる、作業ボリュームがわかるので工数を見積もれるなどのメリットがあり、プロジェクト全体を俯瞰し、作業の抜け、漏れを防ぐ目的で作成します。
WBS はプロジェクト管理においては基本となる作業ですが、あくまで「タスクの一覧表」です。そこで登場するのがガントチャートで、細分化した作業項目を可視化するために利用します。WBS とガントチャートを混同する人もいますが、WBS で見出した作業項目を縦軸にして作り出した表がガントチャートになるのです。つまり、WBSはガントチャート工程表の前段階の作業と言えます。
現在はオンラインソフトウェア上で使われることが多いガントチャートですが、その主な機能とメリットをご紹介します。
・プロジェクトの見える化ができる
・マイルストーンを明確化できる
・リアルタイムチャートとして機能する
・各タスクの視覚化に役立つ
・タスク間の依存関係を把握できる
ガントチャートを使う一番のメリットは、プロジェクトの計画全体が「見える化」できることです。自分が関わっていない工程であっても、ガントチャートを見れば現在どの段階にあって、どんなスケジュールで進んでいるのかが一目でわかり、プロジェクトが計画通り進んでいるかどうかを把握できます。
プロジェクトを企画する際には計画書を立てますが、進捗状況が思わしくない場合には書かれた計画を立て直す必要も出てきます。その判断を下す目安を可視化しているのが、ガントチャートなのです。
このメリットを最大限活かすには、効率的な方法で関係者と共有しましょう。プロジェクト管理プラットフォーム Asana なら、リアルタイムで更新されるガントチャートをチーム全体で共有できます。
Asana のプロジェクトマネジメント機能を試すガントチャートで管理されるプロジェクトの主要な特徴のひとつが、このマイルストーンです。チャート内にある仕事の大半は時間の長さを表す水平のバーですが、マイルストーンはそれらとは異なり、時間軸上の一時点を明瞭に表します。ガントチャートでは、マイルストーンはプロジェクトのタイムラインのチェックポイントであり、重要な節目です。マイルストーンを設定することにより、プロジェクト全体の中で重要な日付が一目でわかるようになります。
現代のガントチャートのほとんどは、クラウドサービスのプロジェクト管理ソフトウェアツールです。オンラインで管理されているものは順調なプロジェクト進行に役立ち、必要に応じて容易に調節できます。日付などのデータを変更するときやマイルストーンを動かす際は、自動的にこれらの変更を反映するので、逐一レポートをシェアする必要はありません。チームメンバーやステークホルダーはプロジェクトの最新進捗情報をリアルタイムで把握できるからです。そうすることでチームのコラボレーションも向上し、生産的かつ効率的にプロジェクトを進めることができるのです。
ガントチャートは多くのタスクが含まれる複雑なプロジェクトの視覚化に理想的です。横軸にあるそれぞれの「バー」はタスクを表していますが、これを使ってチームは各タスクの開始日と終了日を一目で把握できるだけでなく、どの仕事がいつ起こっているか、各仕事にどのくらいの時間がかかるか、明確な感覚を得ることができます。
視覚的かつリアルタイムチャートであるガントチャートは、タスク間の依存関係を容易にマッピングできます。依存関係を把握することは、プロジェクト全体の進捗状況を理解するのに非常に重要です。優れたソフトウェアで管理されているガントチャートであれば、明確に依存関係を識別できるでしょう。何らかの理由で仕事を後回しにする必要がある場合は、事前に問題を特定し、依存関係の競合を回避することも可能となります。
ガントチャートは必ずしもすべてのプロジェクトに最適なわけではありません。自分のプロジェクトにこのフレームワークが適切かどうかをより正しく判断できるよう、デメリットをいくつかご紹介します。ガントチャートの注意点は何か?作成前に確認しましょう。
ガントチャートの設定には時間がかかります。作業内容を分割してタスクを洗い出す必要があるため、プロジェクト責任者にとっては手間も時間も必要です。
特に、エクセル (Microsoft Excel) やスプレッドシートを使う場合は、ガントチャートのビューで仕事をセットアップするのにかなりの時間を要します。テンプレートを使う場合でも、特定のニーズに合わせてカスタマイズするためには、調整を加えることが必要になる場合があります。
設定が簡単なうえ、個々のニーズに合わせてカスタマイズ可能な Asana のガントチャートテンプレートなら、設定に時間を割くことなく作成することができます。
ガントチャートテンプレートを作成マイルストーンの細かいステップやファイル、作業内容の詳細などをガントチャートでプロジェクト計画に加えると、それまで見やすいチャートだったのが一変、圧倒されるような混乱だらけのビューになってしまいます。見やすいガントチャートを目指すには、表示する情報は厳選するようにしましょう。
また、登録タスクも増やしすぎないようにしましょう。プロジェクトの全作業工程を網羅することにこだわり、細かなタスクまで 1 工程としてしまうと、確認や更新に必要以上の手間がかかります。ある程度内容の被る作業や連続する作業は、1 つのタスクにまとめるべきです。
ガントチャートを作成した場所 (ツールやプラットフォーム) と毎日のタスク管理を行う場所が異なるという状況は珍しくありません。しかし、情報源が複数あるというシチュエーションはチームに混乱を招く恐れがあり、効率性が下がります。チーム全員が信頼できる情報源はひとつに絞り、すべての情報を一か所にまとめておくのがおすすめです。
ガントチャートは短期的なプロジェクトよりも長期的なプロジェクトで活用するほうが有用です。さらにウォーターフォール型と呼ばれる各工程を終わらせながら進めていく開発手法との相性はよいですが、最近増えているアジャイル型の開発手法には適していません。アジャイル型では、計画の変更があるという前提で作業を行うので、ガントチャートを用いるとかえって手順が煩雑になるでしょう。
1. 時間範囲を定義する
2. 開始日と期日のあるタスクを追加する
3. 依存関係を明確にする
4. マイルストーンを明確にする
5. 計画の変更に合わせて仕事を調整する
プロジェクトのスケジュールをバーグラフで追跡して、正確なタイムラインや進捗を確認できるガントチャート。タスク間の依存関係を明確にし、プロジェクトのマイルストーンをピンポイントでチェックできるソフトウェアを使うようにしましょう。
では、ガントチャートのやり方は具体的にどのようなものなのでしょうか?ここでは、作成時に必ず実行すべき 5 つのステップに沿ってご紹介します。見やすいガントチャート作成ができるよう、ひとつひとつ確認してみてください。
ガントチャートは開始日と終了日があるプロジェクトで使います。プロジェクトをタイムラインで書き表すのがガントチャートだと考えましょう。タイムラインには、始まりと終わりが必要です。
ヒント: プロジェクトには明確な終点があるべきですが、ゴールに到達した後も、クライアントとの間に何らかのフォローアップタスクが発生する可能性があります。そのようなアイテムについては、後から日付を追加しなくてはいけない場合があります。
広範なプロジェクトのタイムラインの中で、ガントチャートに開始日と終了日が指定されたタスクを組み込むと、バーグラフとして可視化できるので、その効果が最も発揮されます。タスクの開始日を追加しないと、タスクは時間の流れの中の一点として表示されるため、全体像の中で可視化することが難しくなります。
ヒント: 開始日と終了日を明確にすることで、チームはいつからそのタスクに取り掛かるべきかを容易に把握できます。そうすれば、明日締め切りの大きなプロジェクトに不意を突かれることもなくなります。
このような大きなプロジェクトでは、他のタスクが完了するまで開始できないタスクがあるのは当然のことです。プロジェクトをスムーズに進め、すべてのチームの足並みを揃えるために、ガントチャートでタスク間の依存関係を可視化できます。
下の例では、製品ブログの記事を公開できるかどうかは、ブログ記事の推敲に依存しており、推敲もまた記事のドラフト作成に依存しているのです。同様に、メールキャンペーンもメールの下書きを書き終えてからでないと開始できません。これらのタスクの間に依存関係の線を引くことで、次のチームがプロジェクトのどのフェーズで作業を開始できるかを常に把握できるようになります。
ガントチャートの多くのタスクと異なり、マイルストーンは時点が固定されています。マイルストーンは、大きな仕事のピースが完了したことを示すチェックポイントと考えましょう。これによってチームは優先すべきものを確認できますし、マイルストーンの達成は、成果を祝うよい機会になります。
ヒント: マイルストーンはプロジェクトの各フェーズの最後に設定されることが多いですが、チームやプロジェクトによって異なるため、マイルストーンの作成方法は一つに限られているわけではありません。マイルストーンの例としては、以下のようなものが考えられます。
会議
プロジェクトの承認
タスクの開始点
フェーズの中間チェックイン
フェーズの終点
計画は必ず変わるものです。あなたのニーズに柔軟に適応できるガントチャートソフトウェアが必要なのはそのためです。タスクを簡単にドラッグ & ドロップし、依存関係をリアルタイムで自動的に更新できるツールを探しましょう。そうすれば、計画が変化しても常にプロジェクトを順調に進めることができます。
Asana でプロジェクトを計画するここからはガントチャートを使うときのポイントについて解説していきます。以下のポイントを押さえておくと、いざというときに慌てなくてすむでしょう。
・作業の洗い出しをしておく
・修正を見越してチャートを作る
・作業同士の関係性をわかりやすくする
・最適な方法で共有する
前述したとおり、WBS で導き出した作業項目がガントチャートでの縦軸に該当します。もちろん WBS を意識せずに作業の洗い出しをすることも可能ですが、必要な項目を入れ忘れる可能性も少なくありません。慣れるまでは WBS を利用した基本的な手順で作業を細分化したほうが精度も上がります。WBS を省けば作業時間の短縮につながると考える方もいますが、工数管理や見積もりを正しく行うことで結果的には無駄なくプロジェクトを進めることができるでしょう。
一度作図した後に、仕様変更による作業内容の見直しや、スケジュール、工数の変更などが発生する場合があります。そのため、修正を前提にして作成するようにしておきます。例えば作業面から見ると、あまり凝ったものを作らずにシンプルなものにしたほうが修正するときに楽になり、時間の節約にもなります。
ガントチャートでは、ある作業項目を開始するためには、その前段階の作業項目を完了しておく必要があるケースも見られます。そのため、逐一、チーム内で進捗状況の把握をしておくことが重要になります。
このような作業同士の関連性を正確に掴むためには、クリティカルパスを把握しましょう。クリティカルパスとは、それぞれの作業経路を結んだときに最長となる作業のことです。クリティカルパスをガントチャート内に明示することで、プロジェクトの時間短縮を検討したり、タスク間の関係やどの作業を最優先で行うべきかを明確にすることができます。
クリティカルパスを見つけるためには、PERT 図(アローダイアグラム)と呼ばれる図を作成します。アローダイアグラムは新 QC7 つ道具の 1 つにも挙げられているもので、スケジュールを進めるために必要な作業項目と工数の関連を矢印でつないで表したものです。そこから最も早く作業に取り掛かれる日数 (往路時間計算) と、プロジェクトが遅延しないために許容できる、最も遅く作業に取り掛かれる日数 (復路時間計算) を算出しますが、その 2 つの日数の差がないルートがクリティカルパスになります。
共有サーバーやクラウド上で一元管理をすると、ファイルの修正がリアルタイムで行え、また全員で同じファイルを参照できるため便利です。ローカルで管理をしてしまうと、最新版に修正した際、全員にメールで知らせる必要が生じたり、各人が差し替えを忘れたりといったミスが生じやすくなります。また全員でファイルを修正できる運用にすると、一度修正したものを戻されてしまうなどのリスクが生じます。管理者を決めて修正するようにしたほうが安全です。自動でチャートを作成できる専用ツールやサービスを利用すると、修正の手間を削減できます。
ガントチャート工程表の作成に関しては、紙に手書きで作る手段もあるにはありますが、ツールを活用したほうが時間もかからず、応用も利きやすいのでおすすめです。以下に、チャートの作成に便利なツールを紹介します。
・Excel
・各種管理ツール (ガントチャートツール)
近年、さまざまなプロジェクト管理ツールが登場していますが、実は Excel でもガントチャート工程表の作成が可能です。もちろん使い勝手や作成の手軽さは、専用ツールのほうが優れていることがほとんどでしょう。
しかし、「使い慣れたツールで管理したい」「Excel の扱いに習熟している」という方にとっては、十分な選択肢になり得ます。Excel でガントチャート工程表を作る方法としては、以下の 5 つが挙げられます。
手書きでセルを塗りつぶしてガントバーを描く方法です。作り方はとても簡単で、タスクを縦軸、カレンダー (日付) を横軸に設定したら、各タスクの開始日 / 期日を決めて、その部分のセルに色を付けるだけです。初回作成時はかなり時間がかかりますが、2 回目以降はテンプレートを残しておけば比較的簡単に作れます。何より Excel 初心者でも作成できる点と、スケジュール変更が容易な点が魅力です。
こちらは、該当箇所に図形 (矢印など) を挿入してガントバーを描く方法です。作り方は先ほどと基本的に同じで、セルを塗りつぶす工程が図形挿入に代わっただけです。初心者でも簡単に作成でき、なおかつセルを塗りつぶすより時間も少なく済むでしょう。
ただし、図形を引き延ばして貼り付けるので、タスクによっては図形の太さがまちまちになります。太さを統一したい場合は、図形を右クリックから [図形の書式設定] → [サイズ] の順に選択し、高さを同じにしましょう。とはいえ、この作業には時間がかかるので、太さの違いが気になる方にはおすすめできません。
Excel の「条件付き書式」という数式を使って、自動でセルを塗りつぶす方法です。数式を組み立てることで、日付を入力するだけでガントバーが描かれるようになります。そのため、複数のタスクがあるときや、スケジュール変更が多いときに、特に役立つでしょう。詳細な設定方法はここでは省きますが、初心者でも基本設定は行えるでしょう。なお、ガントバーの色分けや書式変更をするには、Excel の数式を扱い慣れている必要があります。
関数を用いたガントチャートの作成も可能です。しかし、関数ではセルの塗りつぶしや図形の配置ができないため、「※」や「■」などの記号でガントチャートを表すことになります。やや見栄えが悪く、カスタマイズにも関数の調整が必要なため、特別な事情がない限りはほかの方法を採用したほうがよいでしょう。
タスク名、開始日 / 期日、工数をそれぞれ記入した表から、グラフを作成する方法です。グラフによって作成されたチャートは洗練されて見えるので、プレゼンや顧客用の資料に向いています。とはいえ Excel のグラフは、ガントチャート工程表の作成に適するわけではないので、Excel の知識や工夫が必要です。また、追加や修正にも時間を要するため、普段使いにはあまり向きません。
多くのタスクや To-Do、プロジェクトなどを管理するツールでも、ガントチャート工程表を作成できます。これらのツールの特長として、ガントチャート工程表以外にも便利な機能を多数備えているため、プロジェクト管理全体に活用できる点が挙げられます。プロジェクト管理において包括的なサポートを求めるなら、検討するとよいでしょう。
Asana でも「タイムライン」という機能を使って、ガントチャート工程表のようにプロジェクトを管理することが可能です。タスクに開始日 / 期日と依存関係を追加することで、自動的に作成されるタイムラインは、ガントチャート工程表の作成の手間を大幅に削減してくれます。
記事: Asana の 4 つのビュー (リスト、ボード、カレンダー、タイムライン) を使用する方法ガントチャートはさまざまなプロジェクトやプログラムに使用できますが、一般的な活用例をいくつか見て、ガントチャートが使われる理由を理解しておくとよいでしょう。以下に 3 つの活用例を示します。
複雑なプロジェクトを作成し、管理する: プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、管理しなければならないタスクは多くなります。ガントチャートを使えば、プロジェクトマネージャーはプロジェクトを簡単に視覚化し、小さなタスクに分割できます。
タスクの依存関係をモニタリングする: プロジェクトに遅れはつきものです。プロジェクトマネージャーはガントチャートを使って、タスクの依存関係を自動化し、前のタスクが終了するまで次のフェーズやタスクが開始されないようにモニタリングできます。
プロジェクトの進捗を把握する: ガントチャートで進捗状況やマイルストーンをモニタリングすることで、必要に応じて簡単にプロジェクト計画を調整できます。
ガントチャートの一般的な使い方を 3 つご紹介します。
規模の大きなマーケティングキャンペーンはたくさんのコラボレーションと調整が必要で、進行中の仕事の現状を見失いやすくなります。ガントチャートは担当者が割り当てられている一連のタスクとそれぞれにかかる時間の概略を示すことでプロセスを合理化します。これにより、チームは誰が何を担当しているのかということに限らず、それぞれの仕事がどのようなかたちで他の仕事やより大きな目標に影響するのかということも知ることができます。
ガントチャートは、クライアントにすべての成果物のタイムラインを提示し、それぞれの暫定所要時間を設定するのに役立ちます。このように計画の概要を開示することで、成果物の完成に必要な作業とそれぞれに要する時間を関係者やクライアントに提示できるので、クライアントは納品日だけでなく、いつ作業が行われているのかも知ることができます。
製品リリースの場合は、検討段階からリリース、そしてその先にいたるすべてを綿密に計画するためにガントチャートを使用すると便利です。これをガントチャートで視覚化することで、作業を開始する前に競合する箇所を簡単に発見し、ステップ間の依存関係を確認し、リリースまでに行われるすべてのステップとそれがいつ行われるのかを示す明確な概要を得ることができます。
ガイドをダウンロードする: Asana による製品リリースの完全ガイド従来のスプレッドシートを使ったガントチャートでは、さまざまな制限やデメリットが目立ちました。そこで、このフレームワークの効果的な使い方を 2 通りご紹介します。
Asana のようなワークマネジメント・プロジェクト管理ツールを使うと、プロジェクトの計画、管理、調整、詳細の追加がすべて単一の場所で行えるようになります。しかも、全体をセットアップする時間もずっと短くなります。
記事: ワークマネジメントの紹介たとえば、ガントチャートのようなビューを提供する Asana のタイムラインを使ってプロジェクト計画を設定すれば、プロジェクトのすべてのピースがどのようにかみ合うのかを綿密に計画できます。ガントチャートと同じように、タイムラインには各ステップの実施のタイミング、所要時間、担当者が表示されます。従来のガントチャートと異なる点は、タイムラインのセットアップとメンテナンスが簡単で、チームは仕事を計画したのと同じ場所でコラボレーションができる点です。
管理する仕事の種類によっては、タイムラインでプロジェクト計画を可視化する代わりに、よりシンプルでセットアップが簡単なカレンダーやかんばんボードのほうが有効な場合もあります。
記事: プロジェクト計画を視覚化する 3 つの方法: タイムライン、カレンダー、ボードAsana では、ツール上で簡単にプロジェクトビューを切り替えられ、どのプロジェクトも、タイムライン、To-Do リスト、かんばんボード、カレンダービューで表示し、チームの好みの方法で仕事を確認できます。Premium の無料トライアルでは、これらのビューをすべてお試しいただけます。
プロジェクト管理手法のひとつ「ガントチャート」について解説しました。ガントチャートとは何か、そのメリットやデメリット、採用すべきシチュエーションなどを把握して、適した場面で使用するようにしましょう。ご紹介した 5 つのステップも参考にしてみてください。
ガントチャートを使うことになっても、類似の代替ツールを使うことになっても、プロジェクト計画を視覚化することは、どんなチームにとっても大切なステップです。プロジェクトの各要素がどのように組み合わされているのかを表示し、それをチームと共有し、仕事の進捗に合わせて計画を調整できるので、すべてを順調に進められます。これを手作業で行うのは至難の業です。優れたマネジメントツールを使用しましょう。