退職面談: 改善のヒントを得るための 7 つの質問 (テンプレート付き)

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2024年2月27日
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概要

退職面談とは、退職すると決めた従業員と会社とが持つ会話の場を指します。貴重なインサイトを得るために何を聞いたらよいかを見ていきましょう。チームメンバーが正直なフィードバックを言えるような心理的安全性の高い環境が作れていれば、本質的な動機を見極め、会社をよりよくするためのヒントが得られます。退職面談をどうしたら最大限に生かせるかについてご紹介します。

チームメンバーが会社を辞めるとき、それはその理由を学ぶ機会となります。退職面談を行えば、退職者がその理由について簡単に説明する時間を持つことができます。退職者が率直に話せるような安全な空間を作れていれば、その人が辞める根本原因がわかり、会社がその動機となったのかどうかが評価できるのです。

退職面談から貴重な情報を得るには、思いやりがあり、決まった答えのない (オープンエンドの) 質問をしましょう。面談者が落ち着いて、率直になれるような面談にすることを目指すべきです。最高の退職面談とは、何が悪かったのかを理解する役に立ち、仕事環境の強化につながるようなもののことです。


仕事の生産性を向上させるなら、テンプレートの活用がおすすめです。Asana では、退職面談だけでなく、オンボーディングや人事プロジェクト用テンプレートを個々のニーズに合わせカスタマイズして作成できます。人事部で活用できるテンプレートを検索してみましょう。

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退職面談とは?

退職面談は、退職すると決めた従業員と人事担当者との間で持たれる会話です。チームメンバーが辞める理由や、会社が改善できるかどうかを理解する機会ともなります。従業員が自ら退職していく原因がわかると、それを行動計画に反映することもできます。

退職面談では、退職の原因に目を向ける他にも、チームメンバーが組織をどう思っているかがわかります。会社を辞めていくときは、会社のプロセス、上司、チームの役割について、賞賛や批判を正直に述べやすい場合があるからです。

退職面談を誰が実施すべきか?

通常、人事チームのメンバーが退職面談を実施します。これにより、面談を受ける側は自分が属していたチーム外の人と話せます。人事部署は日常の役職に関わっていないため、信頼できる相談相手となれるのです。

なぜ退職面談が重要なのか?

退職面談は、継続的な改善を求めている会社にとって貴重なものです。去ってゆくチームメンバーは、会社がうまく機能しているか、何を改善できるかについて、直接の体験を持っているのです。退職面談は、チームメンバーが率直に話せる機会となります。

【退職面談を実施するメリット】

  • 従業員の正直なフィードバックが得られる

  • チームメンバーが退職する根本原因がわかる

  • 会社が改善できる点についてヒントが得られる

  • 従業員の定着率を向上させる方法が見える

オンボーディング、育成、チーム管理に対する感想や意見を聞きましょう。適切な質問を前もってまとめておくことで、チームメンバーがどう感じているかを明確に把握できます。

退職面談のための 7 つの質問

退職面談で尋ねる質問は、おそらくそのチームメンバーの役割によって変わってくるでしょう。退職していく人がリーダーの立場にあった場合と、一般従業員だった場合とでは、異なった質問になるかもしれません。

しかし、チームメンバーが辞めていく理由やどう感じているかについて、幅広い改善のヒントを得るために共通する一般的な質問がいくつか存在します。

[インラインのイラスト] 退職面談で尋ねる質問 (インフォグラフィック)

1. どうやって辞めるという決断に至ったのですか?

まず単刀直入に、なぜ退職するのかを尋ね、その返答を聞きます。理由を詳しく説明してもらいたい場合は、その返答に基づいてさらに質問をします。

本人の退職理由は、会社とはまったく関係ない場合もあります。その人の体験について質問して、面接を続けましょう。

【フォローアップの質問例】

  • 次のチャンスを探し始めたきっかけとは?

  • 何かが違えば、会社に残る判断をしていましたか?

2. 我々が会社として優れていることは?

率直な質問から始めることで、退職してゆく社員が落ち着く時間ができます。会社について批判的なことを言う前に、会社や自分の役割について気に入っている点を述べてもらう方が、チームメンバーにとっては楽な場合が多いのです。

会社の優れた点について全般的な (あるいは漠然とした) 答えが返ってきたら、詳細を説明してもらうよう頼みます。

【フォローアップの質問例】

  • もう少し詳しく説明してもらえますか?

  • 何か例を共有していただけますか?

3. 会社が改善できる点は?

会社が現実的に改善できる点があるかを尋ねましょう。この質問は、会社の優れていることについての回答と密接に関係しています。

前の質問への答えからの流れで、あまり気に入っていない内容に自然に移行するようにします。たとえば、次のように言えるでしょう。「マネージャーのリーダーシップスタイルがよかったとおっしゃいましたが、チームの関係性について何か改善できそうな点はありましたか?」

【フォローアップの質問例】

  • [従業員の答え] がよかったとおっしゃいましたが、[会社の性質] について何か改善できそうな点はありましたか?

4. マネージャーからのサポートは感じられましたか?

辞めていくチームメンバーの役職によっては、組織の文化に関して、広い視点からの意見を持っていないかもしれません。そのチームメンバーが、自分のマネージャーと直接経験した領域の中での話を聞くことができます。

マネージャーからのサポートについて聞く際に、マネージャーが得意なこととそうではないことについて、探りを入れましょう。

【フォローアップの質問例】

  • 経営陣から自分の貢献が認められていたと感じられますか?そうでない場合、どのように改善できると思いますか?

  • もう少し詳しく説明してもらえますか?例はありますか?

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5. トレーニングや、キャリア開発の機会を得られたと感じましたか?

チームメンバーに対し、会社がそのポジションにふさわしいトレーニングを提供できているかどうかを知ることは非常に重要です。社内でのキャリア開発の機会も、チームメンバーの定着のためには大切なことです。

多くの人が、キャリアを伸ばしたいという思いから転職をしています。退職者面談で得られた答えを利用して、トレーニングプランと開発プログラムの改善につなげましょう。こうした改善により、離職率を下げ、従業員の定着率を高めることができます。

【フォローアップの質問例】

  • どうしたら、より良いトレーニング体験になったでしょうか?

  • 成長や開発の機会を、どうやったら強化できたでしょうか?

6. 次の仕事で求めていることとは?

退職していくチームメンバーは、自分の経験に関して、ポジティブなフィードバックばかり言うことがあります。退職から学びを得るためには、さまざまな方法で質問してみましょう。新しい職場で何を求めているかを尋ね、その答えと、あなたの会社が提供しているものとを比較することができます。

たとえば、そのチームメンバーは、会社での体験はポジティブだったと言うかもしれません。しかし、今後の期待について尋ねると、より強いチーム文化やワークライフバランスを求めると答えたとします。それは、企業文化やチームの仕事量を見直した方がよいかもしれないというシグナルです。

【フォローアップの質問例】

  • この役割において、求めていることと一致しなかったところは何でしたか?

7. [理由] は、辞める決断を考え直すきっかけとなるでしょうか?

チームメンバーは、会社の具体的な欠点が原因で退職することがあります。チームメンバーは、より高い給料を求めていたり、別の部署への異動を希望しているかもしれません。これらの要望に応えられるかどうかを考えてみましょう。

要望に応えられない場合は、その率直が妥当なものかどうか、そして他のメンバーのために改善すべきことかどうかを考えます。何を変えても退職の意思が揺らぐことはないと言われた場合は、それを理解して受け入れましょう。

【フォローアップの質問例】

  • 何かが変われば、辞職を思いとどまりますか?

退職面談のテンプレートと例

以下は、退職していく従業員に尋ねる質問付きの、退職面談のフォームの例です。返ってくることが想定できる答えと、その答えを掘り下げる方法が含まれています。

[インラインのイラスト] 退職面談テンプレート (例)

以下の退職面談テンプレートを使用してメモを取り、改善プランを作成しましょう。

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退職面談ベストプラクティス

退職面談を行うにあたり、退職するチームメンバーの居心地をよくするためのベストプラクティスがあります。安全でフレンドリーな環境を作ることにより、より正直なフィードバックが受け取れるでしょう。

[インラインのイラスト] 退職面談を改善するヒント (インフォグラフィック)

【退職面談を改善するヒント】

  • 適切なタイミングを選ぶ: 退職者との面談は、最終出社日に行うのがベストです。それにより、職場の人間関係に影響が及ぶことを心配せずに、正直に話してもらうことができます。

  • 気軽なものにする: 退職面談は体系化されているべきですが、形式ばっている必要はありません。退職者の一つ一つの答えに関連する質問をしていくことで、面談が会話のように感じられるようにしましょう。

  • 非言語メッセージに注意する: チームメンバーの答えを積極的に聞き、言うことを理解するように努めましょう。言葉も大切ですが、身振り、表情、声のトーンなどといった非言語コミュニケーションにも注目しましょう。

  • 会話を進める: 面談が始まる前に準備した質問リストはあっても、面談は流動的であるべきです。会話を用意した質問に基づいてリードするのではなく、チームメンバーの答えに従って会話を進めましょう。

  • 透明性を促進する: チームメンバーから偽りのない答えを得られるよう、面談の初めに、正直に答えてもらうよう頼みましょう。

  • メモを取る: チームメンバーから受け取るフィードバックを忘れないように、必ずメモを取りましょう。メモにより退社面談の流れを乱さないよう、コメントは簡潔に書き留めるようにしましょう。

退職面談が安心感のある場になるように努めましょう。辞めていくチームメンバーからインサイトを得る機会となります。

ワークマネジメントソフトウェアは、定着率の追跡、退職面談時のメモ、改善計画の実行に役立ちます。人事マネージャーであれ、チームリーダーであれ、行動を起こすには明確さと構成が必要となります。全員が認識を共有していれば、チームメンバーの幸福度が上がり、目標達成もより早くなるでしょう。

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よりよいワークプレイスの構築に、退職面談を利用しましょう。

退職面談のプロセスを適切に行えば、非常に価値のある時間となります。退職するチームメンバーと遠慮のない率直な会話を持つ機会です。その人の体験についてオープンに話してもらうことができた場合、建設的なフィードバックが得られます。そのフィードバックを使用して、現従業員の仕事環境を改善し、従業員満足度を向上することができるのです。

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