AI スタジオが登場: AI エージェントがあなたの代わりに雑務を処理するワークフローを構築しましょう。詳しく見る
チームとの効果的なコミュニケーションの取り方を知ることは不可欠です。コミュニケーションは、仕事のあらゆる側面において主要な役割を果たします。自分の仕事を遂行すること、チームメンバーとコラボレーションを行うこと、チームメイトに仕事を任せること、進捗報告を共有することは、すべて効果的なコミュニケーションに依存します。
そのニーズに応えるのが「4 つのコミュニケーションスタイル」です。4 つのコミュニケーションスタイルとは、人間のコミュニケーションを 4 つのカテゴリに分類する考え方です。これはウェブ上のあらゆる場所に広く浸透している概念であり、自分のコミュニケーションスタイルを理解すれば、チームと効果的にコラボレーションを行う方法を見出せると多くの人が信じています。
ただ問題は、人のコミュニケーションスタイルにのみ注意を集中すると、より包括的な見方ができなくなるリスクが生じることです。たとえば、攻撃的または消極的なコミュニケーションスタイルが見受けられるチームメイトがいる場合、彼または彼女はなぜそのような行動をとっているのでしょうか?受動的攻撃性のコミュニケーターであれば、その攻撃性は何に根差しているのでしょうか?発言に受動的攻撃性が感じられる場合、そのチームメイトは何が原因で率直なコミュニケーションがとれないと感じるようになったのでしょうか?結果的に表面化するスタイルだけにこだわるのではなく、人のコミュニケーションスタイルの背後にある要因を理解すれば、チームメイトをより力強くサポートし、チームにおけるより効果的なコミュニケーションを実現できます。
記事: 職場で効果的にコミュニケーションをとる 12 のコツコミュニケーションスタイルとは、人間のコミュニケーションのさまざまな在り方を表現するためのコンセプトです。主要なコミュニケーションスタイルは、消極的なコミュニケーション、攻撃的なコミュニケーション、受動的攻撃のコミュニケーション、積極的なコミュニケーションの 4 つのタイプに分けられます。各コミュニケーションスタイルは、さらに口頭の言語表現、非言語表現、文章表現に分類できます。
あえて大まかに言うと、コミュニケーションスタイルは 4 種類あります。以下に、各コミュニケーションスタイルの一般的な定義に加え、これらのスタイルが仕事でどのような形をとるのかを紹介します。
消極的なコミュニケーションスタイル。このコミュニケーションスタイルの人は、自分の意見を頻繁に主張することはありません。逆に、周りの流れに従うことに安心を感じるタイプです。消極的なコミュニケーターは、通常は正面切って異論を唱えることはせず、従順な印象を与えることさえあります。非言語コミュニケーションには、腕を組みながら視線をそらす仕草などが含まれるかもしれません。
攻撃的なコミュニケーションスタイル。このコミュニケーションスタイルの人は、自分の考え方に強い自信を持っていますが、それがチームメイトの意見に耳を貸さないほどである場合もあります。自分の意見を主張するために会話に割り込んだり、「あなたは間違っている」「全然わかってない」などといった挑発的な言葉を使う場合もあります。非言語コミュニケーションでは、相手の目をじっと見続けます。
受動的攻撃のコミュニケーションスタイル。このコミュニケーションスタイルの人は、本音を率直に口にすることに抵抗感があります。そのため、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに、食い違いが見られるかもしれません。たとえば、ワクワクすると言いながらも、ボディランゲージは逆に、顔をしかめていたり、肩を落としたりしているかもしれません。
積極的なコミュニケーションスタイル。このコミュニケーションスタイルの人は、堂々と自己主張できます。自分が求めるものを実現するために、周りを説得し、はっきりと支持を求めることができます。積極的なコミュニケーターは、非言語コミュニケーションの際に身振り手振りで話すかもしれません。話をしている時はたいがい落ち着きまたは喜びの表情が見られます。
全員が積極的な (アサーティブな) コミュニケーションスタイルを使うのが職場の理想です。積極的なコミュニケーターは、コラボレーションと互いのつながりを重視します。積極的なコミュニケーションスタイルは、互いに尊重し合うことを土台とするものなので、このスタイルを好む人は、チームを大切にする傾向があります。自分が仕事の中で優先するものを認識し、自分のニーズを声にすることを恐れません。積極的なコミュニケーターは、仕事の場でありのままの自分を見せられるという自信を持っています。
積極的なコミュニケーターは、以下を得意とします。
周りとコミュニケーションをとる際に、自分の感情を効果的に表現できる
コラボレーションと互いのつながりを重視する
継続的改善を目指すためにフィードバックを求めることができる
互いを尊重し合う率直な会話ができる
仕事で自分が必要とするものについてはっきりと支持を求めることができる
積極的なコミュニケーターは、仕事で効果的なコミュニケーションをとる能力があるため、通常以下のメリットを享受できます。
自己肯定感が高い
研ぎ澄まされた自己認識力
職場で互いに尊重し合う関係を周りと維持できる
目標と期待内容が明確
コミュニケーションスキルが高い
この記事をお読みのあなたは、消極的、攻撃的、または受動的攻撃のコミュニケーションスタイルが見られるチームのコミュニケーションを何らかの形で向上するすべを求めているかもしれません。
表面上、コミュニケーションスタイルは、チームメンバーの自己表現の在り方に影響を与えます。たとえば、1on1 ミーティングに臨むチームメンバーの態度、メールのコミュニケーションなど、他のチームメンバーとの関わり合い方に、コミュニケーションスタイルの影響が見られる場合があります。コミュニケーションスタイルは、現実にはっきり実感できるものです。チームメンバーのコミュニケーションスタイルを見極めることは、仕事で効果的なコミュニケーションを実現する上で、最初のステップとなります。
チームメンバーのコミュニケーションスタイルを特定するだけでは、問題解決には至りません。コミュニケーションスタイルが職場のトラブルにつながる可能性があることは、想像に難くありません。たとえば、攻撃的なコミュニケーターがいれば、他のチームメンバーは意見を表明しにくくなるかもしれません。
チームメンバーが目に見えてネガティブなコミュニケーションスタイルや周囲を困惑させるコミュニケーションスタイルを使っている場合、その裏に、ストレスや仕事の悩みなど、隠れた原因がある可能性が高くあります。まずチームメンバーの表面上のコミュニケーションスタイルを特定すれば、積極的なコミュニケーションを阻んでいる根本原因に対処することも可能になります。
積極的なコミュニケーションは、誠意に満ちたオープンな環境をつくる最もよい方法なので、積極的なコミュニケーターになりたいという気持ちは、おそらく誰もが心のどこかに感じているはずです。営業や法務など、競争が激しいチームにおいてさえも、積極的なコミュニケーションは、自分の考えを効果的に表現し、他のメンバーとコラボレーションを行う力につながります。チームメンバーが積極的なコミュニケーションスタイルを実践できていない場合には、仕事でありのままの自分を見せることを阻む何らかの要因があると考えられます。
マネージャーとして、あなたにはその要因に対処する力があります。各チームメイトのコミュニケーションスタイルをより深く観察すれば、積極的、消極的、または受動的攻撃のコミュニケーションスタイルをとっている原因を特定し、それに対処する方法を見出す方向に進めます。そして、チーム全員が仕事で安心してありのままの自分でいられるようにするためのプロセスやサポート体制を導入できます。障害となっている要因を取り除けば、メンバーは自分のニーズへの支持を得るために積極的にコミュニケーションをとる力を発揮できます。
消極的なコミュニケーターは、職場で疎外感や対人不安を感じているかもしれません。何らかの理由で、自信を持って自分を表現したり、仕事でありのままの自分を見せたりすることができないと感じているはずです。米国の先進医療機関であるメイヨークリニックによれば、消極的なコミュニケーターは、強いストレスを抱えている可能性があります。これは多くの人が共有する悩みです。「仕事の解剖学」インデックスによると、ナレッジワーカーの 42% が、昨年自分のストレスのレベルが非常に高かったと回答しています。
コミュニケーション計画は、チームが仕事に関するコミュニケーションを行う方法と場を定める計画です。たとえば、チームが使うツール、ライブとオフラインのコミュニケーションの使い分け、各チャネル (コミュニケーション手段) の責任者などを含められます。この計画を使えば、仕事のコミュニケーションの暗黙の部分が明確化され、推測する必要がなくなるので、社会不安やストレスに悩むメンバーをサポートできます。
コミュニケーション計画を共有する際には、必ず以下を明確にしましょう。
どのチャネルをどの場面で使うべきか
同期型 (ライブ) のコミュニケーションと非同期型 (個別の時間) のコミュニケーションの使い分け
アップデートを共有すべき頻度
オフラインまたはフォーカスモード (自分の仕事に集中する時間) であることを他のチームメンバーに示す方法
消極的なコミュニケーターをサポートするためにコミュニケーション計画を共有する上で、最も重要なのは、どのツールをどの場面で使うべきかを明確化することです。たとえば、Asana では以下を使っています。
Asana: アップデートの共有、フィードバック、プロジェクトステータスレポートなど、仕事に関する非同期コミュニケーションを行うために使用
Slack: 同期型のライブチャットや簡単な質問に使用
メール: Asana 社外の関係者とのコミュニケーションに使用
Zoom または Google Meet: Asana のグローバルチームとのチーム会議や対面の会話に使用
攻撃的なコミュニケーションの傾向が見受けられる人は、仕事で周りにサポートされていないという気持ちを抱えている可能性があります。たとえ無意識にもせよ、自分が攻撃されていると感じていれば、自己防衛的な反応が自然に引き起こされる可能性があり、それが攻撃的な態度として表面化する場合があります。メイヨークリニックによると、欲しいものを手に入れるためにチームメンバーが攻撃的なコミュニケーションスタイルを使用する場合がありますが、その行動はチームの信頼感を損なうリスクにつながります。
チームメンバーが攻撃的なコミュニケーションスタイルをとっている理由は、欲しいものを手に入れるためにそれ以外の方法がないという思いからかもしれません。そういったメンバーをサポートしつつ、積極的なコミュニケーションスタイルに向けて誘導するための最善の方法は、どのプロジェクトにおいても、誰がどの作業に取り組んでいるかという情報、そして各メンバーの責任分担を明確にすることです。
これを実践するには、プロジェクトの各チームメンバーが担っているさまざまな役割を明確にするために、RACI チャート (RACI 図) を作成することを検討しましょう。
実行責任者 (Responsible): 仕事の責任を直接担います。質問への対応は、すべて実行責任者が担当します。RACI チャートでは、各タスクまたは各取り組みにつき、実行責任者が 1 名のみに限定されます。
説明責任者 (Accountable): 仕事の管理を担当します。そして仕事を期限内に完了させる責任を担います。RACI チャートでは、各タスクまたは各取り組みにつき、説明責任者が 1 名のみに限定されます。
協業先 (Consulted): 仕事の納品前に、その承認を担当する関係者 (1 人または複数名) です。協業先は複数名置かれる場合があります。
報告先 (Informed): 仕事に関し報告を受けますが、レビューに関与する必要はありません。仕事の進捗に関しては常に報告を受ける必要があります。報告先は複数名置かれる場合があります。
RACI チャートは、誰が何の役割を直接担当しているか、そして誰がレビューやフィードバックを行っているのかについて、チーム全員に明確な情報を提供します。RACI 図を作成すれば、攻撃的なコミュニケーターを以下の 2 通りの方法でサポートできます。
本人が RACI チャートに含まれている場合、自分の役割に含まれる仕事と含まれない仕事の境界線が RACI チャートにより明確化され、ガードレールの役割を果たします。
本人が RACI チャートに含まれていない場合、自分が仕事の関係者でないことを明確に理解できます。
受動的攻撃のコミュニケーションスタイルが見受けられる人は、自分の意見がどのグループにも受け入れられないだろうと感じている可能性があります。過去に率直なコミュニケーションを試みてもうまくいかず、受動的攻撃のコミュニケーションに戻ったのかもしれません。メイヨークリニックによれば、このタイプのコミュニケーターは、自分のニーズを率直に伝えることに対する苦手意識があります。
ありのままの自分を見せる気持ちを芽生えさせるよう、受動的攻撃性のコミュニケーターを励ますことは、そのためのチーム環境をつくることから始まります。プロジェクトやタスク以外の場面でチームメンバーが交流する機会をまだ設けていない場合には、まずそこからスタートしましょう。こういった交流の場は、優れたコラボレーションと円滑なコミュニケーションの最適な方法を身に付ける機会となります。
チームの結束を強める活動を週次または月次で開催することを検討しましょう。活動内容は、トリビアなどの楽しい活動でも、または単にチームが語り合うために集う時間を設けることでも結構です。こういった交流活動のための場を設けるほか、定期的に親交を深めるための時間を設けましょう。Asana では、ほとんどの会議の前にアイスブレイク質問を使って、定期的なきずなづくりの時間としています。毎回アイスブレイク質問から会議を始めることは、明るい雰囲気と連帯感を生む効果があります。
記事: メンバーたちの緊張をほぐしチーム作りに役立つ 110 以上のアイスブレイク質問チームメンバーが個人的に交流することも奨励しましょう。可能な時には、非公式にお茶を飲みながら語り合ったり、互いに 1on1 ミーティングを行ったりして、メンバー同士の距離を縮めましょう。Asana では毎週その時間を設けています。
チームメンバーが、気軽にアイデアを交換し合ったり、議論したり、自分のニーズを主張したりできるようになれば、それは努力がようやく実を結んだことを意味します。この状態にまで持ってこれたら、その後は継続的にチームづくり、コーチング、コミュニケーションのベストプラクティスへの投資を続け、チームの自信に満ちた、積極的なコミュニケーションスタイルを維持しましょう。