プロジェクトスコープは、プロジェクトの予算やタイムラインと同様に重要でありながら、見過ごされることがよくあります。プロジェクトスコープ管理計画テンプレートを作成して、プロジェクト管理におけるこの重大な要素を優先事項として扱いましょう。
テンプレートを作成する登録して独自のテンプレートを作成する
プロジェクトマネジメントのトライアングルや鉄の三角形、プロジェクト管理の 3 つの制約について聞いたことがある方なら、目標を時間通りに、予算内で達成する上で、プロジェクトスコープがいかに重要な働きをするかをご存知かと思います。どのプロジェクトにも、プロジェクトタイムライン、プロジェクト予算、プロジェクトスコープという、相互に依存し合う 3 つの制約があります。しかし、プロジェクト計画中にはプロジェクトの期間や予算に多くの注目が集まる一方で、プロジェクトスコープもこれらに劣らず重要な働きをします。新規プロジェクトを作成するチームメンバーによって各プロジェクトスコープが定義されることを保証するには、プロジェクトスコープ管理のテンプレートが必要です。
記事: スコープマネジメント計画とは何か、どう作成するのかプロジェクトスコープとは、期日、予算、成果物といった、プロジェクトの境界線を事前に決定する方法のことです。作業に取りかかる前にプロジェクトスコープを決定しておくと、リソースをどのように配分すべきかがわかるほか、関係者に対して現実的な期待事項を設定することもできます。
プロジェクトスコープ管理は、以下を含む、関連するさまざまなイニシアチブで構成されます。
スコープクリープ: 成果物が追加されたり、タイムラインが延長されたり、コストオーバーしたりすることによって、プロジェクトのスコープが元のスコープの範囲を超えてしまうこと。
プロジェクトマネジメントのトライアングル: プロジェクト管理の 3 大要素 (スコープ、予算、タイムライン)。この 3 つを適切に調整すれば、リソースを追加せずにプロジェクトを完了させることができます。
プロジェクトスコープ記述書: チームがプロジェクトスコープの範囲内・外にあるものを決定するためのガイドライン。
プロジェクトスコープ管理計画: プロジェクトスコープを定義し、管理するために使う計画。
プロジェクトスコープ管理用テンプレートとは、新規プロジェクトのスコープを計画する際に使える、再利用可能なテンプレートです。プロジェクトスコープのテンプレートを使用すると、プログラムに含まれる、またはプロジェクトチームが担当するすべてのプロジェクトを標準化できます。
プロジェクトスコープの優先度をプロジェクトの予算やタイムラインの下に位置付けたり、一切定義しないなどして、プロジェクトスコープを見落としたり、重視しなかったりするチームは多いですが、それは危険なことです。プロジェクトスコープは、プロジェクト管理の 3 大要素のどの要素と比べても同じくらい重要なものであるため、それを飛ばしたり、軽視したりすると、スコープクリープが発生し、チームのリソースが不足し、働きすぎてしまう可能性があります。プロジェクトスコープ管理テンプレートを使用すると、チームは始動するすべてのプロジェクトのスコープを簡単に定義できるため、成果物を時間通りに、予算内で完成できる可能性が高まります。
プロジェクトスコープ管理計画用のテンプレートを作成する一番のメリットは、チームメンバー全員に対して、作成する各新規プロジェクトのスコープを定義するよう促すことができる点です。また、プロジェクトのスコープを完全に管理できるという利点もあります。テンプレートがあれば、以下のことを行えます。
プロジェクトスコープ管理計画のプロセスを標準化する。
プロジェクトが実行可能であることを確認したいステークホルダー、特に経営陣の同意を得る。
プロセスがすでに確立されているため、新しいチームメンバーでもプロジェクトを管理できる。
プロジェクトスコープ管理計画テンプレートは、プロジェクトスコーププロセスのいわば主軸です。このテンプレートを使って、スコープを定義し、関係者に対する期待事項を設定し、プロジェクト計画をセットアップします。
プロジェクト管理ソフトウェアを使用する場合は、このテンプレートをチーム全体で使用することによって、スコープ管理プロセスを実行する際にいつも正しい情報を確実に伝えられます。テンプレートを作成するときは、必ず、プロジェクトのライフサイクル全体に渡ってスコープを定義する (以下のような) セクションを設けるようにしましょう。
・プロジェクト成果物
・作業分解構成図
・プロジェクトタイムライン
・スコープ外作業
・RACI チャートまたは RAPID チャート
・変更管理プロセスまたはフォーム
プロジェクト管理計画テンプレートを作成するのは、そのプロジェクトを成功とするために完了させる必要のある項目や指標、タスクを決定することが目標でもあります。成果物は、小さなもの (プロジェクトのドキュメントを仕上げるなど) の場合も、大きなアウトプット (新しいウェブサイトの公開など) の場合もあります。そうした成果物を個人的な目標やチームの目標につなげれば、各成果物がそうした大規模なイニシアチブの達成を支えることができます。
作業分解構成図 (WBS) とは、まさにその名の通りのもので、大きなタスクを完了させるために、成果物をサブタスク、そしてさらにそのサブタスクに分割するというものです。WBS のセクションを設けると、チームは重大なサブ成果物や主な依存関係を追跡できます。この WBS には、プロジェクト目標、プロジェクトスコープ記述書、プロジェクトスケジュールを視覚的に表示すると良いでしょう。
予測されるプロジェクトタイムラインを含めると、重要な期日やマイルストーンに対してプロジェクトの進捗を追跡する手段となります。プロジェクト管理ツールのようなダイナミックなソフトウェアを使用すれば、スコープが変更された場合に、いちいち手動で各日付を編集しなくてもタイムラインを更新できます。
プロジェクトのタイムラインを Asana で設定する前のセクションでは、目指す目標を定義しました。しかし、スコープ外のタスクを定義することも、同様に重要です。メンバー全員が現実的な目標を持ち、プロジェクトを成功させるには何が必要かを把握できるよう、ガイドラインや境界線を設定することが目的です。後で関係者からスコープ外のリクエストがあった場合は、テンプレートのこのセクションを提示して、元のプロジェクトスコープに含まれていないため、今回は着手できないと説明することができます。
チームメンバーやプロジェクトスポンサー、経営陣は、プロジェクトに参加したがるでしょう。それはそれで良いことなのですが、慎重なモニタリングやルールが確立されていないと、善意を持って仕事をする関係者でさえ、誤ってプロジェクトを脱線させて、スコープクリープを引き起こしてしまう場合があります。これを避けるには、関係者の割り当てチャート (RACI や RAPID) を使って、各関係者の担当業務を明確に定義します。
最適な形で計画されたプロジェクトでさえ、障害に直面したり、予定外の変更がなされたりすることはあります。成果物を追加したり、タイムラインを変更したりすることが必要になる場合もあるでしょう。また、プロジェクトのスコープは、しっかりと定義しておきたいものですが、変更のきかないものにするのも良くありません。変更管理プロセスを使えば、関係者はプロジェクトスコープに影響し得る変更リクエストを提出できます。変更プロセスを使用して、変更管理フォームをセットアップすれば、変更がリクエストされている理由、そのインパクト、プロジェクトに含める価値があるか否かに関する情報が得られます。
記事: チェンジマネジメントとは?成功するチェンジマネジメントプロセスを構築する 6 つのステップまず初めに、過去のスコープ計画を見直して、テンプレートに含める必要のある情報を決定します。テンプレートは、プロジェクト作業に合わせて完全にカスタマイズする必要があるため、最近のプロジェクト管理計画の内容を見て、プログラムやチームに共通したプロジェクト要件を確認し、それぞれの要件にセクションを設けます。たとえば、いつもデザインのプロトタイプを作成しているのなら、テンプレートにも必ずそのセクションを含めます。作業やチーム、組織に役立つスコープ管理計画が最も効果的であることを覚えておきましょう。
リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。
ボードビュー: ボードビューとはプロジェクトの情報を複数の列で表示するかんばんボード形式の表示スタイルです。「To-Do」「進行中」「完了」など、タスクのステータスに基づいて整理するのが一般的ですが、各列の扱いはプロジェクトのニーズに合わせて調整できます。それぞれの列ではタスクはカードとして表示され、タスク名、期日、カスタムフィールドなどの関連情報も併せて表示されます。タスクは進行するにつれてステージを進んでいくので、プロジェクトの進捗を一目で確認できます。
レポート機能: Asana のレポート機能は、プロジェクトのデータを視覚的なチャートやわかりやすいグラフに変換します。仕事が行われている場所でレポートを作成することで、無駄な重複作業を減らし、不要にアプリを切り替える手間を省くことができます。また、チームのすべての仕事がすでに Asana に集まっているため、どのプロジェクトやチームからでもデータを引き出し、一か所で何が起こっているのかを正確に把握できます。
プロジェクトステータスの更新: 複数のツールを切り替えて、プロジェクトのステータスに関する情報を探したり、メールで済むような内容のミーティングに参加したりする状況に別れを告げましょう。Asana のプロジェクトステータスの更新は使い方が簡単なだけでなく、チームが実行する仕事に直接つながっています。そのため、チームメンバーは、プロジェクト計画やコミュニケーション計画、目標、マイルストーン、成果物などのプロジェクトに関連する情報に容易にアクセスでき、プロジェクトのステータスレポートを介して、手動の作業を減らし、情報を一元管理して、最新の情報をメンバーに伝えられます。
Google Workspace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana でファイルをタスクに直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。
Miro: Miro と Asana を連携すると、ワークフローを合理化するのも、すべてのプロジェクトの全体像を把握するのも 1 か所で可能になります。Miro のボードを Asana のプロジェクトの要旨に埋め込むと、チームメンバー同士のやりとり、ボードの確認、コメントの追加、編集がすべて Asana から直接行えます。また、Miro の既存のボードや新規のボードを Asana のテンプレートに添付すれば、タスクのコラボレーターをボードの参照やコメントの追加、編集を行うよう自動的に促せます。
OneDrive: Asana のタスクウィンドウには Microsoft OneDrive のファイル選択機能が組み込まれているため、Word や Excel、PowerPoint などのファイルを Asana のタスクに簡単に添付できます。
Lucidchart: Lucidchart + Asana の連携で、図表、フローチャート、プロセスマップ、ワイヤーフレームを Asana プロジェクトにシームレスに埋め込むことができます。プロジェクトの重要な情報を、その情報が必要とされる場所、Asana で確認しましょう。アプリケーションを切り替えることなく、作業を進めながら必要な情報に簡単にアクセスできます。
Asana でカスタマイズ可能なテンプレートを作成する方法をご紹介します。今すぐ無料で始めましょう。