プロジェクトにおけるリスクを事前に特定し、軽減することで、プロジェクトを順調に進められます。このページでは、Asana で RAID ログのテンプレートを作成するとどのような効果があるのかをご紹介します。
テンプレートを作成する登録して独自のテンプレートを作成する
最後にプロジェクトに参加したときのことを考えてみてください。計画通りに進まなかったことが、いくつかあったのではないでしょうか。完璧な計画を立てたとしても、リソースの不足、納期の遅れ、スコープクリープなど、プロジェクトにはリスクと障害がつきものです。
このように考えると、ストレスに感じるかもしれませんが、実は解決策があるのです。リスク管理戦略を導入することで、チームがプロジェクトのあらゆるリスクに対応できる環境を整えられます。
その解決策が RAID ログテンプレートです。
RAID ログとは、プロジェクト開始時に発生しうるリスクを記録し、プロジェクト開始後に発生した問題を追跡することで、プロジェクトのリスクを整理し、軽減するツールです。
RAID は、Risk (リスク)、Assumption (仮説)、Issue (問題)、Dependency (依存関係) の頭文字をとったものです。RAID ログの設定によって、「A」は Action (アクション)、「D」は Decision (決定事項) を指すこともあります。
RAID ログの特徴やメリットについて詳しくは、「RAID ログ作成の重要なポイント」に関する記事をご覧ください。
ここまで読んで、気が遠くなりそうだと思われた方も、ご心配なく。RAID ログテンプレートを使えば、RAID 分析とログ作成が効率化されるので、プロジェクトのリスクの追跡と削減に専念できるようになります。
RAID ログのテンプレートは、複製可能で繰り返し使える仕様となっているため、プロジェクトが直面するあらゆるリスクや問題を迅速に把握できるのが特徴です。
RAID ログテンプレートの使い方は簡単です。新しいプロジェクトが始まったら、テンプレートをコピーして、プロジェクトの RAID 要素を記録する際にベースラインとして使います。そうすることで、重要な情報が漏れてしまう心配がなくなります。さらに、RAID ログテンプレートを使うことで RAID 分析と RAID ログの記録プロセスが統一され、チームメンバー全員が同じ方法でプロジェクトのリスクを管理しているという安心感を得られます。
プロジェクトのリスクを整理し、モニタリングし、軽減する際には、さまざまな要素が関わってきます。プロジェクト開始時に想定される脅威を特定することから、プロジェクトの進捗を注意深くモニタリングし、問題の発生箇所を確認して対処することまで、プロジェクトのリスク管理は決して簡単な作業ではありません。そのため、一つのツールの中でリスクを追跡し、リアルタイムでアクションを調整できれば便利なのです。
プロジェクト管理ツールで RAID ログテンプレートを作成することで、プロジェクトのリスクや軽減措置についてチームと簡単に調整できます。さらに、RAID ログのデジタルテンプレートは仕事をするのと同じ場所にあるので、毎日簡単にチェックし更新でき、プロジェクトの進捗をいつでも把握できます。
デジタル版 RAID ログテンプレートを使用すると、次のことが可能になります。
プロジェクト開始時に想定されるリスクを特定し、必要なリソースとコンティンジェンシープランを確保する。
プロジェクトの進行中に発生した問題をすばやく記録し、リスク軽減対策を一元的に追跡できる。
チームメンバーに重要な問題を知らせ、リアルタイムに解決できる。
アクションアイテムの担当者を決め、役割と指示内容を明確にする。
リスク、仮説、問題、依存関係がもたらす悪影響の可能性をすばやく確認し、それに応じて意思決定を行う。
プロジェクトの重要な情報をプロジェクト関係者に簡単に伝達できる。
RAID ログテンプレートは、プロジェクトが直面するリスク、仮説 (またはアクション)、問題、依存関係 (または決定事項) に関する信頼できる唯一の情報源となるものです。
RAID ログテンプレートを作成するには、まず、テンプレートを 2 つのセクションに分けます。1 つには、プロジェクトの計画段階で特定したリスク、仮説、依存関係を、もう 1 つには、プロジェクトの開始後に特定した問題、アクション、依存関係、決定事項を記入します。次に、プロジェクトのリスクをうまく追跡し、モニタリングするために必要な詳細情報をテンプレートに書き出します。
RAID のカテゴリ (リスク、仮説 / アクション、問題、依存関係 / 決定事項)
RAID 要素に関する説明 (プロジェクトのリスクに関する説明など)
RAID 要素がプロジェクトに与える可能性のある影響
RAID 要素のステータス
次のステップまたはリスク軽減措置
タスクの担当者と締め切り (該当する場合)
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、仕事のタグ付け、ソート、絞り込みにぴったりの方法です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが瞬時にわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。
依存関係: タスクの依存関係を設定し、あるタスクが他のタスクを待機していることを示します。自分の作業が他の誰かの仕事をブロックしてしまっていることを知り、それにより優先順位を調整することができます。コラボレーションに基づいたワークフローを抱えたチームは、他のチームのどのタスクを待っているのかを簡単に確認でき、自分たちの作業に取り掛かるべき時がわかるのです。前のタスクが完了すると、依存しているタスクを開始できるという通知を担当者が受けます。あるいは、自分の作業が依存しているタスクのスケジュールが変更された場合、Asana から通知が送られ、自分の期日も調整すべきかどうかを判断できます。
マルチホーミング (タスクを複数のプロジェクトに追加する): 仕事には部門間のつながりが不可欠です。チームはさまざまな部門と効果的に協力し合う必要があります。しかし、各部門が独自のファイルシステムを使っていると、仕事が滞り、サイロ化します。Asana を使用すると、複数プロジェクトのタスクの追跡、管理が簡単になります。これにより仕事の重複を減らし、チーム間の可視性を向上させることができるだけでなく、チームは、タスクを背景情報と一緒に確認でき、誰が何に取り組んでいるのか把握できるため、チームとタスクのつながりを維持できます。
Microsoft Teams: Microsoft Teams と Asana を連携すると、必要な情報を Teams から直接検索して共有できます。Teams を離れることなく、Teams の会話を Asana の実行可能なアイテムに簡単につなげましょう。また、Teams 会議中に、ブラウザーで Asana タブを開く必要なく、タスクの作成、割り当て、表示ができます。
Salesforce: セールスチーム、カスタマーサクセスチーム、そしてサービスチームそれぞれが自社のサポートチームと直接 Asana でコミュニケーションを取れるようにして、ボトルネックを解消します。添付ファイルを共有し、取引成立前のニーズを満たす実行可能かつ追跡可能なタスクを作成しましょう。Service Cloud を使用すると、導入チームとサービスチームを Asana のサポートチームと連携させて、優れたカスタマーエクスペリエンスを実現できるようになります。
Google Workspace: Asana タスクウィンドウに組み込まれた Google Workspace ファイル選択機能を使って、Asana でファイルをタスクに直接添付しましょう。マイドライブ内のファイルを、数クリックで簡単にタスクに添付できます。
Jira: 技術部門とビジネス部門をインタラクティブにつなぐワークフローを作成し、製品の開発状況をリアルタイムで見える化します。しかも Asana を離れる必要はありません。プロジェクトのコラボレーションと引き継ぎを合理化し、Asana 内ですばやく Jira の課題ログを作成することで、適切なタイミングで技術部門とビジネス部門の間で仕事をスムーズに引き渡せるようになります。
RAID ログテンプレートが完成したら、使い方はいたって簡単です。次の 5 つの簡単なステップに従ってください。
新しいプロジェクトが始まる際に、RAID ログのテンプレートのコピーを作成します。
プロジェクトの計画段階で、予めリスク、仮説、依存関係について話し合い、ログに記録します。
プロジェクトの進行に伴い発生する新しい問題を RAID ログに更新します。チームが取るべき軽減措置を記録します。
デジタル RAID ログテンプレートでチームメンバーとコラボレーションし、必要に応じて期日やタスクの担当者を割り当てます。
プロジェクト終了後に、RAID ログのテンプレートを出発点にして、プロジェクトのポストモーテムを行います。
RAID ログテンプレートを使って、プロジェクトのリスクを事前に特定し、軽減する方法をご紹介します。