インシデント発生時に欠かせないのは、スピードです。発生するインシデントを整理、追跡すると、スピーディに解決策を見つけられます。Asana でインシデント管理テンプレートを作成する方法について説明します。
テンプレートを作成する登録して独自のテンプレートを作成する
パーフェクトな計画など存在しませんから、プロジェクトの最中に問題や障害に直面することがあっても不思議ではありません。そうした事態が発生してしまったときは、インシデントを追跡し、リアルタイムにコラボレーションして、小さな問題が深刻化する前に解決策を見つけるための手段が必要です。
その解決策となるのが インシデント管理テンプレートです。
インシデント管理とは、問題を追跡し、すばやく対処するプロセスのことです。インシデントを記録し、適切なチームメンバーに割り振り、障害によってプロジェクトやビジネスプロセスが脱線する前に、解決策を見つけるための手段です。たとえば、IT チームは、サイバーセキュリティインシデントを検出してそれに対処するために、ウェブチームは、システム障害やバグを特定して修正するために、インシデント管理を使用します。
インシデント管理テンプレートとは、あらゆるプロジェクトのインシデント管理トラッカーをすばやくセットアップできる、再利用可能なガイドのことです。テンプレートを複製すれば、トラッカーを一から作り直さなくてもインシデント管理のプロセスをすぐに開始できます。インシデント管理テンプレートの作成にはちょっとした事前作業が必要ですが、テンプレートがあればそれ以降のプロジェクトに着手する際に貴重な時間を節約できます。
インシデント管理は、ただ単に発生した問題を記録するためのものではありません。すばやく解決策を見つけるには、チーム全体がリアルタイムにインシデントの進み具合を確認できなくてはいけません。しかし、静的な Excel スプレッドシートや PDF では、そのように柔軟に追跡するのは不可能です。
インシデント管理のデジタルテンプレートは、チームにとっての信頼できる唯一の情報源となります。インシデントが発生したら、新しい情報をもってトラッカーを更新して、変更内容や作業に取り組んでいるメンバー、それまでに実行されたアクションなどを、リアルタイムにチーム全体に見せることができます。
インシデントトラッカーを、静的なドキュメントではなく、プロジェクト管理ツールで作成すると、以下のようなメリットがあります。
すべての進行中のインシデントと解決済みのインシデントを 1 か所で確認できる。
リアルタイムにインシデントを記録、追跡できる。
インシデントのステータスを関係者と共有できる。
インシデントを追跡するのと同じ場所でチームメンバーと一緒に対処できる。
担当者と期日を割り当てて、誰がいつまでに対処するのかを明確にできる。
優先度が変更されたら、期日、ステータス、担当者を更新できる。
関連するスクリーンショットやドキュメント、スプレッドシートを添付できる。
すばやく対応しつつも、メンバー全員で共通認識を持てる。
解決したインシデントの数と種類を報告できる。
インシデント管理テンプレートを使用すると、すばやく潜在的な脆弱性を特定し、リスクアセスメントを実施し、必要な是正措置を講じることができます。潜在的なインシデントを効果的に追跡するには、デジタルインシデント管理計画に十分なコンテキストと情報を記載し、すべての関係者が 1 か所で重要な情報にアクセスできるようにしておく必要があります。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、作業のタグ付け、ソート、絞り込みに最適な手段です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが一目でわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
オートメーション: 手作業を自動化することで、チームは忙しいだけの無駄な作業に費やす時間を減らし、本来の業務に専念できるようになります。Asana のルールは、トリガーとアクション、つまり「X が発生したら Y を行う」という基本的な仕組みに基づいて機能します。ルールを使用して、作業の自動割り当て、期日の調整、カスタムフィールドの設定、関係者への通知などを行います。単発のオートメーションからワークフロー全体まで、ルールを活用することで、チームはスキルを要する仕事や戦略的な作業に取り組む時間を取り戻せます。
フォーム: 誰かがフォームに入力すると、Asana プロジェクトの新規タスクとして表示されます。フォームを介してリクエストを受け付けることで、仕事の開始手順を統一し、必要な情報を収集し、仕事の見落としを防ぐことができます。リクエストをその場限りのプロセスとして処理するのではなく、標準のシステムやメンバー全員が回答しなければならない一連の質問を作成するとよいでしょう。あるいは、ブランチ機能を用いて、ユーザーの過去の回答に基づいて質問を調整する手もあります。フォームは、入ってくるリクエストを管理するために費やす時間と手間を省く効果があり、チームはより多くの時間を重要な仕事に使えるようになります。
ボードビュー: ボードビューとはプロジェクトの情報を複数の列で表示するかんばんボード形式の表示スタイルです。「To-Do」「進行中」「完了」など、タスクのステータスに基づいて整理するのが一般的ですが、各列の扱いはプロジェクトのニーズに合わせて調整できます。それぞれの列ではタスクはカードとして表示され、タスク名、期日、カスタムフィールドなどの関連情報も併せて表示されます。タスクは進行するにつれてステージを進んでいくので、プロジェクトの進捗を一目で確認できます。
Jira: 技術部門とビジネス部門の間でインタラクティブで連結したワークフローを作成し、Asana を離れることなく、製品開発プロセスの可視性をリアルタイムで向上させることができます。プロジェクトのコラボレーションと引き継ぎを合理化し、Asana の中で Jira の課題をすばやく作成できるので、仕事がタイミングよくビジネスチームとテクニカルチーム間でシームレスに引き継がれます。
GitHub: GitHub のプルリクエストのステータス更新を Asana のタスクに自動的に同期できます。Asana を離れることなく、プルリクエストの進捗状況を追跡し、技術部門と非技術部門による部門間のコラボレーションを改善できます。
Zendesk: Asana と Zendesk の連携を使用すれば、ユーザーは Zendesk のチケットからすばやく、簡単に Asana タスクを作成できます。コンテキストを追加したり、ファイルを添付したり、既存タスクをリンクしたりして、チケットをクローズするのに必要な作業を追跡します。この連携により、両システム間でシームレスな可視性が生まれるため、最新情報をリクエストしなくても、メンバー全員が進捗を把握できます。
Salesforce: セールスチーム、カスタマーサクセスチーム、そしてサービスチームが Asana 上で直接サポートチームとコミュニケーションをとれるようにして、ボトルネックを解消します。添付ファイルを共有し、取引成立前のニーズを満たす実行可能かつ管理可能なタスクを作成しましょう。Service Cloud を使用すれば、導入支援チームとサービスチームが Asana 上で直接サポートチームとコミュニケーションをとれるようになり、素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを提供できます。
発生するインシデントを整理、追跡すると、スピーディに解決策を見つけられます。