プロジェクトを成功に導く一番の原動力はチームの存在です。事を先に進めるには、チームの時間と専門性が必要ですが、メンバー全員のキャパシティを予測するのは困難な場合があります。数多くのさまざまなプロジェクトや優先事項が行き来する状況では、チームのキャパシティをチェックし、プロジェクトの期日を現実的に設定できていることを確認し、プロジェクトのニーズやリソースが変更となった場合に調整を加えるための手段が必要です。
そこで活躍するのがキャパシティ計画テンプレートです。
キャパシティ計画テンプレートとは、特定のプロジェクトに対するチームのキャパシティをチェックするための再利用可能なガイドであり、プロジェクトタスクを予定通りに達成するのに十分なキャパシティがチームにあることを保証するのに実行する必要のあるすべてのステップが記載されます。このテンプレートがあれば、プロジェクトの遅延を引き起こしかねない重要な情報が欠落していることはないという確信が持てます。必要なリソースを事前に確保できるほか、プロジェクトスコープやチームメンバーのキャパシティが変更になった場合の計画を立てることもできます。
キャパシティ計画テンプレートの作成には、ちょっとした事前作業が伴いますが、長期的には時間の節約となり、手間も省けます。新しいプロジェクトを開始するときには、テンプレートをコピーして、プロジェクトタスクや所要時間、チームメンバーのキャパシティといった情報を記入します。テンプレートには、計画を立てるため、また変更が起こった際に調整を加えるために考慮すべき各詳細が記載されるため、新しいイニシアチブを開始するたびに一から着手する必要はありません。
記事: キャパシティ計画の基本と活用術
キャパシティ計画は、一回やれば終わりというものではありません。要件や状況の変化に応じて調整するには、プロジェクトを通してチームのキャパシティをモニタリングし続ける必要があります。そこで重宝するのが、キャパシティ計画のデジタルテンプレートです。
プロジェクトの要件やチームのキャパシティは、静的なドキュメントや Microsoft の Excel テンプレートに文書化する代わりに、デジタルテンプレートを使用すれば、リアルタイムに内容を変更できます。その結果、プロジェクトにチームメンバーを追加したり、プロジェクトスコープを調整したり、プロジェクトタイムラインを延ばしたりして、すばやく変更に対応することができます。
キャパシティ計画のデジタルテンプレートを使用すると、以下のことを行えます。
現在のリソースと必要なリソースを比較する。
キャパシティ要件、チームのキャパシティ、期日をリアルタイムに更新する。
チームのリソースと仕事量の変化の推移を視覚化する。
チームのキャパシティを簡単に関係者や他のチームメンバーと共有する。
作業を行う同じ場所でチームのキャパシティを計画する。そのため、異なるアプリを何度も切り替えたりせずに作業を行える。
一目でキャパシティの状況を確認する。
プロジェクトに費やした時間のトータルを自動的に計算する。
キャパシティ計画テンプレートには、予期されるプロジェクトの需要を予想するスペース、現在のチームのキャパシティを計算するスペース、現在のキャパシティと必要なキャパシティを比較するスペースを設けると良いでしょう。これは、テンプレートを 2 つのセクション (チームメンバー用のセクションとプロジェクトタスク用のセクション) に分けると、一番簡単に行えます。
プロジェクトタスクのセクションには、完了させる必要のあるすべての成果物、それらの期日、所要時間をリストアップするセクションを含めます。また、プロジェクトマネージャーやコピーライター、デザイナーなど、プロジェクトのどの役割を担うメンバーがどのタスクを担当するのかを指定するカスタムフィールドを作成することもできます。その後、その情報を使えば、チームメンバーを本人のスキルセットに合った適切なタスクにマッチングさせることができます。
チームメンバーのセクションには、プロジェクトの参加メンバー全員をリストアップします。メンバーたちの勤務可能な時間および働いてもらう必要のある時間を指定する列を設けます。チームメンバーのキャパシティ状況が明確に分かるように、各メンバーのキャパシティのステータスを指定するカスタムフィールドを作成します。
キャパシティ計画テンプレートは、特定のプロジェクトのリソースを管理するのにとても便利な手段です。しかし、チームが大きい場合や、一度に多くのプロジェクトをまたいでキャパシティを管理したい場合は、細かくカスタマイズ可能なワークロード管理ツールが必要になるかもしれません。その場合は、Asana のワークロード機能を活用すれば、チームのキャパシティを視覚化したスナップショットを作成できるため、さまざまなイニシアチブにおけるメンバーたちの取り組みを確認できます。
リストビュー: リストビューは、プロジェクトの全情報を一目で確認できるグリッド形式のビューです。To-Do リストやスプレッドシートのように、リストビューではすべてのタスクが一度に表示されるので、タスクのタイトルや期日だけでなく、優先度やステータスなど、関連するカスタムフィールドも確認できます。チーム全体が、誰がいつまでに何をするのかを把握することで、コラボレーションをスムーズに行えるようになります。
カスタムフィールド: カスタムフィールドは、仕事のタグ付け、ソート、絞り込みにぴったりの方法です。優先度やステータス、メールや電話番号など、追跡が必要なあらゆる情報に対してそれぞれカスタムフィールドを作成できます。カスタムフィールドを使用して To-Do をソートし、スケジュールを組むことで、何から手を付けるべきかが瞬時にわかります。また、さまざまなタスクやプロジェクトを横断して同じカスタムフィールドを使用すれば、組織全体で一貫性のある管理ができます。
開始日: 時には、やるべきことの期日だけを追跡するだけでは十分でなく、いつ取り組み始めるべきかを知る必要がある場合があります。開始日や開始時間の設定により、チームメンバーはそれぞれのタスク完了にかかる時間についてのより明確な感覚が得られます。開始日を利用して、チームの目標を整理するために作業を設定、追跡、管理し、依存関係の見落としを防ぎましょう。
マルチホーミング (タスクを複数のプロジェクトに追加する): 仕事には部門間のつながりが不可欠です。チームはさまざまな部門と効果的に協力し合う必要があります。しかし、各部門が独自のファイルシステムを使っていると、仕事が滞り、サイロ化します。Asana を使用すると、複数プロジェクトのタスクの追跡、管理が簡単になります。これにより仕事の重複を減らし、チーム間の可視性を向上させることができるだけでなく、チームは、タスクを背景情報と一緒に確認でき、誰が何に取り組んでいるのか把握できるため、チームとタスクのつながりを維持できます。
Jira: 技術部門とビジネス部門をインタラクティブにつなぐワークフローを作成し、製品の開発状況をリアルタイムで見える化します。しかも Asana を離れる必要はありません。プロジェクトのコラボレーションと引き継ぎを合理化し、Asana 内ですばやく Jira の課題ログを作成することで、適切なタイミングで技術部門とビジネス部門の間で仕事をスムーズに引き渡せるようになります。
Clockwise: Clockwise と Asana の連携により、Google カレンダーにタスクをタイムブロックとして追加できます。Clockwise と Asana の連携では、タスクの所要期間と取り組むタイミングを指定し、Clockwise が自動的にスケジュールを変更できるように設定することもできます。タスクをカレンダーに追加して、仕事を終わらせる時間を確保しましょう。
Slack: Slack 上にあるアイデアや仕事リクエスト、アクションアイテムを追跡可能な Asana のタスクやコメントに変換しましょう。ちょっとした質問やアクションアイテムが、期限と担当者つきのタスクに変わります。仕事を簡単に取り込めるので、やるべきことが Slack の中に埋もれ、流れることはありません。
Zoom: Asana と Zoom は、チームが目的を持って会議に集中できるように提携しています。Zoom と Asana の連携により、会議の準備やアクションにつながる話し合い、そして会議後の情報へのアクセスが簡単になります。会議前に Asana で議題を共有し、これから話しあう内容や経緯が明確な状態で会議を始められます。会議中には、Zoom 内ですばやくタスクを作成でき、詳細やアクションアイテムを見落とすことはありません。会議終了後は Zoom と Asana の連携により、会議の文字起こしや録画が Asana に取り込まれるため、コラボレーターや関係者は必要に応じて会議を振り返ることができます。
キャパシティ計画テンプレートは、一度作成したら、簡単に使えます。以下に、その方法を説明します。
テンプレートにすべてのプロジェクトタスクを追加する。
各タスクの所要時間を見積もる。できるだけ正確に見積もるには、過去に取り組んだ類似のタスクにかかった時間を考慮しましょう。
各タスクについて担当するチームメンバーを決定する。
チームが勤務できる合計時間を決定するために、チームにスケジュールの監査を依頼する。勤務できる時間を計算するには、プロジェクト期間中の勤務日数を決定します。そして、ミーティングや管理タスク、コミュニケーション、休憩、他のプロジェクトに費やす時間を差し引きます。
各チームメンバーの勤務可能な時間を記入し、各タスクに必要な時間と比較します。
作業が進行するに伴い、チームにイニシアチブを完了させるのに十分なリソースがあることを保証できるよう、必要に応じて調整を加えます。この調整には、他のプロジェクトを優先事項から外したり、プロジェクトスコープを調整したり、プロジェクトタイムラインの期間を延ばしたり、他のチームのメンバーを自分のプロジェクトに勧誘するといったことが含まれます。
Asana でカスタマイズ可能なテンプレートを作成する方法をご紹介します。今すぐ無料で始めましょう。