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この記事では、工数とは何か、その定義と計算方法、使い方、管理方法のコツなど、工数の基礎知識を解説します。プロジェクトマネジメントにおいて工数は非常に重要です。工数について知り、プロジェクトを成功に導きましょう。
更新: この記事は、工数管理を効率的に行う方法に関するさらに詳しい記述を含めて 2023年 7月に改訂されました。
プロジェクトマネジメントにおける工数とは、プロジェクトの作業量のことを言います。製造業を中心に用いられている概念で、作業時間 (プロジェクトが完了するために必要な時間) と携わる人数 (プロジェクトに必要な人数) を掛け合わせて算出されます。
工数を管理することを「工数管理」と言いますが、正しい工数管理はプロジェクトマネージャーにとって必要なスキルのひとつであると考えられています。なぜなら、工数を正しく管理することで、過剰なリソースの割り当てや人材不足の箇所を特定することができるからです。これは、プロジェクト全体の作業量を見える化を促進し、結果的に作業の効率化、生産性向上を実現させます。
残業時間の上限規制や残業問題などからもわかるように、従業員の作業量はしっかり把握、管理していなければなりません。前述のとおり、適切な工数管理は業務効率化とチームの生産性向上につながります。
工数はどのように算出されるのでしょうか?ここでは工数の計算方法と知っておくべき単位について解説します。
工数 = 作業時間 × 作業人数
クラウド型プロジェクト管理ソフトウェア Asana は、単なる工数管理ではなく、生産性と効率性を追求する工数管理ツールとして機能します。仕事の全体像を可視化しながら、チームの仕事量を管理できます。
工数計算の方法がわかったら、次に知っておくべきは「単位」です。工数は、以下 3 つの単位「人時」「人日」「人月」で計算します。それぞれについて、詳しく見てみましょう。
人時は、1 人が 1 時間の作業でこなせる作業量を 1 で表した単位です。読み方は「にんじ」で、「マンアワー」や「M/H」とも表示されます。
たとえば、1 人で 2 時間かかる作業なら「2 人時」、5 人で 3 時間かかる作業ならば、その作業量は「15 人時」となります。
人日は、1 人が 1 日の作業でこなせる作業量を 1 とした単位で、読み方は「にんにち」です。一般的には「人日」と呼ばれますが、分野によっては「人工 (にんく)」と呼ぶケースもあるようです。
人日はたとえば、10 人で 5 日かかる作業ならば「50 人日」、100 人で半日かかる場合も「50 人日」となります。
さいごは「人月」です。人月も工数で使われる単位のひとつで、1 人が 1 か月を費やしてこなせる作業量を 1 として表します。読み方は「にんげつ」です。
人月の計算も「作業時間 × 人数」で行われます。たとえば、10 人で 3 か月かかるプロジェクトなら、その工数は「30 人月」、100 人で半年かかるなら「600 人月」となります。
作業時間と必要な人数で求められる工数ですが、工数がすでに出ている場合は、そこから必要な作業時間もしくは人数を導き出すことも可能です。
工数 ÷ 作業時間: この計算式で、該当する作業を完了するために必要なメンバー数が割り出されます。例を挙げると、10 人月のプロジェクトの納期が 2 か月後だとすると、10 ÷ 2 = 5 で、5 人の従業員が必要であることがわかります。
工数 ÷ 人数: 工数を人数で割ることで、その作業を終わらせるために必要な作業時間を知ることができます。
プロジェクト全体の工数を求める場合はどうすればいいのでしょうか?たとえば、1 年という期間で進められたプロジェクトを、最初の 3 か月は 5 人で、その後は 10 人で行ったとしましょう。すると工数計算は「3 か月 × 5 人 = 15 人月」と「7 か月 × 10 人 = 70 人月」となり、それを足した総和「85 人月」がこのプロジェクトの工数となるわけです。
プロジェクトを円滑に進めるために、SaaS型プロジェクトマネジメントツールを活用しましょう。WBS 作成や工数管理もできる Asana なら、すべての仕事を 1 か所に整理できるから、業務効率が向上します。
Asana でプロジェクトを計画するメリットプロジェクトは計画段階でその工数を算出しておく必要がありますが、それはどうしてでしょうか?具体的にどうして必要なのか、工数のメリットとは何か、算出された工数がどのような用途で使われるのかをまとめます。
工数の用途は、第一に見積もりです。プロジェクトの費用算出は工数が根拠となっています。プロジェクト予算の妥当性を証明するツールとして、工数が用いられるわけです。一方、工数を作業人数で割ることで作業時間がわかるので、たとえば取引先と納期を交渉する際などにも具体的なデータとして提示することができるので、非常に役に立ちます。
工数管理を正しく行うことで、プロジェクトの遅延や過剰な人件費なども浮き彫りとなります。工数はプロジェクト全体のコスト管理に大いに役立つうえ、企業の利益を最大限に引き上げるためにも用いられます。
工数計算をすることで、必要な人員と時間がわかります。すなわちプロジェクトのスケジュール作成もスムーズに行うことができ、スケジュール管理にも役立つわけです。プロジェクト管理において工数の重要性が高いのはこのポイントも大きな要因のひとつです。
工数管理を行えば、プロジェクトの進捗状況をしっかりと把握することができます。作業量を表す工数を管理することで、メンバーのワークロードも見える化し、負担のかかりすぎや作業が遅れている箇所の特定もスムーズです。
すべての仕事を管理するプラットフォーム Asana では、メンバーの仕事量を可視化し、バランスよく配分することができます。Asana のワークロードについては『Asanaの使い方:ワークロードを使った仕事量の調整方法』をご覧ください。
チームやプロジェクトのリソース管理は、毎回ゼロから行っていては非効率的です。テンプレートを使って効率化しましょう。くり返し作業を自動化するには、Asana のリソース管理テンプレートが便利です。
リソース管理テンプレートを作成工数は、人員の能力 (スキル) がほぼ同じで、しかも従事する人数に正比例して作業スピードが早くなることを前提としている概念です。しかし実際には、この前提条件が整わないこともあるでしょう。工数を使うときは、その点をしっかりと理解した上で計算を行います。
工数管理の注意点を考慮に入れつつ、上手な工数管理のコツをこちらでチェックしましょう。
チームメンバーにはスキル差があります。得意分野や苦手分野もさまざまで、作業スピードもそれによって左右されるでしょう。工数計算をするときは、その点をしっかり考慮することが必要です。数字だけに気を取られるのではなく、メンバーそれぞれの実力も頭に入れておきましょう。
プロジェクトの初期に出した工数をずっとそのままにしておくことはおすすめできません。どんなプロジェクトでも、大なり小なり変更事項や修正点があるように、工数も変化します。定期的に見直しを行うことで、適切にプロジェクトを運営できるでしょう。
工数計算の精度を高めるためには、過去のプロジェクトで出した工数を参考にしましょう。工数計算を正しく行うことは、プロジェクトの成功に関わる重要なタスクと言えます。過去の類似プロジェクトの工数を参考に、精度の高い工数計算を心がけます。
ビジネス用語「工数」とは何か、計算方法と使い方、管理に関するヒントをご紹介しました。効果的なプロジェクトマネジメントを行うのに工数管理は必要不可欠です。プロジェクトの成功、組織の利益をもたらすだけでなく、正しい工数管理を行えば、メンバーのバーンアウトを防ぐことができるので、結果的にはパフォーマンスの向上、生産性アップにもつながるでしょう。
工数管理は Asana のようなクラウド型の仕事管理ツールでマネジメントすることをおすすめします。Asana なら、日々のワークマネジメントを効率的に行えるだけでなく、プロジェクトの進捗管理や工数管理もスムーズに行え、チーム間のコミュニケーションも活性化します。
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