ターゲットオーディエンスを見つけてエンゲージする方法

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2024年1月9日
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概要

ターゲットオーディエンスとは、あなたのブランドに合った属性や興味を持つ人々の集まりです。ターゲットオーディエンスを見つけることで、あなたの商品を購入する可能性の高い人々へ向けて、適切なメッセージを届けることができます。この記事では、ターゲットオーディエンスの興味に合わせてマーケティングプランをカスタマイズし、売り上げを伸ばす方法をご紹介します。

サイトへのアクセスを増やすことはブランド認知度の向上につながりますが、最終的な目標は顧客に商品を購入してもらうことです。そのためにはターゲットオーディエンスを理解する必要があります。

あなたの商品に興味を持つ可能性の高い人々の層が、ターゲットオーディエンスです。この層を見つけるには、現在の顧客はどんな人々なのか、また会社が理想とする顧客を分析しましょう。ターゲットオーディエンスがわかれば、顧客関係管理 (CRM) の戦略を顧客のニーズに合わせて調整できます。

ターゲットオーディエンスとは?

ターゲットオーディエンスとは、あなたのブランドに合った属性や興味を持つ人々の集まりです。ターゲットオーディエンスへ向けたマーケティングを行うことで、労力を集中させ、商品を購入してくれる可能性の高いグループにアピールできます。

ターゲットオーディエンスが 1 つではない場合もあります。たとえば、会社の情報を整理するソフトウェア製品を販売している場合、ターゲットオーディエンスは経営者や個人事業主のほかに、独自のビジネスを経営する起業家なども含まれます。このそれぞれのグループに製品を売り込むことができれば、収益性の向上が見込めます。

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ターゲット市場、ターゲットオーディエンス、バイヤーペルソナの違い

ターゲット市場、ターゲットオーディエンス、バイヤーペルソナの 3 つは混同されがちですが、どれもマーケティングを最適化し、より効果的に人々にエンゲージするために有効な手段です。

  • ターゲット市場は、購入者層を示す大まかな分類です。

  • ターゲットオーディエンスは、ターゲット市場をさらに細かく分類したものです。

  • バイヤーペルソナは、各ターゲットオーディエンスの典型となる、架空の顧客プロフィールです。

[インラインのイラスト] ターゲット市場、ターゲットオーディエンス、バイヤーペルソナの違い (インフォグラフィック)

会社のターゲットオーディエンスは提供している製品によって異なります。あなたの会社がいろいろな商品を販売している場合は、ターゲットオーディエンスが商品ごとに異なるかもしれません。オーディエンスをきちんとセグメント (区別) し、バイヤーペルソナを作成するとエンゲージメントが高まります。

ターゲット市場を定義する目的は製品を購入する可能性のある層全体を把握することであり、ターゲットオーディエンスを定義する目的は購入する可能性の最も高い層に向けたマーケティング戦略を立てることにあります。

ターゲットオーディエンスの把握が重要な理由

ターゲットオーディエンスを知ることは、効率性アップにつながります。たくさんの人々にアプローチするためにいろいろな広告を作るのではなく、質の高い広告を、特定の、より小規模なオーディエンスへ届けることに集中しましょう。

ターゲットオーディエンスの把握にはこんなメリットがあります。

  • キーワード調査が楽になる

  • ウェブサイトの直帰率が減る

  • 売り上げが伸びる

  • 顧客との関係が強化される

  • 顧客満足度が上がる

ネット上の誰もがあなたの製品に興味があるわけではありません。発信するコンテンツを調整しなければ、興味を持っている顧客のエンゲージメントでさえも下がってしまいます。オーディエンスのニーズに合ったコンテンツを作成して、顧客を大事にしていることを示し、購買意欲を促しましょう。

ターゲットオーディエンスの構成要素とは

ターゲットオーディエンスは、身体的、精神的な特徴を用いて定義します。まずは現在の顧客の特徴や思考から分析しましょう。

  • 属性 (デモグラフィック) は、オーディエンスを表す統計的なデータです。

  • 心理的属性 (サイコグラフィック) は、そのグループの行動、興味、思考のパターンなどです。

[インラインのイラスト] ターゲットオーディエンスの構成要素 (インフォグラフィック)

属性の例:

  • 年齢

  • 住所

  • 性別

  • 交際状況

  • 職業

  • 収入レベル

心理的属性の例:

  • 消費行動

  • 価値観

  • 興味関心

  • 悩み

  • 期待

ターゲットオーディエンスの特定には、ある程度の一般化が求められます。たとえばターゲットオーディエンスの年齢については、「20 歳から 30 歳」、消費行動は「購入時は慎重な場合が多く、リサーチを行ってから判断する可能性が高い」などと定義します。

ターゲットオーディエンスを定義する方法

ターゲットオーディエンスを構成する要素がわかったところで、今度は以下のステップを使ってターゲットオーディエンスを特定しましょう。このプロセスでは、過去の売上データを参照したり、競合他社のオーディエンスを考慮したりして、会社の理想とするターゲットオーディエンスを特定します。

1. 顧客基盤を特定する

現在の顧客とは、これまでにあなたの製品を買ったことのある人や、あなたの製品に興味があった人のことを指します。ウェブサイトや SNS の分析データを使って、どんな人々が最もよくエンゲージしているのか特定しましょう。特定が完了したら、その人々を属性や心理的属性を使って表しましょう。

顧客基盤特定のポイント:

  • 顧客が特定の年齢層に集中しているか?

  • 顧客の性別に大きな偏りはあるか?

  • 顧客に共通している職業はあるか?

  • 顧客は製品を購入する際、どのような行動を取るか?

製品のリリース前に顧客基盤を特定しようとしている場合は、参考にできるデータがないかもしれません。その場合は理想の顧客像を分析し、どんな人が製品を購入する可能性が高いか考えましょう。

2. 市場調査を行う

ターゲットオーディエンスを絞り込むには、市場調査を行って購入傾向を分析しましょう。市場調査を行うことで買い手の行動や興味に関するデータが得られ、顧客がどんなことに、なぜ興味を持っているのかがわかります。また、検索エンジン最適化 (SEO) ツールや統計データを使って企業や個人におけるトレンドを特定する方法もあります。

市場調査のポイント:

  • 自社の製品は、誰のニーズや悩みに応えているか?

  • 市場の類似する製品を買っているのはどんな人か?

  • 類似する製品の買い手はどんな行動を取っているか?

たとえばあなたが会社の情報整理を支援するソフトウェアを販売していたとします。そして、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) を購入する人のほとんどは大卒で、年齢は 30 ~ 40 代という調査データを得たとします。それが判明すれば、自社製品独自の顧客価値を分析し、それがこのグループのニーズに適しているか確認できます。

4. 競合他社を分析する

市場調査により、業界のエンドバイヤーに関する理解は深まったはずです。しかし特定の製品のエンドバイヤーを知るには、競合分析も行う必要があります。業界にいるすべての人があなたの売ろうとしている製品に対するニーズを抱えているわけではありません。競合分析を行うことでターゲットオーディエンスをさらに絞り込むことができます。

競合他社を分析する際は、まず同じ業界の会社のリストを作成してから、以下について検討しましょう。

  • 各競合他社の強みと弱みは何か?

  • 最も近い競合他社はどんな人をターゲットにしているのか?

  • 競合他社はその会社のオーディエンスから高いエンゲージメントを得られているか?

  • 競合他社と自社ブランドの相違点は何か?

  • 自社ブランドの相違点はターゲットオーディエンスにどのような影響を与えるか?

上記の内容について検討したら、自社の競争的優位性を特定しましょう。自社製品には他社製品に見られる問題を解決する新機能が備わっている、自社製品は他社製品より安く売ることができる、など、競合他社と差をつけることのできる要素は、製品を成功させる上で重要な指標となります。

最も近い競合他社の製品でも、自社製品とは微妙な違いがあるはずです。その違いを活かしてエンゲージする対象を絞り込みましょう。

たとえば、ある競合他社が自社製品と比べてシンプルで低価格な製品を販売していたとします。自社製品はより複雑で価格が高いため、ターゲットオーディエンスの所得範囲も高くなるでしょう。

記事: SWOT 分析: 知っておくべきすべてのこと (実例付)

5. 具体的に特定する

これまでの顧客、市場、競合他社から集めた情報を使って、ターゲットオーディエンスを特定しましょう。ターゲットオーディエンスは 1 つではない可能性もありますが、その場合は各グループを具体的に特定して、うまくアプローチできるようにしましょう。

オーディエンスに関する情報の例:

  • 過去の顧客データによると、顧客基盤は会社員の男女で構成されている。

  • 市場調査によると、SaaS 購入者のほとんどが 30 ~ 40 代で、大学を卒業している。

  • 競合分析によると、自社の製品は高所得者のニーズに合致している。

上記の情報から絞り込んだターゲットオーディエンスの例:

  • 大卒以上の学歴を持ち、年収 600 万以上の、30 ~ 40 代の男女。

ターゲットオーディエンスの属性がわかったら、そのオーディエンスの行動傾向を調べるためにさらに市場調査を行いましょう。オーディエンスがよく使っている SNS や、好きなものや嫌いなものの傾向、好みのユーモアのタイプなどを調査します。こうした詳細はどれもターゲットオーディエンスに特化したマーケティング戦略の作成に役立ち、製品に興味を持ってもらえる可能性も高まります。

ターゲットオーディエンスの例

以下のターゲットオーディエンスの例では、ブランドや製品によって異なる買い手のグループを示しています。ターゲット市場を定義することで、ターゲットオーディエンスも特定しやすくなります。

[インラインのイラスト] ターゲットオーディエンス (例)

1. SaaS 企業

  • 製品: CRM ソフトウェア

  • ターゲット市場: B2B 企業の幹部

  • ターゲットオーディエンス: テクノロジーに強い、50 歳以下の人事担当者

2. 出版社

  • 製品: 恋愛小説

  • ターゲット市場: 女性読者

  • ターゲットオーディエンス: 高学歴な 20 歳~ 50 歳の独身女性

3. スポーツ用品企業

  • 製品: ランニングシューズ

  • ターゲット市場: 日常的にランニングを行っているアスリート

  • ターゲットオーディエンス: 健康意識の高い、上位中流階級の 20 代~ 30 代男性

ターゲットオーディエンスで顧客とつながる

ターゲットオーディエンスに向けたマーケティングメッセージを考え、カスタマーエクスペリエンスを向上させましょう。綿密な市場調査に基づくメッセージを発信することで、アプローチしようとしている人々の共感が得られます。

プロジェクト管理ソフトウェアがあれば、マーケティングプランの実施もスムーズです。Asana を使えば、チームメンバーと共通のプラットフォームでスケジュールを作成、タスクの計画を立て、共同作業が行えます。強いキャンペーン戦略をうまく実行できれば、適切なオーディエンスにアピールでき、売り上げも向上します。

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