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ステークホルダー向けエンゲージメント計画 (SEP) はプロジェクトのステークホルダー (関係者) の関与と影響力の度合いを示します。また、SEP には、ステークホルダーとコミュニケーションを取る方法に関する情報も盛り込みます。この記事では、SEP がステークホルダーとの関係管理にどのように役立つのかに関して説明します。
ステークホルダーは金銭面の理由や戦略的な理由でプロジェクトに関与します。モチベーションに応じて、プロジェクトへの関心や影響力の度合いは異なります。そのため、ステークホルダーのニーズを基にコミュニケーションスタイルを調整して、最も影響力の大きなステークホルダーを優先する方法を知っておくことが重要です。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画のテンプレートがあれば、ステークホルダーが誰なのかや、その影響力ならびに関心の度合い、コミュニケーション戦略を簡潔に記せます。チームはこのテンプレートを使って、ステークホルダーのニーズを満たしたり、コミュニケーションにおける障害がプロジェクトやワークフローに支障をきたすことがないように対策を講じたりすることができます。この記事では、SEP がステークホルダー (顧客や投資家、エグゼクティブ) との関係管理にどのように役立つのかに関して説明します。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画 (SEP) は、プロジェクトのステークホルダーの関与と影響力の度合いを示します。また、SEP では、それぞれのステークホルダーにどのタイミングで連絡を取るのかや、どのプラットフォームを利用するのか、どれぐらいの量の情報を提供するのかなど、ステークホルダーとのコミュニケーションの概要を説明します。
ステークホルダーは、チームメンバーであることもあれば、あなたの仕事の影響を受ける外部の当事者が該当することもあります。
内部の関係者には、プロジェクトマネージャーやオペレーションチーム、部署の統括者、役員が含まれます。
外部の関係者には、顧客や投資家、サプライヤー、提携会社、シェアホルダーが含まれます。
ステークホルダーとのコミュニケーションは、プロジェクトの開始と同時に始まるため、プロジェクト計画の段階でエンゲージメント計画を作成します。プロジェクトに関してアイデアが浮かんだら、ステークホルダーが誰なのかに加えて、ステークホルダーがどれほど関与することを必要としているか (もしくは、求めているか) を特定しましょう。その後、プロジェクトの進展に合わせて SEP を調整し、ステークホルダーのニーズを満たしていきます。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画は、意見に耳を傾けるべきステークホルダーと、軽視してもよいステークホルダーを区別するものではありません。プロジェクトの計画に有益な情報を記し、コミュニケーションを最も必要とするステークホルダーとやり取りできるようにサポートすることが SEP の役割です。
同意や説明を重視するステークホルダーもいれば、指示を受けてはじめて資料にアクセスするステークホルダーもいます。SEP を作成する際は、影響力や関心の度合いに基づいて最も効果的な方法でコミュニケーションを取れるように、ステークホルダーを分類するとよいでしょう。
SEP には、コラボレーションを活性化できるメリットがあります。SEP をワークマネジメントソフトウェアに組み込むことで、チームは SEP を必要に応じて更新したり、SEP 業務を別の部署に割り当てたりできます。こうすることで、プロジェクトやメンバー間で自由に計画をシェアできるようになるのです。
プロジェクトのタイムラインを Asana で設定するステークホルダー向けエンゲージメント計画に必要な情報は、チームやステークホルダーの優先順位に左右されます。
SEP の主要な構成要素
ステークホルダーの氏名: ステークホルダーが誰なのかを特定します。
関心の度合い: プロジェクトへの関心の度合いやエンゲージメントのレベルに応じてステークホルダーを分類します。ステークホルダーのエンゲージメントレベルについては、以下の 5 つのレベルを参考にしてください。
影響力の度合い: プロジェクトへの影響力に応じて、ステークホルダーを「とても大きい」から「とても小さい」のいずれかに分類します。
コミュニケーションの頻度: ステークホルダーとコミュニケーションを取る頻度を特定します。
コミュニケーションチャネルのアプローチ: ステークホルダーとのコミュニケーションにどのコミュニケーションツールを使用するかを特定します。
情報の種類: ステークホルダーとのコミュニケーション時に伝える情報の種類を特定します。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画を作成する目的は、ステークホルダーの目標や動機に加え、ステークホルダーとのコミュニケーションに利用する手段を特定することです。
ステークホルダーが希望する方法でコミュニケーションを取る上で役に立つ、ステークホルダー向けエンゲージメント計画を作成するには、まずはステークホルダーが何を求めているのか、そして、ステークホルダーがどのようにプロジェクトに影響を与えるのかを理解する必要があります。てはじめに以下の手順に従い、SEP の作成に取り掛かりましょう。
ステークホルダーによって、プロジェクト開始段階での関与の度合いは異なります。この度合いは動機に左右されます。
たとえば、プロジェクトを統括する社内のエグゼクティブの場合は、自分の仕事がプロジェクトそのものの影響を大きく受けるため、関与の度合いは高いかもしれません。一方、金銭面での利害が少ない外部のパートナーの場合は、関与に消極的であり、プロジェクトの現状を事細かく伝える必要はないでしょう。
リーダー: プロジェクトを先導するステークホルダーは、プロジェクトの影響を理解しており、積極的に関与します。
サポート: サポート役のステークホルダーは、プロジェクトの影響を理解しており、プロジェクトを補佐します。
ニュートラル: ニュートラルな立場のステークホルダーは、プロジェクトの影響を理解していますが、プロジェクトにおいて反対の立場を取ることも、補佐することもありません。
抵抗: 抵抗するステークホルダーは、プロジェクトの影響を理解しているものの、変更に異議を唱えます。
無関心: 無関心のステークホルダーは、プロジェクトそのものや、その影響について把握していません。
ステークホルダーの関与の度合いを理解したら、プロジェクトへの影響力の大きさを特定できるようになります。Project Management Institute は影響力を「プロジェクトにおいてステークホルダーが持つ権力」と定義しています。ステークホルダーの影響力が大きい場合は、プロジェクトの主要な決定を下し、その他の関係者に行動を促す権限を持ちます。
とても大きい: とても大きな影響力を持つステークホルダーは、プロジェクトの主要な決定において非常に強い権限を持ちます。
大きい: 大きな影響力を持つステークホルダーは、その他の関係者の行動を決定する権限を持ちます。
中間: ある程度の影響力を持つステークホルダーは、意思決定プロセスに関与することがあります。
小さい: 影響力が小さいステークホルダーは、決定に対して意見を出したり、懸念を表明したりしますが、必ずしもその意見が考慮されるわけではありません。
とても小さい: 影響力をほとんど持たないステークホルダーも、希望する場合はプロジェクトに参加できますが、決定を左右する権限は持ちません。
ステークホルダーの影響力と関心の度合いを把握したら、つづいてステークホルダーを影響力と関心のレベルを記したグリッドに図示 (マッピング) していきます。このグリッドはステークホルダーに見せるべきものではありませんが、各ステークホルダーにとって適切なコミュニケーションのスタイルと頻度を特定する際に役立ちます。
4 つの主なステークホルダーのグループは以下のとおりです。
関心が強く、影響力が大きい。 「リーダー」「サポート」タイプのステークホルダーが該当します。主役級であり、ステークホルダーのリストにおいて特に重要な人物です。このタイプのステークホルダーとは定期的に連絡を取り、プロジェクトの詳細を伝えましょう。参加するステークホルダーの中で、最も重視する必要があります。
関心は高く、影響力は小さい。 このタイプのステークホルダーもまた、「リーダー」「サポート」役のグループが該当します。影響力は大きくないものの、主要な情報は逐一伝達し、状況に応じてさまざまな方法での参加を呼びかけましょう。プロジェクト管理ツールを使用すると、特別に作業を追加することなく、強い関心を持つステークホルダーと情報を共有できます。
影響力は大きく、関心は低い。この類のステークホルダーは「ニュートラル」「抵抗」のグループに属し、関与を維持するには説明が欠かせません。プロジェクトの変更を突然知らされると、より強く抵抗する傾向があるため、必要に応じて情報にアクセスできる環境を整え、プロジェクトのワークフローに影響を及ぼす可能性がある作業は必ず伝えましょう。
影響力は小さく、関心は低い。このタイプのステークホルダーは「無関心」グループに属します。影響力も関心も持たないステークホルダーには頻繁に連絡する必要はありませんが、プロジェクト管理ツールを介して月に一度は情報を提供するべきです。こうすることで、プロジェクトの重要な情報を伝えることができ、また、関与する機会を与えられるようになります。
ステークホルダーを「関心」「影響力」のグリッドにマッピングすることで、その影響力と関心の度合いに応じて、ステークホルダーとコミュニケーションを取りやすくなります。つづいて、これらのグリッドポイント (格子点) を用いて、コミュニケーション計画を策定する作業に移ります。
コミュニケーション計画は、ステークホルダーにプロジェクトを説明し、最新の動向を伝える方法を示すため、とても重要です。ステークホルダーがどのグループに属すにせよ、プロジェクトの関連情報にアクセスできる環境を用意する必要があります。その最善の方法として、すべての情報を一つの場所、たとえばプロジェクト管理ツールで管理するアプローチが挙げられます。ステークホルダーが、プロジェクトのステータスに関するリアルタイムのインサイトを求める場合でも、またはプロジェクトタイムライン全体を俯瞰することを望んでいる場合でも、プロジェクト管理ツールがあれば、ステークホルダー自身で情報を常に把握できます。
コミュニケーション計画は次の 2 つの手順を踏んで作成します。
各種のコミュニケーションチャネルを特定する。あなたのチームは普段どのコミュニケーションチャネルを利用していますか?それぞれのコミュニケーションチャネルの用途を突き止めましょう。
4 つのグループのステークホルダーがどのようなコミュニケーションを求めているのかを特定する。1 つのコミュニケーションのアプローチをすべてのステークホルダーに適用するのは得策ではありません。プロジェクトのライフサイクルにおいて、どのようにステークホルダーと連絡を取り合い、どのように説明するのかを検討するべきです。
たとえば、プロジェクトに対する関心の度合いが高く、大きな影響力を持つステークホルダーは、週に 1 度のペースでコミュニケーションを求める可能性があります。この状況では、プロジェクトの最新のステータスレポートをワークマネジメントツールを介して共有することで、ステークホルダーの期待に沿えます。
コミュニケーション計画を作成したら、プロジェクトチームと共有します。計画に変更を加えたら、忘れずに計画を更新し、変更点についてメンバーに伝えましょう。こうすることで、チームメンバーは常に最新の情報にアクセスできるようになります。
ステークホルダーはプロジェクトの進行中に言動を変えることがあります。そのため、「関心」「影響力」のグリッドに書き込んだ情報が絶対ではないことに留意しましょう。
実際に目の当たりにした言動の変化を基に計画を変更できます。さらに、計画をステークホルダーと共有し、フィードバックを求めることも可能です。ステークホルダーからフィードバックを得るには、あなたが何を知りたいのかを明確に伝える必要があります。
たとえば、コミュニケーション計画をステークホルダーに提供し、「このコミュニケーション計画は問題ありませんか?変更したい箇所はありますか?」と尋ねるとよいでしょう。
フィードバックを得る際に役立つその他のヒントを挙げていきます。
書面によるフィードバックを求める、または、エンゲージメントのプロセスに関する詳細な質問事項を記した正式なアンケートを提供する
社内のチームにエンゲージメント計画に関する意見を求める
エンゲージメント計画に加えた変更をステークホルダーとチームメンバーに伝える
ステークホルダーにとってより手間が少なく、都合がよい場合は、ビデオ通話でフィードバックを求める
以下に、情報を入力済みのステークホルダー向けエンゲージメント計画 (SEP) のサンプルを掲載します。SEP には、ステークホルダーの一覧や、ステークホルダーの関心と影響力の度合いを記すセクション、コミュニケーション計画の概要を記すセクションが設けられています。
以下から無料の SEP テンプレートをダウンロードして、次回のプロジェクトでエンゲージメント戦略を練る際にご活用ください。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画の無料テンプレートステークホルダー向けエンゲージメント計画を入念に練っておくと、チームへの情報伝達、およびステークホルダーへの説明が容易になります。SEP がもたらすその他のメリットを以下に挙げます。
期待事項を管理: プロジェクトの過程、およびプロジェクトの各フェーズで何が期待されるかをステークホルダーが理解できるようになります。
プロジェクトリスクを軽減: プロジェクトの成功を危険に晒す大きな変更の実施をステークホルダーが避けられます。
信頼の構築: チームメンバーとステークホルダーの間に強固な信頼関係を築きます。
意思決定プロセスを改善: 次のステップに進む際のステークホルダーのニーズと要望を予測しやすくなります。
シナジーを促進: チームがコミュニケーションを取る際に、協力し、より効果的に仕事に臨めるようになります。
ステークホルダー向けエンゲージメント計画は、プロジェクトを成功させる上で欠かせません。コミュニケーションを各ステークホルダーのニーズと要望に合わせると、すばらしい成果を得られます。
さまざまな機能を備えた Asana を使えば、エンゲージメント戦略の立案や計画の共有に加え、プロジェクトに沿って計画を行動に移せます。Asana では、マーケティングキャンペーンから、プロジェクトやクライアントとの関係構築にいたるまで、あらゆるイニシアチブを 1 つの場所で策定できます。
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