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ビジネスにおける「サイロ」とは、情報の流れが最小限にとどまり、会社の他の部分から隔離されてしまったチームのことを指します。この記事では、チームのサイロ化を防ぐためのテクニックをいくつかご紹介します。
多くの企業では、機能ごとにチームが分かれます。これは「組織構造」と呼ばれるもので、必ずしも悪いことではありません。適切なツールや連携システムがないと、機能ごとに分けられたチームはサイロ化してしまいます。サイロ自体もビジネスにおいてそれほど悪いものではありませんが、完全なサイロが出来上がってしまうと、コミュニケーション問題の原因となりえます。
ビジネスにおける「サイロ」とは、会社全体の情報の流れから切り離されたチームや部署、グループのことを指します。これは意図的に行われることもあれば、自然とそうなってしまうこともあります。サイロができてしまう主な原因は、チームが仕事をするためにそれぞれ独自のプロセスやツールを用いることにあります。こうした原因からエンジニアチームのワークフローとマーケティングチームのワークフローはまったくの別物になってしまい、双方のチームがサイロ化してしまうのです。
個人でもサイロ化することはあります。会社の各メンバーがそれぞれ、チームや会社に関する重要な情報を持っているというような状況はサイロ思考を助長します。サイロ思考とは、個人やチーム間で知識を共有しないという考え方であり、コミュニケーション問題の原因となったり、コラボレーションの妨げとなる可能性があります。個人が意図的にサイロ化することはほとんどありません。小さなチームが規模を拡大していくときなどに、プロセスがきちんと文書化されていないために、勤続年数の長いチームメンバーが意図せず情報のサイロになってしまう、というのが一般的な例です。
サイロは意図的に形成されるものもあれば、そうでないものもあります。以下は、一般的なサイロの例です。
部門のサイロ: これは、1 つの部門が他から切り離されている状態を指します。職務ごとにグループをまとめている企業は多いため、これは最も一般的なサイロと言えるでしょう。
地位や階層のサイロ: これは、個人やチームがそれぞれの戦略や目標などの重要な情報を、階層の異なるメンバーに知らせない場合に発生するサイロです。
拠点のサイロ: チームがオフィスの拠点ごとに分けられている場合に発生するサイロです。同じオフィスで働くメンバーとはその場で情報を共有して、その情報を他の拠点のメンバーと共有するのを忘れてしまうといったことが起こりえます。
スケジュールのサイロ: 異なるシフトや時間帯で働くメンバーの間では、働く時間帯によって情報のサイロが発生してしまう場合があります。たとえば、日勤のメンバーには最新の情報が伝えられ、夜勤のメンバーには伝えられない、といったことが起こります。
本質的には、サイロは悪いものではありません。部門ごとに組織的な構造をつくることは重要なことです。よいサイロは、よいカルチャー、効果的なコミュニケーション、効率的な働き方を促進します。
しかしながら、グループ間の縄張り争いや、不明確なビジョン、不十分なコミュニケーションなどによって、サイロが悪い方向へと進んでしまうこともあります。悪いサイロは、行われるべきやり取りの減少、仕事の重複、変化への抵抗感増加など、悪い影響をもたらします。このような場合はサイロを壊し、チーム間をつなぐ橋を作ることが重要です。
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サイロが形成される原因はさまざまですが、ここでは原因の一部と、そのサイロを解体し、会社でのコラボレーションを促進するための解決策をご紹介します。
チームリーダーのサイロ思考は、そのチームで働く部下にも伝染していきます。模範となる上司の姿は伝染していくものであり、リーダーがあるチームに対してネガティブな態度を取れば、それはたちまち部下にも影響を及ぼします。これは不必要な競争や、ミスコミュニケーション、敵対的な職場環境の原因になります。
解決策: リーダー層と話し合う際に、明確な会社規模の目標を立てましょう。そうすることでリーダーは最終的な目標は何で、自分のチームの目標は会社全体から見てどのように貢献しているのかはっきりと理解できます。また、各チームがそれぞれどの部分を受け持っていて、なぜ協力する必要があるのかということも理解しやすくなります。大事なのは競争し合うことではなく、大きな目標を達成することです。
一元化されたツールがない場合、各チームはそれぞれ独自のツールやプロセスを使って作業を行うことになります。これは、その各部門の中で働く分には問題ありませんが、部門をまたいで働く場合に問題となることがあります。他のチームは同じプロセスで働いているとは限らず、そこから情報のサイロが生まれます。
中心となる記録システムがなければ、部門横断チームが情報を共有したり、コミュニケーションを取ったりすることはできません。チームはコミュニケーション用プラットフォームの違いやミスコミュニケーションによって情報を失い、最終的には期日の超過や、文書の紛失、仕事の重複につながります。
解決策: ワークマネジメントプラットフォームを使って中心となる記録システムを構築しましょう。チームのコミュニケーション手順に関する決まりがない場合は、チェンジマネジメントの手法を使って会社の全員がプラットフォームの使い方を覚えられるようにしましょう。ワークマネジメントプラットフォーム導入後は、新入社員のオンボーディング時にプラットフォームの使い方についてもトレーニングを行うようにしましょう。しっかりトレーニングを行うことで、どんな内容の話はどこでするべきか、チームはどのようにコラボレーションすべきかといったことが正しく認識されます。
共通の目標を達成するために、チームメンバーに動機づけを行うことはよくあります。しかし、動機づけの内容と会社の目標が合致していないと、チームメンバーは報酬を得るためだけに努力する可能性があります。
たとえば、リーダーがマーケティングチームに対して動機づけを行うとします。チームリーダーはメンバーに、特定のウェビナーへの参加者を 1 人獲得するたびに、少額のボーナスを与えると伝えます。これは一見、参加者を増やすよい作戦にも思えますが、メンバーはこのシステムを悪用して、どんな人でもとにかくウェビナーに参加させることでボーナスを稼ぐことができます。こういった外発的動機づけは必ずしも悪いものではありませんが、それが唯一の動機であってはうまくいきません。
解決策: 報酬制度のような外発的動機づけを行う場合は、それが会社全体の目標に具体的に結びついていることを確認しましょう。また、メンバー個人の内発的動機づけも重要です。特定のプロジェクトや仕事に興味を示しているメンバーがいたら、その好奇心を育て、関心を高めるようにしましょう。
共通の目標を持たないチームは、レーダーを装備せずに航海する船のようなものです。共通の目標がない場合、それぞれの部門は他のチームと相談せず、各自で戦略を立てることになります。仕事を俯瞰的に見ることができない状況では、仕事の重複や非効率的なプロセスが発生しやすく、統制の取れていない職場環境になってしまいます。
解決策: チームの目標を立て、それがどのように会社の目標とつながっているかを明確に示しましょう。チームが取り組む仕事と会社の目標のつながりを示してくれるコラボレーションツールが便利です。
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ここでは、悪いサイロの形成を防ぎ、部門を越えたコミュニケーションを促進するためのヒントをご紹介します。
サイロを解体する一番簡単な方法は、明確なコミュニケーションの橋を作ることです。こういった取り組みがリーダー層から始まれば、情報はどのように流れるべきなのか、チームコラボレーションはどのように行われるのか、組織文化が目標達成にどのように役立つのか、会社全体にお手本を示すことができます。リーダー層がお手本となって導くことで、部下もその慣習をまねるようになります。効果的にコミュニケーションを取れるメンバーが増えれば増えるほど、会社はよくなります。
他のチームとも一緒に働きやすく、やり取りしやすい環境を作りたいのであれば、そうする機会を与えましょう。特定のプロジェクトへ向けて、複数の部門から人を集めたタイガーチームを作ったり、定期的に部門の異なるパートナーを集めて絆を深めるようにしましょう。他の部門とのコミュニケーションの取り方を決めて、長続きするパートナーシップの基盤を深めましょう。
チーム間で情報を共有する際は、中心となる一つの記録システムがあると便利です。部門横断チームが取り組んでいるさまざまな仕事に誰もがアクセスできれば、サイロははるかに形成されにくくなります。こうした透明性によって、部門横断チームは協力して戦略を立てることができます。
目標はただ立てるのではなく、チームが実際に達成できる目標を立てることが重要です。SMART な目標や OKR などの手法を使って測定可能な目標を立てることで、部門横断チームのリーダーがそれぞれ相補的な戦略を立て、仕事の重複を防ぐことができます。 目標が決まったら、チームが取り組む仕事をその測定可能な目標と結びつけます。チームの仕事と測定可能な目標を直接つなぐことで、チームメンバーは自分の仕事の重要性を認識できます。
意思決定において、1 つのチームが権力を行使すべきではありません。協力して働くチームが相互に抑制し、均衡を保てる方法を確立し、単独での意思決定が行われないようにしましょう。あまり一般的ではありませんが、リソースの多いチームや利害関係の大きいチームが、他のチームを支配するといったことも起こりえます。集団意思決定のテクニックを使えば、所属チームにかかわらず全員の発言権を確保できます。
部門横断コラボレーションを促進し、組織構造を最適化して、チームの連携を保ちましょう。チームが協力できる環境が整えば、重複した仕事やチーム間の人間関係に費やす時間が減り、目標達成に必要なスキルベースの仕事に集中できます。
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