AI スタジオが登場: AI エージェントがあなたの代わりに雑務を処理するワークフローを構築しましょう。詳しく見る

組織開発: 組織の全体像をつかむ

寄稿者 Sarah Laoyan の顔写真Sarah Laoyan
2024年1月12日
facebookx-twitterlinkedin
組織開発: 組織の全体像をつかむ記事バナー画像
テンプレートを表示

概要

あらゆる有機体と同じように、成功するビジネスは常に適応し、成長していきます。ビジネスが停滞気味なら、組織を全体的に見直してみると良いかもしれません。組織開発は、ビジネス機能を改善するのに役立つ、行動科学研究の一種です。

長年にわたって事業を営んでいる企業について考えてみてください。全盛期には、多くの成功をつかみ、製品は勢いよく売れていきました。しかし、近ごろ、事業は低迷しています。絶頂期に使っていた戦術はもはや効力を失い、経営陣は当時の勢いを取り戻す方法がわからず困り果てています。

ビジネスは、常に適応し成長していくという面で、人間と非常によく似ています。したがって、以前効果を発揮していた戦略でも、環境が変わると役に立たない場合があります。経営陣が長期にわたってビジネスの競争力を効果的に維持できる方法の一つに、組織開発という手があります。

組織開発とは?

組織開発 (Organizational Development: OD) は、人の働き方を改善することを目指す、行動科学研究の一種です。ビジネスで現在使用しているプロセスを改善したり、チームが変更を起こす場合に新しいプロセスを作成したりすることが目的です。

企業の一員なら誰でも組織開発を実践できます。組織開発は、経営陣が企業文化全体に浸透させると一番大きな効果を発揮するものですが、1 つのチームや 1 人の従業員が個別に実践することも可能です。

組織開発と人事の違いとは?

組織開発は人事のサブセット (または一機能) であると聞いたことがあるかもしれませんが、実際にはもう少し微妙な違いがあります。

人事部の仕事は個人を対象としたものです。人事チームのメンバーは、組織を構成する各個人とそれぞれのニーズを支えることに注力します。一方の組織開発は、どちらかと言えば、チームがビジネスを成功させるために実行する戦略に焦点を置きます。人事担当者は多くの場合に組織開発について学びますが、組織開発は人事に含まれるものではなく、その戦略の一つとして人事を内包するものです。たとえば、人事担当者は、組織開発戦略の一環として、よりポジティブな企業文化を築くための方法に取り組むことが考えられます。

組織開発の一般的な戦略

組織開発プロセスは組織によって変わります。人間の体と同じように、すべての組織もそれぞれが異なるため、戦略は 1 つの組織に効果的であっても、他の組織には効果がないということもあるでしょう。組織開発プロセスを実践すると、組織を全体的に見ることによって、さまざまな戦略を適用できます。そうすることを「介入する」といいます。

組織開発による介入とは?

組織開発による介入とは、チームがビジネスの具体的な問題を解決するために使う、さまざまな戦術のことです。

組織開発では一般的に、以下のような介入が行われます。

個々の従業員のキャリア開発に向けた介入:

組織構造に関する介入:

人間関係に関する介入:

組織開発を行う 7 つのステップ

組織開発のプロセスには、7 つのステップがあります。

  1. スタート: チームと一緒に現在の問題を詳しく調べます。改善したい主な課題を観察したり、それについてブレーンストーミングしたりするだけの場合もあります。

  2. 診断: 現在のプロセスの仕組みを理解し、記録します。これは、変更を加える前に、現時点での組織の有効性について把握する上で重要となります。このステップは、評価指標のベンチマークを設定するのに欠かせません。

  3. データの収集と分析: このステージでは、OD 担当者がデータを集め、問題の証拠を提供します。従業員とのインタビューや既存のプロセスドキュメント、現在使っている成功の評価指標、また基準となる指標などがデータとして使われます。このステージでは、必ず KPIOKR の両方を確立しましょう。そうすると、加えた変更にどの程度効果があるのかを簡単に評価できるようになります。

  4. フィードバック: OD 担当者は、分析結果を確認し、ステップ 2 と 3 で収集したデータを分析することによって、チームの現在のプロセスについてフィードバックを提供します。そして、OD 担当者は、プロセス改善の策を提案します。

  5. 介入の仕方を設計する: このステージで、OD 担当者は現状を変える戦略を立てます。そうした介入策を設計するとき、OD 担当者は、それらを一定の期間内に実行できるよう、会社の目標や組織のキャパシティを考慮する必要があります。

  6. 変更を実践し、管理する: すべての介入策を打ち立てたら、次はそれらを新しいプロセスとして導入します。変更がスムーズに行われ、課題があれば適切に対処できるよう、チェンジマネジメントプロセスを活用します。これは、チームの立て直しや、合併または買収といった、大がかりな組織変更など、大規模な変更プロセスを実行する場合、特に重要となります。

  7. 評価: どの戦略を変更するときにも共通して言えることですが、成功の評価指標を評価することによって、パフォーマンスをモニタリングするとよいでしょう。

組織開発における 4 つの基本原則

OD 担当者は組織全体を総体的に見ます。また戦略が期待どおりに効果を発揮するよう、基本原則に従うことが重要になります。まずは、組織開発の中核となる 4 本の柱を見て行きましょう。

  1. ミッションステートメント: 会社は誰をターゲットにするか、何を目標にしているか、またその理由を簡単に説明した宣言文。

  2. ビジョンステートメント: ミッションステートメントが「誰が」「何を」「なぜ」を記載するのに対して、「どのように」を記載するもの。

  3. 会社の目標: チームに達成してほしい、評価可能な結果。

  4. 戦略: チームの今後 3~5 年の計画。

組織開発のメリット

組織開発ではビジネスを総体的に見るため、以下のようにさまざまな良い結果につながる可能性があります。

  • 生産性の向上

  • 効率の向上

  • 従業員の成長および定着率の向上

  • 製品の品質の向上

  • コミュニケーションの向上

  • イノベーションの促進

組織開発は誰でもできます

組織開発は、誰か 1 人の責任ではなく、組織全体による総体的な取り組みです。すべての従業員が一丸となって会社の組織開発を進めれば、会社全体の作業効率と生産性が保証されます。

組織開発を行うには、たくさんのドキュメントと部門間コラボレーションが必要になります。Asana のようなワークマネジメントツールを使って作業と期日を追跡しましょう。Asana を活用すれば、チームは 1 か所で関係者に最新情報を周知し、ドキュメントを管理し、プロジェクトのプロセスを伝えることができます。

Asana でチームを強化

関連リソース

記事

コンティンジェンシープランとは?適切な策定方法とそのヒントを解説