成功するイベント企画書作りの 7 つのステップ [無料テンプレート付]

Asana チーム 寄稿者の画像Team Asana
2024年9月16日
facebookx-twitterlinkedin
成功するイベント企画書作りの 7 つのステップ (テンプレート付) 記事バナー画像
テンプレートを表示

概要

履歴書のように、イベント企画書はあなたのイベント運営のスキルや経験をアピールし、関係者がイベントの運営者を決定する際の検討材料となります。Asana のイベント企画書テンプレートを使い、7 つのステップをこなして、インパクトのある企画書を書きましょう。

業界向けのセミナーを開催する場合でも、展示会のスポンサーを募集する場合でも、成功するイベント企画書には、関係者がそのイベントが成功すると信じるべき理由が書かれています。

しかし、効果的な企画書を作成するためには、単にイベント運営のスキルが高いだけでは足りません。見込み客や関係者の心をつかむには、説明文、視覚的要素、全体的な流れをバランスよく取り込んだ企画書が必要です。そこで、これから紹介する 7 つのステップとベストプラクティスを活用して、企画書に必要な要素を盛り込み、ライバルに差をつけましょう。

イベント企画書の構成要素とは

イベント企画書とは、新しいイベントの企画に必要なあらゆる要素をまとめた包括的な文書です。一般的には、イベントマネージャーを必要とする提案依頼書 (RFP) に対応して作成しますが、主要な関係者に会社の機能を売り込んだり、近々開催されるイベントのスポンサーを集めたりする場合にも役立ちます。

イベント企画書の内容は以下のとおりです。

  • イベントの目的

  • 関わる個人またはサプライヤー

  • イベント運営のロジスティクス

イベント企画書は、履歴書と同じように、あなたのユニークなスキルやイベント運営能力をアピールするツールです。これは、見込み客や関係者がイベントの運営を誰に任せるかを決める際に参考資料として活用されます。イベントを成功させるために、どのような要素を盛り込むかを、クライアントに確認してもらう機会にもなります。

効果的なイベント企画書には、イベントに関する明確で簡潔、かつ包括的なビジョンが示されています。エレベーターピッチをイメージするとわかりやすいかもしれません。これから紹介する 7 つのステップを参考に、説得力のある企画書を作成し、関係者の心をつかみましょう。

Asana でイベントを計画する
[インラインのイラスト] 成功するイベント企画所作りの 7 つのステップ (インフォグラフィック)

1. 見込み客や関係者と打ち合わせをする

提案書の作成に取りかかる前に、見込み客がイベントに対して何を求めているのかを明確に把握することが大切です。まずは打ち合わせを行い、このイベントにどんなことを盛り込みたいのかを確認しましょう。

明確にすべき事項は以下のとおりです。

  • イベント名

  • イベントの種類

  • イベントの目的

  • 参加人数

  • 日時と希望する場所

  • テーマ、全体的なデザイン、色、または雰囲気

  • イベントを通じて実現したいこと

ここで重要なのは、見込み客や関係者がプロジェクトのこの時点で明確な要望を持っていない可能性があるということです。だからこそ、イベント企画のプロを探しているのかもしれません。過去の実績をまとめたポートフォリオ、色見本、ムードボードなど、クライアントに興味を持ってもらえるような資料を用意します。相手が関心を持ちそうな要素があればメモし、自分のアイデアも積極的にアピールしましょう。

どのようなビジネスミーティングでもそうですが、見込み客には良い印象を残しておきたいものです。このようにイベント関係者と会うときは、毎回きちんとしたビジネスエチケットを守りましょう。

2. 自分を売り込む

イベント企画書の作成は、まず自己紹介とイベントチームの紹介から始まります。

自己紹介には次のような内容を含めるとよいでしょう。

  • 自分の経歴の概要

  • イベント開催経験や資格

  • 作業範囲

  • 会社名 (該当する場合)

  • 関連する認定資格

  • ライセンス (該当する場合)

  • 推薦者や関連会社

  • 取引先関係者

  • 納税者番号など (該当する場合)

  • この仕事に適していることを実証する過去の受賞歴

クライアントは、さまざまなプランナーから複数のイベント企画書を受け取り、検討している可能性があります。このセクションでは、ライバルに差をつけるスキルは何か、そして、このイベントでクライアントのニーズに最も応えられるスキルは何か、に焦点を当てましょう。

3. アピール力のあるイベントの説明を書く

自己紹介が済んだら、企画書の本題であるイベントの説明に移りましょう。この説明文では、イベントをどのように実施する予定なのかをまとめて説明します。

説明文には以下の内容を記載します。

  • イベントの目的

  • クライアントとの過去の会議で話し合われた内容や期待事項

  • プロジェクトの全体的なタイムフレーム

  • 候補となる会場、ケータリング業者、その他のサプライヤー

  • テーマ、色、雰囲気など、全体的なビジョンとその実現方法

イベントの説明は、単にイベントのロジスティクスを説明するものではありません。イベントが成功することをクライアントや関係者に説得するチャンスでもあるのです。文章を書くのが得意でない場合は、あなたのビジョンをうまく言葉にできる人を雇い、このセクションをできるだけ説得力のある内容に仕上げましょう。

また、参考になる写真やムードボード、カラーパレットなどを添えて、クライアントがイベントをイメージしやすいようにするのもよいでしょう。クライアントのニーズを第一に考えて、イベントの説明文を作成しましょう。

4. 提供するすべてのサービスをリストアップする

このリストでは、見込み客や関係者に、イベントでどのようなサービスを提供するのか、詳しく説明します。また、利用する予定のサプライヤーも記載します。このリストには、テーブルクロスからパーティーグッズまで、イベントに必要なものをすべてリストアップしなければならないので、リサーチ不足は禁物です。

食事会や誕生日会など、小規模なイベントであれば、箇条書きや表を使って、チームが提供するサービスをリストアップします。結婚式や会社全体が参加する忘年会のような大規模なイベントを計画している場合は、イベントの各部分を分割してリストアップします。

5. 過去の実績をアピールする

もし、まだ関係者があなたのビジョンに全面的に納得していないのであれば、この機会に、あながたがイベントを企画すれば必ず満足してもらえると説得しましょう。以前にも同じようなイベントを企画したことがあるなら、写真やクライアントの声などを添えて、その成果をアピールしましょう。

過去の実績を視覚的にアピールすることで、見込み客に自分の能力を認識してもらい、自分のスタイルが見込み客のイメージとマッチしていることを証明できます。また、過去の実績を比較対象として見せることで、関係者がイベントに対して求めること、求めないことを把握するきっかけにもなります。

6. 提案する費用を含める

当然ながら、クライアントや関係者は、イベントにかかる費用を知りたいと思うでしょう。関係者がイメージしやすいようにイベントを説明した後、イベントの各要素にかかる費用とその目的を具体的にまとめます。

このセクションでも、できるだけ細かく説明することを心がけます。提案書に含まれていない予想外の費用が発生し、クライアントを驚かせるような事態は避けたいものです。たとえば、料理を温める調理器具や、レンタルした機材の設置費や運搬費など、どんなに些細なものでも忘れずに記載しましょう。また、早期予約割引など、割引を受けられる可能性のある場合も記載しておくとよいでしょう。

記事: プロジェクトを成功に導く要件収集の 6 つのステップ

7. イベントポリシーを記載する

必要に応じて、顧客の要望を適切に管理するために、イベント企画書の終わりにイベントポリシーを記載します。

具体的には、以下のような内容を記載します。

  • 最低保証人数

  • 企画書の期間限定特典

  • キャンセルポリシー

  • レンタルまたは破損に関するポリシー

  • 支払い期限

最後に、見込み客や関係者に、一緒に仕事をする機会を与えてくれたことを感謝する言葉を添えて、企画書を締めくくりましょう。見込み客が質問をしたいとき、あるいはあなたに依頼したいときに連絡できるように、連絡先を忘れずに記載しましょう。

イベント企画書テンプレート

企画書を作成する際に、このテンプレートを一般的なガイドとしてご利用ください。ただし、イベントはそれぞれユニークなものなので、求められる情報が異なる場合もあります。このイベント企画書テンプレートは、クライアントのニーズに合わせて調整してください。

また、企画書にオリジナル性を持たせることで、ライバルに差をつけられます。もし可能であれば、クライアントのロゴやブランドカラーを文書全体に取り入れるとよいでしょう。

イベント企画書の無料テンプレートをダウンロードする

イベント企画書づくりのベストプラクティス

イベント企画書は、紙に書かれた情報以上の価値があるものです。次に、オーディエンスの興味を引き、心をつかみ、そして情報を伝えるために、イベント企画書のベストプラクティスをご紹介します。

ストーリーを伝える

ストーリーを伝えることで、クライアントは感情移入しやすくなり、興味がわきやすくなります。イベントの説明文は、クライアントが物語の主人公になるように書きましょう。あなたが協力することで何が達成できるのか、もし他のイベントプランナーに依頼したらどうなるのかを説明しましょう。

ストーリーを構成するために、次のような点について考えてみてください。

  • あなたがイベントを企画することで、主人公 (顧客や関係者) は感情的、社会的、実質的にどのようなメリットを得られるのか。

  • どのような障害に直面する可能性があるか。ガイド役として、どのようにこれらの障害を予測し、克服する手助けをするのか。

  • 主人公が成功した場合、報酬はどのようなものになるのか。

[インラインのイラスト] イベント企画書でストーリーを伝える (インフォグラフィック)

ストーリーにメリハリをつけることで、イベントに命を吹き込むことができます。また、ストーリーの中に自分を登場させることで、クライアントとの間に、他のパーティープランナーでは築きにくい感情的なつながりを築けるのです。

説得力と情報量を重視する

イベント企画書は、包括的で細部にまでこだわったものであることが大切です。企画書が文字ばかりでごちゃごちゃしていると、クライアントがあなたの企画力を勘違いする原因になりかねません。

それよりも、見た目のインパクトにこだわった企画書を作成することで、関係者に好印象を与え、処理時間を短縮できます。人は見たものの 80% を記憶すると言われているので、クリエイティブな視覚要素を取り入れることは、ライバルに差をつける近道なのです。たとえば、このようなものが考えられます。

  • グラフィックデザインの要素: Adobe Illustrator や Canva などの無料ツールで、遊び心のあるグラフィック要素を加えて、企画書にちょっとした工夫を加えてみましょう。プロに任せたい場合は、フリーランスのグラフィックデザイナーに依頼するのもいいでしょう。

  • 視覚的レイアウト: 大量の文章に目を通すのは、誰にとっても苦痛なものです。ロゴ、過去のイベントの写真、カラーパレット、グラフ、チャートなど、効果的な視覚的要素を使うことで、企画書をわかりやすく仕上げられます。また、しゃれたヘッダーや画像は、企画書の方向性を決めるのに役立ちます。

  • モーショングラフィックス: 動画、スライドショー、画像カルーセル (スライドショー) などを使えば、重要なポイントを強調しながら、クライアントの関心をひきつけることができます。

イベント企画書の目的は、イベントのビジョンをクライアントの要望や目標にどれだけ近づけられるかを伝えることです。クライアントが興味を持ちそうな要素は何かを考え、視覚的な要素を詰め込みすぎて、相手を驚かせないように気をつけましょう。

オーディエンスに合わせて書く

イベント企画書を作成する際には、クライアントや関係者がイベントによって何を得られるのかを考える必要があります。それを詳しく説明すればするほど、効果的な企画書が出来上がります。

時間をかけて、クライアントのイベント、ビジョン、ビジネスのニーズ、要望などを、徹底的にリサーチしましょう。これらのことをきちんと理解していることをアピールできれば、企画書の基礎が固まります。もし、クライアントの立場に立って考えることが難しい場合は、読み手にあなた自身や会社をどのように認識してもらいたいかを考えてみてください。

ヒント: イベントの企画書を書く際には、クライアントが使用する用語をデフォルトで使用しましょう。たとえば、オフィスの懇親会のことを「ハッピーアワー」と呼ぶのであれば、企画書では「ハッピーアワー」と表記しましょう。

独自の価値観を強調する

企画書はクライアントのために書くものですが、自分自身やイベントがもたらす独自の価値観に焦点を当てることも、企画書で優先すべきことなのです。

企画書全体を通して、これらの価値観を強調することで、読み手に「このイベントに投資すべき理由」を具体的にアピールできます。

ロジスティクスを計画する

資格やこだわったイベントの説明文を披露して関係者の心をつかんだら、次にイベントを効果的かつ効率的に成功できることを証明しなければなりません。

イベント企画書を作成する際には、イベントを詳しく説明し、ロジスティックへの対応力をアピールしましょう。イベントをスムーズに成功させるために、すべての要素をどのようにまとめ上げるかを、具体的に説明すると効果的です。

予算をはっきりさせる

お金の話をするのは苦手な人が多いのですが、予算について前もって話しておかないと、後々大きな誤解を生むことになりかねません。幸いなことに、イベント企画書のこのセクションをスマートにまとめる方法がいくつかあります。

これまで、イベント企画書のベストプラクティスを紹介してきましたが、予算もその他のセクションと同じように、クライアントの価値観と結びつけながら提案すると効果的です。クライアントのニーズ、イベントのビジョン、そして期待される効果に合致した費用を提示しましょう。たとえば、5 コースディナーは王族の結婚式にはふさわしいかもしれませんが、カジュアルなイベントには少し大げさかもしれません。

イベントの予算を提案する際には、透明性がキーポイントになります。正直で現実的な選択肢を提示することで、あなたと見込み客の間に信頼関係を築けます。その際、リストを以下の 3 つのセクションに分けることをおすすめします。

  • 高価格帯と低価格帯のオプションを含む柔軟な費用案

  • ハードコスト

  • サービス料金

クライアントや関係者にとってコストが決定打になることが不安な場合は、高価格と低価格の予算を提示し、ニーズに応じて最適なものを選んでもらえるようにしましょう。

一流のイベント企画書で、仕事を獲得する

トップクラスの企画書には、徹底したリサーチの結果と詳細なリスト、わかりやすい説明文、効果的な視覚要素がバランスよく盛り込まれています。企画書を作成する際には、自分の提案やイベントのビジョンだけでなく、それがクライアントの価値観や期待にどのように結びついているのかを忘れずにアピールしましょう。

採用されたら、企画書を使ってイベント運営のプロセスを効率化しましょう。イベント計画用のテンプレートを使えば、サプライヤーとのコミュニケーション、予算の管理、チームのスケジュールなどをスムーズに行えます。

Asana でイベントを計画する

関連リソース

記事

RFI とは何か?RFP との違いやテンプレートを紹介