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アフターアクションレビュー (AAR) は、プロジェクトやイベントをレビューすることにより、発生した事柄、それが発生した理由、そして、それを改善する方法を理解するための手法です。プロジェクトやチームの強みや懸念事項を浮き彫りにするのに使えます。この記事では、AAR を使って、過去から教訓を学び、今後にむけて改善を遂げる方法について説明します。
仕事が山積みになっていると、1 つのプロジェクトを終わらせて、すかさず次のプロジェクトに飛び乗ることになるでしょう。他のメンバーのためにも、期日は守る必要があります。すると、予定から遅れないように、スピーディーに仕事をこなそうとします。しかし、期日を守ることよりも大切なことがあります。そうです、プロジェクトのパフォーマンスです。
最高の成果を上げるには、振り返る時間が必要です。過去のプロジェクトを振り返れば、将来のプロジェクトでよい結果を出せます。アフターアクションレビュー (AAR) は、各プロジェクトの移行期間としての役割を果たし、プロジェクトの良かった点と悪かった点について評価するための時間となります。
アフターアクションレビュー (AAR) は、プロジェクトやイベントをレビューすることにより、発生した事柄、それが発生した理由、そして、それを改善する方法を理解するためのツールです。正しく使用すれば、プロジェクトやチームの強みや懸念事項が浮き彫りになります。
AAR を実施すると、以下のようなことに関するインサイトが得られます。
チームコミュニケーション: チームは、仕事を効果的に達成できる方法でコミュニケーションをとれているか?
稼働率: タスクを期日までに完了させるのに十分なチームメンバーが揃っているか?
プロジェクトのリソース: プロジェクト成果物を制作するためのリソースは十分にあるか、またそれは正しく割り振られているか?
役割と担当業務: チームメンバーは、それぞれの役割と担当業務を正しく実行し、協力し合って業務を成し遂げているか?
AAR は、プロジェクトの終わりに実施するもので、今後類似のワークフローや機能が使われるプロジェクトでよい結果を出すことを目的に行われます。たとえば、AAR を実施したことにより、チームがリソースの割り当てに苦労したのは戦略に不備があったためだと分かれば、今後のプロジェクトに向けて新しい割り当て戦略を立てることができます。
Asana のワークマネジメント機能を試すアフターアクションレビューは、4 つのフェーズからなるフレームワークでプロジェクトワークフローと同じように扱えます。各フェーズには、それぞれ実行に移せる振り返りと改善を促進するステップがあります。
AAR を構成する 4 つのフェーズは、以下のとおりです。
計画: AAR の主要事項をはっきりさせる。
準備: プロジェクトの調査結果を集め、AAR のアクティビティを計画する。
実践: 振り返りを実践し、AAR を分析する。
周知: 振り返りに結果を整理し、レポートを書き、アクションプランを作成する。
以下の各ステップを踏んで、AAR の各フェーズを詳しく理解し、プロジェクトの全体的なパフォーマンスに関するインサイトを得ましょう。
計画フェーズでは、AAR を構造化します。プロジェクトは数多くの要素を伴うため、改善策を探る方法を特定することが重要になります。
スコープと目的と定義する:
AAR では、すべてのチームメンバー、関係者、予算アイテム、マイルストーンを分析する必要はありません。AAR から最大限にインサイトを引き出すには、スコープを定義し、達成したいと思う事柄について、それを目指す主な目的を立てます。レビュープロセスを開始するにあたり、何を求めているのか、また何を教訓として学びたいのかは、基本的にはっきりしているはずですので、そうした考えを目的として使うとよいでしょう。
関係者を特定する:
関係者とは、アフターアクションレビューのプロセスに関与するメンバーとレビューの結果として得られるインサイトの影響を受けるメンバーを指します。対象となるプロジェクトのチームメンバー、顧客、クライアント、関係者、さらにはプロジェクトに関与するエグゼクティブなどが含まれると考えられます。こうしたメンバーを意識しながら AAR を実施すると、視野がとても広がるでしょう。
準備フェーズでは、AAR プロセスの大部分を実践するための情報や資料を集めます。また、このフェーズでは、計画フェーズで特定したプロジェクトの各構成要素を分析する際には、どのようなアクティビティを行い、どのような質問をするかについて、チームと話し合います。
調査を行う:
準備フェーズで行う調査では、AAR の次のフェーズでチームが質問に答えやすいように、プロジェクトの資料を収集します。チームがプロジェクトの予算とリソースをどのように管理したかを知るために AAR を実施するのであれば、予算提案書にアクセスして、使用されたベンダーを調べ、購入のレシートや予算に関するコミュニケーションのログを確認するとよいでしょう。
ワークショップで使う素材を集める:
チームは、対象となる AAR プロジェクトやトピックにはどのようなワークショップアクティビティが最適かについて、ブレインストーミングを行うことができます。大規模なプロジェクトタイムラインの問題点を探すのなら、イベントストーミングや問題点のマッピングなどが便利です。そうしたアクティビティには、ホワイトボードと付箋が必要になります。少ない素材でできる「What, So What, Now What? (何が、だから何、これからどうする?)」というゲームを試してもよいでしょう。この振り返りモデルは、チームがさまざまなレベルで振り返りを実践して、解決策を発見するのに役立ちます。
実践フェーズでは、AAR のディスカッションと分析作業を開始します。この時点で、AAR セッションで議論したいトピック、トピックを分析する方法、セッションに参加するメンバーを把握している必要があります。
ワークショップと分析を実行する:
2 つ目のフェーズで集めた素材を使ってプロジェクトのワークショップを開始します。イベントストーミングをする場合は、付箋を使って主要なイベントとアクションを想像上のタイムラインに沿って配置していきます。イベントの順序について話し合い、潜在的な問題をタイムラインに沿って特定します。問題点のマッピングを行う場合は、Y 軸を問題点、X 軸を工数としたグリッドに沿って、各問題点をチャート化します。
4 つの主な問いに答える:
どの AAR でも答えを出す必要のある主な問いが 4 つあります。
何が起こると考えていたか?
実際には何が起こったか?
何がうまく行ったか?その理由は?
何をどのように改善できるか?
これらの問いの答えを出すことで、プロジェクトのトピックを完全にレビューし、改善策を理解できます。
プロジェクトのトピックについてワークショップを行い、4 つの主な問いの答えを出したら、今度はその結果を周知します。最終ステップでは、情報を要約し、今後に向けて実行可能な提案を提供するアフターアクションレポートを作成します。
結論を出す:
アフターアクションレポートを作成したら、今後のプロジェクトで参照できます。このレポートを使って、スムーズに運んだタスクや手こずったタスク、実行すべき是正措置などについて、結論を出すことができます。たとえば、予算提案書を作成した際に、初期段階での調査が不十分であったために、予算オーバーになったという結論に至る場合などが考えられます。
アクションプランを立てる:
AAR の結論を出すときは、その後のプロジェクトでスムーズに作業を進めるための解決策を考え出しましょう。その解決策は、今後のすべてのプロジェクトには適用できないかもしれませんが、以前よりも準備を整えて新規プロジェクトに挑めば、気持ちも引き締まるでしょう。たとえば、作成するアクションプランには、詳しく書き出した予算提案の計画プロセスやリソース配分戦略を含めるとよいかもしれません。
記事: 知っておきたい 7 種類のプロセス改善手法ここで、SNS キャンペーンプロジェクトのアフターアクションレビューの例を一つご紹介します。この AAR レポートでは、チームのプロジェクト予算とリソース管理についてレビューしています。
このアフターアクションレビューテンプレートには、チームが AAR 構造に取り組み、ワークショップに備え、4 つの主な問いに答えるセクションが設けられています。
このアフターアクションレビューテンプレートを次回のプロジェクトのガイドとしてお使いください。
アフターアクションレビューの無料テンプレートきっとチームの手引きとして役立つ文書となるはずです。AAR を実施するときは、対面の場合でも、オンラインの場合でも、各問いの答えを出して、解決策を見つけられるよう、対象のトピックについて積極的に話し合いましょう。
解決策は、口頭で指示するよりも、過去のプロジェクトの例を見せて示す方がより効果的に伝わります。実際に見せることが、模範を示してリードする機会となり、チームとの信頼を築きます。
AAR からインサイトを得て、それを実践すると、仕事とチーム内の人間関係が改善していく様子を目の当たりにできるでしょう。
AAR には以下のようなメリットがあります。
イノベーションが生まれる: 以前ミスが発生していた領域が分かると、それを改善するためのクリエイティブな解決策を打ち出せます。
より適切な意思決定につながる: 振り返る時間を設けると、リーダーやチームメンバーはより効果的な意思決定を行えるようになります。
過去のミスを特定できる: AAR を実施すると、過去のプロジェクトをレビューして、過去のミスや処置の誤った問題点を特定できます。
チームシナジーが生まれる: AAR にはワークショップのような性質があるため、グループが協力し合って、価値のあるアクションプランを立てるよい機会となります。まさにポジティブな相乗効果と言えます。
将来のプロジェクトでよい結果が出る: AAR の最終的な目標は、将来のプロジェクトでよい結果を出すことです。
AAR を使う一番のメリットは、教訓を得るということです。過去から学ぶと、今後に向けてスキルを高めることができます。一種の継続的改善である AAR を使用すると、過去に行っていた効率の悪い点を取り除くことによって、仕事の仕方を少し変えることができ、それが最終的には、大きく、長期的な改善につながります。
AAR にチームコラボレーションは欠かせません。チームも、協力し合って改善に取り組む中で、お互いから多くを学ぶことができるでしょう。プロジェクトのレビュー作業を合理化するには、レビューテンプレートと今後のアクションプランをワークマネジメントツールで管理しましょう。そうすると、資料を共有したり、プロジェクトの情報を入力したりする作業が楽になります。Asana で AAR のワークフローを作成して、プロジェクトがシームレスに改善していく様子をご覧ください。
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