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アクションアイテムとは?タスクや To-Do との違い、明確に作成する方法を解説

寄稿者 Sarah Laoyan の顔写真Sarah Laoyan
2024年1月18日
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概要

ビジネスシーンにおいて、「アクションアイテム」というワードを耳にするものの、すでに実施している「To-Do リスト」との違いがよくわからないという方もいることでしょう。そこで本記事では、プロジェクトマネージャーなどの管理職の方に向けて、両者の違いやアクションアイテムの管理方法について解説します。効率的なタスク管理にぜひお役立てください。

更新: タスクや To-Do との違いに関する記述を含め、2024年 1月に改訂されました。

順調に進んだプロジェクトキックオフミーティングが終わりに近づいています。チームメンバーからは、ミーティングで決定したことをすべて実現しようという大きな意欲が感じられます。しかし、ミーティング後に実際に何をすべきなのか正確に把握するためには、どうすればよいのでしょうか?

そんな時に成否を分けるのが、アクションアイテムを明確に伝えるコミュニケーションです。

アクションアイテムとは何か?

アクションアイテムとは、プロジェクトを目標に向けて動かすために、他の関係者との会議を通じて作成したタスクのことをいいます。ビジネスシーンでは、タスクのことを「TODO」と呼ぶ場合も多くありますが、アクションアイテムはTODOとは若干異なるニュアンスを含みます。詳しくは後述しますが、企業経営に直結する規模レベルで、多くの関係者が存在するプロジェクトのタスク管理においては、アクションアイテムという表現を用いるほうが適切でしょう。

アクションアイテムとは端的に言うと「タスク」のこと

「アクションアイテム(Action Item)」は「AI」とも略され、端的にいうとタスク管理のひとつです。多くの場合、組織内の大規模なビジネスプロジェクトに付随して使われ、プロジェクトの目標達成に必要となる一つひとつのステップを指します。

アクションアイテムは、より大きな行動計画やタスクリストの一部である場合もあり、プロジェクト管理においては、効果的な会議と同等に不可欠です。

アクションアイテムを使えば、会議中に決定したことを追跡できます。会議のアクションアイテムは、成果物またはアセットの形態をとる場合があります。その内容は、フォローアップメールの送信などのようなシンプルなタスクから、新しい広告キャンペーン用にガントチャートを作成するなどといった長期的なプロジェクト計画の策定に関わるものまで、さまざまな場合があります。会議後の次のステップを明確にするために、会議の議題を活用して行動に移す必要があるアクションアイテムを追跡しましょう。

アクションアイテムと To-Do の違い

アクションアイテムと To-Do は、ビジネスシーンにおいてほぼ同じ意味で使われることも少なくありません。意識して区別したり、言い換えたりしない場合も多いでしょう。しかし実際、両者はニュアンスがやや異なるため、タスク管理において明確に使い分けができると便利です。

具体的には、アクションアイテムとは「自分も含めたチームメンバーのタスク」であり、To-Do は「自分のやるべきこと」というように、他メンバーを含むか含まないかという点で異なります。プロジェクトマネージャーとしてチームを率いる立場にある人は、自分以外のチームメンバーのタスクを「アクションアイテム」として管理していく必要があるといえます。

このほか、ミーティングで合意した実施事項についても、関係者が多く存在する以上、To-Do ではなくアクションアイテムと呼ぶほうが適切です。一方、通常業務において自分のタスク管理をする場合は、「To-Do」管理となります。

アクションアイテムを明確にする 3 つの問い (3W)

アクションアイテムには 3 つの主要な要素があります。その 3 つの要素を含めれば、アクションアイテムの担当者、必要な行動、期限を明確に伝えられます。英語ではこれらの 3 要素を「誰が (Who) 何を (What) いつまでに (When)」と表せるため、その頭文字の W をとって「3 W」と呼んでいます。

担当者 (Who)

「このアクションアイテムの担当者は誰だろうか?」「この特定のタスクに関しメンバーの質問が発生した場合には、誰に尋ねればよいのだろうか?」こういった疑問を解消するためには、RACI チャートの使用をおすすめします。RACI 図を使えば、タスクの担当者や意思決定プロセスに関わるその他のメンバーを正確に把握できます。

記事: プロジェクトマネジメントにおける関係者の分析とその重要性

必要な行動 (What)

タスクの説明を見たとき、どんなアクションが実施されるのかすぐにわかりますか?効果的なアクションアイテムのポイントは動詞です。タスクの名称自体がアクションを明示するものであれば、何をすべきかが一目でわかり、迷いが生じません。たとえば、アクションアイテムを「コンテンツカレンダー」と記載する代わりに、「コンテンツカレンダーのトピックをブレインストーミングする」としましょう。この例では、「ブレインストーミングする」という動詞により、何をすべきかが一目瞭然なので、必要な行動についてあいまいさはありません。

タスクを作成する際には、アクションアイテムを遂行するタスク担当者に提供できる背景情報はないか検討しましょう。タスクを完了するために担当者が必要とする重要文書や参照資料はないでしょうか?タスク完了に必要な重要情報をすべて 1 つの場所で管理すれば、便利であるだけでなく、仕事のプロセスを効率化できます。タスクを完遂するために必要なチームメンバー同士のやりとりも最小限にとどめられます。

時期 (Why)

会議で決定したアクションアイテムの期限はいつですか?締め切りを定める際には、他のタスクとの依存関係やタスク担当者の現在の作業量も必ず検討しましょう。「この締め切りは、チームとプロジェクトの双方にとって現実的だろうか?」という問いを必ず行った上で期限を設定しましょう。

明確なアクションアイテムの具体例

アクションアイテムは必要不可欠ですが、会議後にやるべきことを明確に表現できるようになるまでには、訓練が必要です。アクションアイテムの作成例を以下にいくつか紹介します。

エンジニアリングチームのアクションアイテム作成例

開発チームが、修正を要するバグを発見しました。チームは、チームミートアップでソリューションの選択肢を検討後、数か月前に似たバグを修正した段田さんに今回もバグを修正してもらうことを決定しました。このバグ修正は、2 週間後に予定されている次回の製品アップデートまでに完了してもらうことになりました。

アクションアイテム: バグを修正する。

  • タスクの担当者: 段田さん

  • 締め切り: 本日から数えて 2 週間後。

人事のアクションアイテム作成例

人事チームは、新しいメンバーがチームに加わることを見据え、それに間に合うよう、今後数か月以内をめどにオンボーディングプロセスを標準化することを目指しています。同チームは、オンボーディング用のプレゼンテーションのアウトラインをコラボレーションにより作成することを決定しました。アウトラインの作成期日は、新入社員の勤務初日の 2 週間前に設定しました。続いて、そのアウトラインに基づき、新入社員が勤務を開始する 1 週間前までに、川添さんがプレゼンテーションのスライド作成を完了させます。

アクションアイテム 1: オンボーディングプロセスに関するプレゼンテーションのアウトラインを作成する。

  • タスクの担当者: 人事チーム

  • 締め切り: 新入社員の勤務初日の 2 週間前

アクションアイテム 2: チームが作成したアウトラインに基づき新しいオンボーディングプロセスに関するプレゼンテーションを完成させる

  • タスクの担当者: 川添さん

  • 締め切り: 新入社員の勤務初日の 1 週間前

デザインチームのアクションアイテム作成例

マーケティングチームとデザインチームがブランド見直し案の第 1 版へのフィードバックを共有するため会議を開催します。マーケティングチームは当初のデザインに対するフィードバックを提供し、続いてデザインチームは会議で話し合ったそのフィードバックを 2 週間以内に反映します。

アクションアイテム: ブランド見直し案の第 1 版を編集する。

  • タスクの担当者: ブランドリデザインチーム

  • 締め切り: 8月 10日 (次回会議の開催日)

アクションアイテムを管理するメリット

プロジェクトの進捗を追跡する手段を求めているプロジェクトマネージャーの方は、アクションアイテムのモニタリングを行えば、以下のようなメリットをチームに提供できます。

アクションアイテムを使ってプロジェクトの情報整理を行える

効果的なプロジェクトマネージャーは、会議後にアクションアイテムの一覧を関係者に送信することにより、今後のステップについて全員の認識を揃えます。議事録や会議メモに基づくアクションアイテムの整理を通じてタスクを分類するプロジェクトマネージャーもいます。それにより、会議の議題に記載されている具体的な討議事項に対応するのはどのアクションアイテムかを明示できます。

アクションアイテムを使ってチームメンバーの責任意識を維持できる

1 回の会議で決定される事項がたくさんある場合には、会議進行中にリアルタイムで To-Do をアクションアイテムとして記録しましょう。会議中に専任のメンバーにアクションアイテムの一覧を作成してもらい、会議後に各タスク担当者とのフォローアップを行えば、チーム全員が自分の担当タスクを正確に把握できます。

アクションアイテムを使って進行中の仕事を追跡できる

アクションアイテムの追跡は、チームの作業量を管理するために効果的なツールです。アクションアイテムを追跡すれば、マネージャーはチームが取り組んでいる作業の内容を把握でき、仕事をさらに引き受ける余力があるか判断できます。チームに時給ベースの従業員がいる場合、またはエージェンシーを介した委託業務のように時間単位で仕事を割り当てている場合には、各アクションアイテムの完了までにかかる時間を追跡できます。定期的に完了されるアクションアイテムを追跡すれば、その情報を基に将来類似するプロジェクトの割り当てを行い、そのプロジェクトの完了に必要な人員数を判断できます。

アクションアイテムを使ってチーム全体の進捗状況を一元管理できる

アクションアイテムを洗い出し、一元管理していくことで、チーム全体の進捗状況を可視化できます。複数のメンバーが関わるプロジェクトを円滑に遂行するうえでは、「チーム内の負荷の標準化」「課題に対する速やかな軌道修正」が肝心です。チーム全体の進捗状況を一元管理できれば、各メンバーの現在の業務負荷を正しく把握でき、課題や遅れのあるタスクをフォローしやすい環境が整います。全体最適な視点での指示となるため、判断の公平性や妥当性も担保されるでしょう。

アクションアイテムを使ってチームリーダの管理負荷を軽減できる

プロジェクトマネージャーのように、チームメンバーの業務を支援する立場にある管理職の業務負荷も軽減されます。各メンバーにタスクを管理させると、ムダやムラも発生し、結果的に事実確認にも手間がかかります。

その点、アクションアイテムリストで全メンバーのタスクを管理すれば、原則 1 つのリストですべての状況をリアルタイムに把握できます。同時に起きていることを直感的に理解できるうえ、フォーマットを統一することで情報の抜け漏れも減らせるでしょう。チームメンバーから報連相を受ける際も、前提となる状況が頭に入っていれば、経緯の説明を省き本題から始められるためスムーズです。

アクションアイテムを管理するポイント 3 つ

アクションアイテムは、担当者にアサインして終わりではなく、着実に実行してもらう必要があります。ここでは、アクションアイテムを管理する 3 つのポイントについて解説します。

ポイント① ベースは To-Do リストと同じ

アクションアイテムの管理方法は、基本的には To-Do リスト管理の考え方と同じです。具体的には、「タスクの洗い出し」→「期限設定」→「優先順位づけ」→「ジャンル分け」という 4 つのステップに分けて進めていきます。

タスクの洗い出しとは、プロジェクトの目標達成までに必要な一つひとつのタスクをすべて書き出し、リスト化することです。リスト化することにより、関係者全員でプロジェクトの全体像を共有できます。タスクの「具体性」「成果の定量化、可視化」「難易度」を意識してリストに落とし込んでいくのが、進捗管理や遂行を可能にするコツです。営業部門でのリスト化を例に挙げると、「見積書発行」といった漠然とした書き方ではなく、「A 社への見積書発行」というように、対象や成果物、完了期限が明確になる形で管理します。

洗い出しが終わったら、期限設定や優先順位づけを行います。後続タスクがある場合はそこから逆算し、チームメンバーのスケジュールも確認して、無理のない納期にしましょう。優先順位については、タスクの重要度と緊急度の 2 軸で決めていきます。当然、もっとも優先度が高いのは、重要かつ緊急性の高いタスクです。タスクの数が多い場合は、ジャンルごとに分けて体系的に整理するとわかりやすくなります。チーム別やクライアント別など、まとめ方はさまざまですが、自分が直感的に理解でき、かつ管理しやすいフォーマットにするのがポイントです。

ポイント② 「管理者/担当者」の項目を設ける

リストが完成したら、「誰がそのタスクを処理するか」を明確にするために、「管理者 / 担当者」の項目を設けます。

管理者 / 担当者を明確にすることには、「責任の所在を明らかにする」「チーム内の業務負荷のバランスを取る」という 2 つの目的があります。プロジェクトのタスク管理においては、タスクごとに実務を担うチームメンバーをアサインし、プロジェクトメンバーがそのすべてを管理するのが一般的です。

プロジェクトマネージャーは、全メンバーのアクションアイテムをタスク管理していくことになります。チーム会議などで定期的に進捗確認を行い、遅延しているタスクがあれば課題を把握し、適切な支援を行っていく必要があります。「問題が大きくならないうちにタスクに増員する」「納期を見直す」などの調整を図り、全体への影響を最小限に抑えることがプロジェクトマネージャーの重要な役割です。

ポイント③ 他メンバーとリアルタイムで共有できるプラットフォームを準備する

To-Do リストと異なり、アクションアイテムについては、他メンバーとタスクを共有する必要性が高いといえます。そのため、リアルタイムで情報共有できるプラットフォームを活用し、そしてその環境を整えることが大事です。

たとえば、社内にファイルサーバーがあれば、Excel のリストを全員で共有するという方法もあります。しかし、Excel 管理の場合は最新情報に都度書き換える必要があり、さらに社内のファイルサーバーにアクセスできる場所も限られます。

もっとも効率的なのは、時間や場所の制限なしにリアルタイムで共有できる、クラウドサービスを利用することです。特にワークマネジメントプラットフォーム「Asana」は、チームのタスク管理を得意としているためおすすめです。チームの業務を Asana 内で一元管理でき、個々のタスクからプロジェクトの全体像まで可視化できるため、チーム内の協力関係が強化されます。メンバー間の関係が希薄化しがちなテレワーク下でも、チームの連携を維持しやすいでしょう。

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アクションアイテムのよくある間違った作成方法

アクションアイテムをうまく使いこなせば、チームのワークフローを促進し、タスクリストの To-Do 項目を着実にクリアし、プロジェクトの進捗を加速させることができます。一方で、アクションアイテムが明確に定義されていない場合には、大きな問題に悩まされる可能性があります。

アクションアイテムを作成する際に避けたいよくある間違いを以下にいくつか紹介します。

あいまいなアクションアイテム

タスクを完了するために必要な情報をすべてタスクに含めないと、その仕事の開始が阻まれます。そして、情報を入手したり関係者へのフォローアップを行ったりする必要が生じるので、貴重な時間が奪われることになります。当社の調査によると、ナレッジワーカーは、勤務時間の 60% を「仕事のための仕事」(会議、進捗状況の確認、情報検索などの調整業務) に費やしています。明確に定義された「必要な行動」(上記の 3 W の内の「What」) を含めれば、作業内容に関する混乱が解消されるので、関係者間の不要なやりとりを避けられます。

締め切りを設けない

締め切りを設けないと、タスクが際限なく先延ばしされた挙句に忘れられるような事態につながります。プロジェクトを完了するためにそのアクションアイテムが不可欠な場合には、必ず期日または締め切りを明確に設定する必要があります。アクションアイテムに期日を割り当てない場合、簡単に埋もれてしまう可能性があります。

タスクの担当者を定めない

前述のとおり、タスクの担当者を定めることはとても重要です。

タスクを明確な担当者に割り当てない場合、放置されたままになる可能性があります。完了を要する仕事があり、自らそれを引き受けようとするメンバーがいない場合には、その任務に最も適したメンバーに割り当てましょう。そのメンバーにタスクを引き受ける余力がない場合には、チームの現在の作業量を把握すれば、そのアクションアイテムを完了するキャパシティがある他のメンバーを見つけられます。

「担当者」(上記の 3 W の内の「Who」) を明確に定義すれば、タスクが未完了のまま埋もれてしまうような事態を防げます。タスクを誰かに割り当てさえすれば、その完了が必要なことを認識する人が少なくとも 1 人いることになります。

Asana でチームの仕事量を管理する

Asana を使ってアクションアイテムを整理する

アクションアイテムを作成することは簡単ですが、チームとそれを共有することは、仕事をすべて 1 つの場所で管理していなければ困難な場合があります。そんな時に活躍するのがワークマネジメントツールです。

Asana のようなワークマネジメントツールを使えば、チーム全員が 1 つの場所でプロジェクトのタスク、会議メモ、アセットを管理できます。つまりチーム内の仕事を 1 つのプラットフォームにまとめられます。さらに「リストビュー」「タイムラインビュー」「ボードビュー」など、ニーズに合う切り口で情報を並び替えることも可能です。

また、さらなるステップとして、それらのタスクを戦略的なイニシアチブにつなげることもできます。Asana を使用すれば、チームの日々のタスクをより大きな会社目標につなげ、仕事の意義とその遂行により目指すものを明確化できます。

チーム内のアクションアイテムをスマートに整理し、生産性を向上させましょう。ワークマネジメントの詳細は、ワークマネジメントの紹介をご覧ください。

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