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各チームが個別に使っていたフォームを一つの会社規模のフォームに統一することで、エンドツーエンドのバグ追跡プロセスを確立
部門間の見える化、特にエンジニアリングチームとそれ以外のチームとの間の可視性が改善された
Quara の全社員が信頼できる唯一の情報源を使用するようになり、重複する仕事の数が削減された
Quora は、人々が関心のある疑問について意見交換し、答えを発見できるオンラインのナレッジ共有プラットフォームです。Quora では、投稿されている質問について事実や自分の意見を共有できます。たった 10 分で学べる便利な情報から重宝する Asana の活用法まで、誰かが疑問に思ったことなら、答えはおそらく Quora に載っているでしょう。
しかし、この世界の知識の広場に人々を集めるには、いくつかの課題が伴いました。国際化チームの製品マネージャーを務める Elynn Lee 氏にとって、その 1 つは Quora を 23 個の新しい言語にローカライズし、グローバルコミュニティに対するサポートを向上させるということでした。その実現を目指した Quora の製品開発チームは、新機能を頻繁にリリースするための継続的なデプロイプロセスを構築したものの、バグ追跡システムはそのペースについていけなかったのです。
これまで、バグ追跡プロセスは、製品開発チームが独自のツールを使って担当、管理していました。しかし、そのツールが原因で仕事の流れにサイロ化が生じ、プロジェクトの可視性も低くなっていました。下にその原因を説明します。
Quora のすべてのチームメンバーがバグを報告するように言われていたものの、バグ追跡ツールにアクセスできたのは製品開発チームの一部のメンバーだけであった。
コードをプッシュしていたチームだけがバグ追跡ツールへのアクセスを持ち、他のチームはツールへのアクセスをリクエストする必要があったため、手作業がたくさん発生していた。
補足的な質問はすべてメールや Slack を通じて管理されていたので、情報の伝達が大幅に遅れていた。
Quora のエンジニアは、チーム用のバグ追跡システムを構築するために、カスタム機能を作成する必要があった。
Quora の製品開発者は、チームごとに固有のバグ追跡フォームを 1 つずつ管理する必要があった。
もっといい方法があるはずだと考えた Lee 氏は、会社全体をつなぎ、メンバー全員がアクセスできるシステムを発見するという大きな新プロジェクトに着手しました。
Lee 氏は、会社全体がバグ報告プロセスの追跡と管理に使用できる適切なツールを発見することを自ら担当しました。彼女は、まず最初に、他の製品開発チームにインタビューを行い、新しいツールがそれらのチームが現在のシステムで使い慣れている機能をサポートすると同時に、重要な課題を解決できることを確実にしました。Quora の製品プラットフォームチームによる管理、カスタマイズ、優先度設定をあまり必要としないツールを発見するという必要がありました。そして彼女は、製品開発には関与しない他のさまざまなチーム (法務、財務、製品など) のメンバーにもインタビューを行い、それぞれがバグ追跡システムに期待することについて質問しました。
Quora のチームは、具体的に以下を提供してくれるツールを必要としていました。
プロジェクトを一元管理できる場所があり、各メンバーの担当業務とその進捗状況を複数部門の関係者に対して明確にできる上に、仕事の見落としを防ぐことができる。
製品開発チームにバグを送信するための標準チャネルが 1 つだけ設けられており、同チームは優先度の判定と管理を 1 か所で行える。
タスクのメタデータを取り入れ、バグのルーティングと優先度判定をより簡単に行うための手段。
エンジニアリングチームのサポートなしに、自分たちで構築し、カスタマイズできるシステム。
Lee 氏の国際化チームは Asana を使用するようになり、彼女は野心的に見えた Quora のウィッシュリストが達成可能であると思えるようになりました。Asana はエンジニアリングチームもそれ以外のチームも簡単に導入することができ、使いやすさに劣った他社のツールと比べると、そのよさが際立っていました。こうして、Lee 氏は、製品チームやエンジニアリングチームだけでなく、会社全体で使用できるツールを選択するという目標を達成しました。
Lee 氏にとって、Quora のバグ追跡に対する可視性を高めることは、第一歩にすぎませんでした。彼女は、ワークマネジメントプラットフォームを使ってすべての仕事を 1 か所で追跡することもチームにメリットがあると考えていたのです。
Asana をエンジニアリングチームとそれ以外のチームにも導入できたことを踏まえ、Lee 氏は Asana の新たな用途として、Quora のすべての四半期プロジェクトを Asana で追跡する準備をしました。それまで、各チームは独自のワークマネジメントツールを使用していましたが、Lee 氏のチームは Asana で仕事の追跡と管理を行っていました。
チームは、ポートフォリオを使用するようになり、複数のプロジェクトの仕事を追跡し、複数のイニシアチブの進捗レポートを俯瞰できるようになりました。また、チームリーダーは、ステータスレポートを使い、わずか数クリックで週間ステータスレポートを作成しています。こうして、社内のメンバーは、チームのすべての進捗レポートをポートフォリオレベルで表示することができます。
Lee 氏は 2 本柱のアプローチで Quora の Asana 導入をサポートしました。
バグ追跡: Lee 氏は、まず Asana を使ったバグ追跡のルールを定めるドキュメントの作成から始めました。このドキュメントを作成するにあたり、Lee 氏は各チームからエンジニアを 1 人ずつ集めたバグチームと連携しました。このドキュメントには、バグを送信する方法やバグの優先度を判定する方法、バグが割り当てられた場合の対応など、Quora のチームメンバーが聞く可能性があると思われるあらゆる質問の答えが記載されています。こうすることで、誰でもすぐに Asana でバグ追跡を始められます。
プロジェクトとポートフォリオの管理: Lee 氏は、各プロジェクトのステータスの可視性を高めるために、Quora にポートフォリオの管理も導入したいと考えていました。Quora のチームにポートフォリオをロールアウトするため、Lee 氏は自身が持つ Asana の経験を活かし、ワークフローの例をいくつか作成することで、プロジェクトとポートフォリオの管理に Asana を使う最適な方法をチームに披露しました。各チームリーダーは、自分のチームで使うポートフォリオを作成し、プロジェクトリーダーはチームのポートフォリオにプロジェクトを追加するよう指示を受けました。チームはプロジェクトにおいて追跡したいことがあれば、何でも追跡するようにとすすめられました。プロジェクトリーダーは週間アップデートを共有し、チームリーダーが各プロジェクトのステータスをポートフォリオレベルで俯瞰できるようにするということが唯一の条件でした。
オンラインナレッジのプラットフォームとして、Quora のチームは Asana のオンボーディングプロセスをさらに一歩推し進めました。Lee 氏は、単発の質問に答えたり、チームメンバーが Asana のヒントやコツを共有し合ったりする場として社内の Slack チャンネルも作成しました。そして Quora チームは、Quora の他のメンバーたちとナレッジを共有せずにはいられません。Quora ユーザー (従業員ならびに好奇心旺盛なインターネットユーザー) は、Asana スペースにアクセスし、Asana のヒントやスクリーンショット、ベストプラクティスを共有できます。
Quora のチームは、サイロ化していた仕事と全体に行き届いていなかった可視性を大幅に改善しました。今日、実行可能な仕事はすべて Asana で管理されており、チームリーダーは毎週進捗レポートを共有しています。チームのタスクとプロジェクトのポートフォリオは、会社全体で共有されているので、Quora 全体で他部門のコラボレーターがプロジェクトの進捗状況を把握できるようになりました。
また、すべてのバグ追跡は Asana で行われています。Quora チームの各メンバーは、1 つのプロジェクトに関連づけられた 1 つのフォームから、簡単に新しいバグを送信することができます。バグの割り当て先チームは、ドロップダウンオプションから選択します。そして、Asana のルールを使用することで、新しいバグに関する通知が該当するチームメンバーに送られるので、仕事の優先度がよりすばやく、効率よく判定されます。
バグ追跡プロセスの可視性をさらに高めようと、Quora のエンジニアは、フォームの送信者をタスクのコラボレーターとして追加するカスタム API を構築しました。これにより、フォームの送信者は、最新情報を把握し、追加で質問があれば回答し、バグが修正されたときにはその通知を受けることができるようになっています。
社内で可視性とつながりを築き上げた Quora。今後は、同じことを実現するチャンスをユーザーに差し伸べています。最近、同社はユーザーが特定のトピックやテーマについてのコンテンツをキュレーションできる Quora スペースをリリースしました。Lee 氏のチームは、どの Quora ユーザーでもスペースを作成できるように、できるだけ多くの言語にローカライズしようと努力しています。人気のスペースには、Simplify Your Life や Machine Learning、Straight From the Source などがあります。